ninchisho-yui-logo
menu

メニュー

clear ninchisho-yui-logo

「認知症の教室(一般市民用)」で記事を検索しました。

ブログ投稿画像

2021.06.10

認知症の教室(一般市民用)
「アデュカヌマブ」は認知症への救世主になれるのか? センター長の石川です。 ニュースで大きく取り上げられていたアルツハイマー病の治療薬「アデュカヌマブ」 まるで特効薬が出来たかのような騒ぎになっていますが、 はたして認知症で苦しむ人の救世主になるのでしょうか? まずマスコミは「治療薬」と言う言葉を使いますが、 「治療」はいわゆる健康な状態に戻すということになります。 しかし「アデュカヌマブ」はあくまでも完治するための薬ではなく、 病気の進行を止めるための薬です。 ご承知の通り、脳にアミロイドβという異常なたんぱく質が溜まり、 これが神経細胞を破壊し、アルツハイマー病に至るのですが、 そのアミロイドβを除去していく働きをするのが「アデュカヌマブ」なのです。 ここでわかりやすくまとめてみます。 〇「アデュカヌマブ」はあくまでも認知症を治す(認知症がない状態に戻す)ものではない 〇何故ならば、一度破壊された神経を元に戻すことが出来ないからです。 〇但し、早期から「アデュカヌマブ」が使えれば、ダメージをかなり少なくできます。 〇また、アミロイドβを以降溜め込まないので、神経細胞の破壊が予防できます。 〇つまり、「アデュカヌマブ」は治療薬と言うより、進行を抑制する薬と言えます。 〇ところが現状ではめっちゃ高価(月1回投与で50万?)で、庶民には手が出せません。 〇保険適用になるかは、現状では厳しそうです。 〇点滴による投与になります。 〇治験結果は見切り発車的で、効果がないと判断される場合もあります。 〇投与が必要な方や、いつ頃からかという判断がかなり難しいです。 〇既に進行が進んでいる方には「残念ながら…」と言う状況です。  現在発症していないけど、発症する可能性がある方が対象になりますが、 それでも今すぐ使えるものではありません。 ◎但し、もし「アデュカヌマブ」に有用性が認められれば、壊れた神経細胞はよみがえらすことは出来なくても、人間は新しいことにチャレンジすることで、壊れた神経細胞の数ほどではなくても、新たな神経細胞が発生することがわかっています。つまり前向きの人生を送るなら、「アデュカヌマブ」の助けを借りて、かなりの生活維持が出来る可能性はあります。 いずれにしても、マスコミは大々的に取り上げ、製薬会社の株が一気に上がる状況ですが、 私たちが眼前としている方々には「残念ながら間に合わない」のが事実です。 また有効性が確約されても、庶民が使える薬になるか、 そして投与判断はどうなるのかなど課題は山積かなと思います。 以下、NHKニュースに出られた先生のコメントを抜粋しておきます。 東京大学岩坪威教授 今後、患者や医療現場に与える影響については、「今回の薬は、認知症を発症したばかりの状態からその後の進行のスピードを抑えるもので中等症や重症になるまでの時間を延ばすことでより生活を高いレベルで維持することができると期待される。症状が軽い段階がなるべく長く続けば介護の負担が少なく、本人も自分らしい生活が送れるようになるメリットは非常に大きいと思う。一方、薬を使えるかどうかを診断するためには脳にアミロイドβがたまりアルツハイマー病の初期段階ということを調べる特殊な装置が必要となる。さらに脳に局所的なむくみが出るなどの副作用への対応も必要で、専門医や専門施設を準備することが求められるのではないか」と指摘しました。 また、薬価が高額になるという指摘については、「バイオジェン社の予測する価格では、月に1回の投与に50万円以上と薬代が相当高い。これをどうやって負担するのかは世界各国どこでも大きな問題になると思う。」 国立精神・神経医療研究センターの中村治雅臨床研究支援部長 「今回の薬は、症状の緩和を目指したこれまでの薬とは異なり、原因に迫り、治せるかもしれないという期待もあり、患者や家族、介護者、それに医療者にとっては希望となる。しかし今回、完全には有効性が分かっていない中で迅速承認となっていて、FDAは今後も大規模な治験を行うことを求めている。手放しでは喜べず、本当に有効な薬なのかどうか、そしてどのような患者さんに対して使うべきなのかといった点に今後も注意を払うべきだ」と指摘しています。 「ここからは、ニューズウィーク誌より」 アルツハイマー病の患者やその家族を代表する複数の組織は、新たな治療法はどのようなものであれ(たとえ治療効果がわずかでも)承認されるべきだと言っている。だが多くの専門家は、今回の新薬承認は危険な前例をつくり、効果が疑わしい治療にも扉を開くことにつながりかねないと警告している。
ブログ投稿画像

2021.05.29

認知症の教室(一般市民用)
若年性認知症の方との関り(16)【車の乗り降りの難しさ】 毎朝お迎えに上がるとFさんは超ご機嫌斜めです。 元々Fさん自身はスナックを開いていたため、夜半過ぎに寝て、昼前に起きるという生活でした。 そのため、朝早く起きるということに慣れていないのです。 デイサービスもできるだけ順番を後にするようにしましたが、やはり朝は闘いでした。 暴れるFさんを送迎車両まで二人掛かりで誘導するのですが、 車高の高いマイクロバスに乗ってもらうのが一苦労です。 中から引っ張る側と、後ろから押す側とにスタッフが分かれて何とか乗ってもらいます。 Fさんに限らず、認知症の方は、車の乗り降りが苦手です。 何故ならば、車の乗り降りの動作は、認知機能が低下している人にとっては 一度に多くの動作を短時間に行わなければならない大変困難度の高いものだからなのです。 右足左足それぞれの別の動きが必要になり、手もどこへもっていくのかがわかりません。 そして頭もぶつけないよう言われます。 さらに、車の乗り降りはケアスタッフもあせり気味ですので、あれやこれやと声を掛けます。 認知症の方はそれだけでパニックになってしまうのです。 そのパニックは身体をさらに硬直化させてしまいます。 私たちには簡単にできてしまう車の乗り降りの行動なので、 ケア側もイラついてしまうところがあるでしょう。 しかし本人にとっては「ど、ど、どうせぇちゅうねん!」みたいな混乱状況にあるのです。 ケア側の注意点としては、焦らずに行動を一つひとつに分解し、 その都度「ありがとございます。」「オーケーです。」「助かります。」など、 ポジティブな言葉を使うことが大切です。 さて、送迎車が動き出し、少しの間のドライブ中はFさんが穏やかになられる時間帯です。 不思議なことに、認知症の方は車に乗ると落ち着かれる方が多いようです。 この車の効用についてはまた別の機会に書いてみたいと思います。 デイセンターに到着すると、次なる課題が。 車の中ですっかり落ち着いたFさんは、今度は車から降りてくれないのです。 乗せるも苦労、降ろすも苦労の方でした。 そして小さな民家を改修したデイサービスセンターでのFさんの一日が始まるのですが、 ここからがスタッフにとっての本当の闘いになります。 しかし、その闘いを通して、Fさんとの繋がりが図られていくのです。   (つづく) センター長の石川でした  
ブログ投稿画像

2021.05.27

認知症の教室(一般市民用)
Air Tagは、認知症の人にも役に立つか? センター長の石川です。 Appleより「Air Tag」なるものが発売されました。 例えば、財布の置き場所がわからなくなった!と言う場合に、 この「Air Tag」を入れておけば、iPhoneがすぐに場所を教えてくれるという機能です。 もし旅先で忘れてしまった場合は、近くのiPhone所持者のiPhoneが居場所を教えてくれるそうです。 いわゆるGPSを使うものではなく、 平たく言えば、iPhoneを所持している人のiPhoneが探してくれるということになります。 キーホルダーにもなる小さなものなので、だいたいな物の中には入れられるというものですね。 私はアンドロイドなので、範疇外ですが。 では認知症の人に役に立つのか?と言うことになります。 まずは、最近ちょくちょく物を置き忘れる、認知症ではないけれど、 「探し物が多くなる」場合は良いかもしれません。 或いは認知症状からのもの忘れによる置忘れにもいいかもしれません。 「私の財布を盗ったのはあなたでしょ!」と言う、もの盗られ妄想が出た時にも、 すぐに探し出せていいかもしれません。 そして、万が一出て行かれて行方が分からなくなった場合。 課題はいくつかあります。 これは「Air Tag」だけに限らずGPSタイプのものも同じなのですが、 本人がそれを身につけて出てくれるかどうかということです。 ここが介護者にとっても最大の悩みになります。 そして「Air Tag」の場合、近くにiPhone所持者がいなければなりません。 山村や、山の中に迷ってしまった場合は反応しない可能性が大きいです。 このように考えると、身近なものを探すにはいいかもしれませんね。 しかし、行方不明の方を探す場合、街中ならば探せても、 人里離れたところに行ってしまうと厳しいかもしれません。 認知症の人にどう所持してもらうかというのが、やはり大きな課題となります。 ただ、このように選択肢が増えたことはありがたいですし、 「ちょい忘れ」には、効力を発揮しそうです。 これからも色々出てくるかもしれませんね。 詳しくは、下記HPまで。一個3,800円。ホルダーは別売です。 https://www.apple.com/jp/airtag/?afid=p238%7CsUG5L0OXt-dc_mtid_18707vxu38484_pcrid_516121240258_pgrid_119615162365_&cid=aos-jp-kwgo-btb–slid—product–
ブログ投稿画像

2021.05.21

認知症の教室(一般市民用)
若年性認知症の方との関り(15)【ドアを開けるとモノが飛んでくる】 久しぶりに若年性認知症の方のお話しです。 若年性認知症の方との関りはまだまだあります。 この時私は認知症デイサービスセンター(当時のE型)に配属されていました。 恐らくは認知症デイサービスセンターの走り(日本では1~2番目)ではなかったかなと思います。 特養施設の横にあった古い民家を改修して作られた、今でいうグループホームのような雰囲気のところでした。 毎回の利用者は7~10名程度だったでしょうか。 小さな民家ですから、ほんとにアットホームな感じの場所でした。 利用者の多くは高齢の方でしたが、Fさん(女性)は50歳代。利用者の中では飛びぬけて若かったと思います。   この方との記憶は鮮烈です。 マンションの一室。多分5~6階だったでしょうか。 このFさんのところへお迎えに上がるときは、必ず職員2名で伺います。 そして、扉を開けるとそこには顔を真っ赤にし、激怒した小太りのFさんが仁王立ちしているのです。 時にドアを開けた途端、モノが飛んでくることもありました。 そのFさんの後ろでは困惑した表情で夫がFさんを送り出そうとしています。 デイサービスへ行かれる朝は、早く起こされるため、Fさんは常に不機嫌で、 家の中で物を投げまくっているのです。     当然、私たちが来ると、鼻息高く超激怒しています。 そこから送迎車に行くまでの間、Fさんの両側にスタッフが回るのですが、 壁に押しつけられたり、押されたりと大変です。 エレベーターの中でも暴れられるので、エレベーターが停まりはしないかとひやひやなのです。 そして更なる障壁が。 いかにして送迎車に乗ってもらうかなのです。 (つづく) センター長の石川でした。
ブログ投稿画像

2021.05.20

認知症の教室(一般市民用)
認知症の相談事は何でも「結(ゆい)」まで センター長の石川です。 緊急事態宣言が続く中、感染者数はやや減少傾向とはいえ、 感染力の強い変異型は、ひとたび罹ると大変なことになります。 ワクチン接種が開始されたと言っても、全国民への接種にはほど遠く、 その予約システムは、高齢者には非常にわかりづらいものになっていますね。 特に認知症の人を介護する方の苦労はなおさらでしょう。 認知症の方をケアする介護者の方の 精神的負担はさらに厳しい状況が続いていると言えます。 ストレスが溜まって、それを掃き出したい方、 どう対処したらいいかわからない方、 これからどうしたらいいかお悩みの方など、 どんなことでもいいので、ご連絡ください。 全国どこからでもオーケーです。 Web相談も可能です。 英田北小学校での活動です   こんな愚痴聞いてもらえるやろか?と言うようなものでも構いません。 ご相談は一切無料です。 気軽にご連絡くださいね。 (ただし、コロナワクチンの予約の問い合わせについては、地元の自治体に問い合わせください) この色の建物が目印です。「吉田本町」のバス停前です。   連絡先:072-960-6070 (アーバンケア島之内として、応答しますので、「認知症の相談で」とお伝えください。)
ブログ投稿画像

2021.05.17

認知症の教室(一般市民用)
反対側の視点から見ることの大切さ センター長の石川です。 先週の土曜日の「世界ふしぎ発見」は、鬼の特集でした。 世間はまさしく「鬼滅の刃」ブームで、鬼がクローズアップされたのですが、 番組では鬼を単に悪者として見るのではなく、 鬼には鬼の置かれた立場があるのだという所にも視点が向けられていました。 鬼は視点を変えれば、コロナは寄せ付けないぞ!という、私たちの味方にもなるのです。 「鬼は人をだますことはしないが、人はだます卑怯なことをする。」という言葉に、 思わず頷いてしまいました。 私たちから見る鬼は、悪そのものかもしれませんが、 鬼から見たら人間の方がずっとずる賢い悪なのかもしれません。 立場を変えて(視点を変えて)みて見れば、全く違う世界が見えるのです。 私たちの仕事でも、ここは重要なポイントですね。 険しい林道を行くと、素晴らしい滝が現れます 前鬼手前の不動の滝 ここまで来るだけでもかなりの悪路です。 さて、番組では奈良の山奥に住む、鬼の子孫五鬼助義之さんが登場していました。 奈良下北山村の曲がりくねった落石の多い林道を長々と行くと前鬼(小仲坊)に着きます。 かつて私が宿泊した時の前鬼小仲坊 ここで五鬼助さんは夫婦でひっそりと宿坊を開いているのですが、 私もその昔、ここに宿泊したことがあります。 まさしく修験道の場所、そして山なのです。それも極めて険しい山です。 釈迦が岳山頂に釈迦像が見えます。 その山を登り詰めると、お釈迦様の銅像が立っている釈迦が岳山頂に着きます。 奈良大峰山奥駆け最深部にある釈迦が岳山頂 めっちゃ交通不便な、奈良の奥深い山にもかかわらず、私はこれまで5回登頂しています。 本当に心が洗われる素晴らしい山なのです。 釈迦が岳山頂。この当時は腹が出てない! さてさて、テレビに出てきた鬼の子孫五鬼助さん。 その先祖は前鬼、後鬼と言う夫婦の鬼なのです。 鬼の子孫 五鬼助義之さん (日本遺産吉野より) 驚くことに、この前鬼、後鬼は、生駒山暗峠で人間を襲っていた鬼でした。 つまり、下北山村の山奥の鬼の出身地は、生駒山だったのですね。 生駒山 一番低いところが暗峠です。 当時役行者(役小角 えんのおづぬ)と言う、スーパーマンのような行者がいて (この行者、修行の末に空を飛べたので)、この前鬼、後鬼を捕らえ (捕らえた場所が、鬼取という名前で暗峠近くの村落に今も残っています)、改心させ、 付き人とし、今の前鬼(地図にも出てきます)に住まわせ、 そして代々鬼の子孫がここで住み続けたという訳です。 役行者と前鬼(右)後鬼(左)5人の鬼の子をもうける(奈良観光HPより) ちなみにこの役行者、昇天された地は、箕面の山中なのです。 今は箕面の猿たちによってその聖域は守られているようですが、 緊急事態宣言が解除されれば、一度登ってみようかなと思っています。 因みに役行者は奈良県御所市生まれ。生粋の奈良人ですね。 コロナ退散をお願いに行かなければ
ブログ投稿画像

2021.05.12

認知症の教室(一般市民用)
「それぞれの人に人生の物語があり」長谷川洋先生のお話しより センター長の石川です。 長谷川洋先生へのインタビューの第2回目からの抜粋です。 洋先生から見た父長谷川和夫先生のこと。 それぞれの人にそれぞれなりの人生の物語があるということ。 まさしく幾星霜の方々なのですね。 ケア従事者は、今目の前の方の姿だけで判断するのではなく、 一人ひとりの方にはそれぞれの人生があり、喜びも悲しみも幾年月を経てきた人であり、 その人生に敬意をもって(リスペクトするということ)接しなければならないということです。 ここは忘れてはならないところですね。 以下、長谷川洋先生へのインタビューの抜粋です (「なかまある」息子が語る父・長谷川和夫の姿(下)より) 洋さんが特に実感したのは、和夫さんが一人ひとりの名もない人たちの人生を、いかに大切に考え、尊重して治療にあたってきていたかということだそうです。 「認知症になって、父は自分の人生を振り返るような本を出版させていただきました。それが父はとてもうれしかったようで、『この喫茶店のマスターの人生も、本になるといいのにね』『理容師の〇〇さんの人生も、近くの薬局の△△さんの人生も、みんな本になるといいのに』と繰り返し言うのです。父は認知症の治療も、常に本人を中心にした『パーソン・センタード・ケア』という考えを実践していました。すべての人に掛け替えのない人生があり、それは認知症になっても決して変わることがないのだ、という考えですね」 「パーソン・センタード・ケア」はまさしく認知症ケアの根幹をなすものなのです。  
ブログ投稿画像

2021.05.06

認知症の教室(一般市民用)
「宅配便が先生をお届けに」から見えること センター長の石川です。 長谷川洋先生の第2回目の記事はお読みになられたでしょうか。 この2回目の記事にはいくつか大切なポイントがあるのですが、 今回は地域で支えるという部分で見ていきたいと思います。 長谷川洋先生「なかまある」よりの記事を転載します。👇 「ある日、父がなかなか帰ってこない日がありました。行きつけの喫茶店に行こうとして家を出たのですが、行ってみたらお休みだった。帰ってくればいいものを、今度はいつもの理容室に行ってしまい、たまたまそこも休み。どんどん遠くに行ってしまい、そこで転んでしまって帰れなくなったところに、いつもわが家に荷物を届けてくださる宅配便のドライバーの方が通りかかって、車に乗せてくださったんです。『今日は荷物ではなく、長谷川先生をお届けに来ました』って(笑)。父は、地域の方々に支えていただき幸せな時間を過ごすことができていると思います」   長谷川和夫先生が転倒され、そこを宅急便の人が助けてくれたという話は聞いていたのですが、「届けてくれた」というところ、大阪人的には「ええやん、おもろいやん」と、思ったところでした。 そこで思ったのは、宅配便の方は大体回る地域が決まっているということです。 宅配便の方だけでなく、郵便局員、Uber Eatsの方など、地域をぐるぐる回っている人は多いのです。 長谷川先生のように、有名人で届けてくれるというのはスペシャルなことかもしれませんが、 少なくとも「あれ、あの人大丈夫かな?」と思ってくれたならば、 或いはあらかじめ介護家族がカミングアウトしておく(社会的システムならばなお良い)などしておけば、 おや?っと思ってもらえて、家族、地域包括、警察などに連絡してもらえるだけでも助かるのです。 このように宅配便の方などは、地域での見守り、地域で支えることに繋がっていくのではないかとも思うのです。 宅配便の会社的取り組みがあれば、SDGsにも繋がることでしょう。 「なかまある」HPより転写 長谷川洋先生のインタビューから分かること、また取り上げていきたいと思います。
ブログ投稿画像 センター長の石川です。 ニュースで大きく取り上げられていたアルツハイマー病の治療薬「アデュカヌマブ」 まるで特効薬が出来たかのような騒ぎになっていますが、 はたして認知症で苦しむ人の救世主になるのでしょうか? まずマスコミは「治療薬」と言う言葉を使いますが、 「治療」はいわゆる健康な状態に戻すということになります。 しかし「アデュカヌマブ」はあくまでも完治するための薬ではなく、 病気の進行を止めるための薬です。 ご承知の通り、脳にアミロイドβという異常なたんぱく質が溜まり、 これが神経細胞を破壊し、アルツハイマー病に至るのですが、 そのアミロイドβを除去していく働きをするのが「アデュカヌマブ」なのです。 ここでわかりやすくまとめてみます。 〇「アデュカヌマブ」はあくまでも認知症を治す(認知症がない状態に戻す)ものではない 〇何故ならば、一度破壊された神経を元に戻すことが出来ないからです。 〇但し、早期から「アデュカヌマブ」が使えれば、ダメージをかなり少なくできます。 〇また、アミロイドβを以降溜め込まないので、神経細胞の破壊が予防できます。 〇つまり、「アデュカヌマブ」は治療薬と言うより、進行を抑制する薬と言えます。 〇ところが現状ではめっちゃ高価(月1回投与で50万?)で、庶民には手が出せません。 〇保険適用になるかは、現状では厳しそうです。 〇点滴による投与になります。 〇治験結果は見切り発車的で、効果がないと判断される場合もあります。 〇投与が必要な方や、いつ頃からかという判断がかなり難しいです。 〇既に進行が進んでいる方には「残念ながら…」と言う状況です。  現在発症していないけど、発症する可能性がある方が対象になりますが、 それでも今すぐ使えるものではありません。 ◎但し、もし「アデュカヌマブ」に有用性が認められれば、壊れた神経細胞はよみがえらすことは出来なくても、人間は新しいことにチャレンジすることで、壊れた神経細胞の数ほどではなくても、新たな神経細胞が発生することがわかっています。つまり前向きの人生を送るなら、「アデュカヌマブ」の助けを借りて、かなりの生活維持が出来る可能性はあります。 いずれにしても、マスコミは大々的に取り上げ、製薬会社の株が一気に上がる状況ですが、 私たちが眼前としている方々には「残念ながら間に合わない」のが事実です。 また有効性が確約されても、庶民が使える薬になるか、 そして投与判断はどうなるのかなど課題は山積かなと思います。 以下、NHKニュースに出られた先生のコメントを抜粋しておきます。 東京大学岩坪威教授 今後、患者や医療現場に与える影響については、「今回の薬は、認知症を発症したばかりの状態からその後の進行のスピードを抑えるもので中等症や重症になるまでの時間を延ばすことでより生活を高いレベルで維持することができると期待される。症状が軽い段階がなるべく長く続けば介護の負担が少なく、本人も自分らしい生活が送れるようになるメリットは非常に大きいと思う。一方、薬を使えるかどうかを診断するためには脳にアミロイドβがたまりアルツハイマー病の初期段階ということを調べる特殊な装置が必要となる。さらに脳に局所的なむくみが出るなどの副作用への対応も必要で、専門医や専門施設を準備することが求められるのではないか」と指摘しました。 また、薬価が高額になるという指摘については、「バイオジェン社の予測する価格では、月に1回の投与に50万円以上と薬代が相当高い。これをどうやって負担するのかは世界各国どこでも大きな問題になると思う。」 国立精神・神経医療研究センターの中村治雅臨床研究支援部長 「今回の薬は、症状の緩和を目指したこれまでの薬とは異なり、原因に迫り、治せるかもしれないという期待もあり、患者や家族、介護者、それに医療者にとっては希望となる。しかし今回、完全には有効性が分かっていない中で迅速承認となっていて、FDAは今後も大規模な治験を行うことを求めている。手放しでは喜べず、本当に有効な薬なのかどうか、そしてどのような患者さんに対して使うべきなのかといった点に今後も注意を払うべきだ」と指摘しています。 「ここからは、ニューズウィーク誌より」 アルツハイマー病の患者やその家族を代表する複数の組織は、新たな治療法はどのようなものであれ(たとえ治療効果がわずかでも)承認されるべきだと言っている。だが多くの専門家は、今回の新薬承認は危険な前例をつくり、効果が疑わしい治療にも扉を開くことにつながりかねないと警告している。
ブログ投稿画像 毎朝お迎えに上がるとFさんは超ご機嫌斜めです。 元々Fさん自身はスナックを開いていたため、夜半過ぎに寝て、昼前に起きるという生活でした。 そのため、朝早く起きるということに慣れていないのです。 デイサービスもできるだけ順番を後にするようにしましたが、やはり朝は闘いでした。 暴れるFさんを送迎車両まで二人掛かりで誘導するのですが、 車高の高いマイクロバスに乗ってもらうのが一苦労です。 中から引っ張る側と、後ろから押す側とにスタッフが分かれて何とか乗ってもらいます。 Fさんに限らず、認知症の方は、車の乗り降りが苦手です。 何故ならば、車の乗り降りの動作は、認知機能が低下している人にとっては 一度に多くの動作を短時間に行わなければならない大変困難度の高いものだからなのです。 右足左足それぞれの別の動きが必要になり、手もどこへもっていくのかがわかりません。 そして頭もぶつけないよう言われます。 さらに、車の乗り降りはケアスタッフもあせり気味ですので、あれやこれやと声を掛けます。 認知症の方はそれだけでパニックになってしまうのです。 そのパニックは身体をさらに硬直化させてしまいます。 私たちには簡単にできてしまう車の乗り降りの行動なので、 ケア側もイラついてしまうところがあるでしょう。 しかし本人にとっては「ど、ど、どうせぇちゅうねん!」みたいな混乱状況にあるのです。 ケア側の注意点としては、焦らずに行動を一つひとつに分解し、 その都度「ありがとございます。」「オーケーです。」「助かります。」など、 ポジティブな言葉を使うことが大切です。 さて、送迎車が動き出し、少しの間のドライブ中はFさんが穏やかになられる時間帯です。 不思議なことに、認知症の方は車に乗ると落ち着かれる方が多いようです。 この車の効用についてはまた別の機会に書いてみたいと思います。 デイセンターに到着すると、次なる課題が。 車の中ですっかり落ち着いたFさんは、今度は車から降りてくれないのです。 乗せるも苦労、降ろすも苦労の方でした。 そして小さな民家を改修したデイサービスセンターでのFさんの一日が始まるのですが、 ここからがスタッフにとっての本当の闘いになります。 しかし、その闘いを通して、Fさんとの繋がりが図られていくのです。   (つづく) センター長の石川でした  
ブログ投稿画像 センター長の石川です。 Appleより「Air Tag」なるものが発売されました。 例えば、財布の置き場所がわからなくなった!と言う場合に、 この「Air Tag」を入れておけば、iPhoneがすぐに場所を教えてくれるという機能です。 もし旅先で忘れてしまった場合は、近くのiPhone所持者のiPhoneが居場所を教えてくれるそうです。 いわゆるGPSを使うものではなく、 平たく言えば、iPhoneを所持している人のiPhoneが探してくれるということになります。 キーホルダーにもなる小さなものなので、だいたいな物の中には入れられるというものですね。 私はアンドロイドなので、範疇外ですが。 では認知症の人に役に立つのか?と言うことになります。 まずは、最近ちょくちょく物を置き忘れる、認知症ではないけれど、 「探し物が多くなる」場合は良いかもしれません。 或いは認知症状からのもの忘れによる置忘れにもいいかもしれません。 「私の財布を盗ったのはあなたでしょ!」と言う、もの盗られ妄想が出た時にも、 すぐに探し出せていいかもしれません。 そして、万が一出て行かれて行方が分からなくなった場合。 課題はいくつかあります。 これは「Air Tag」だけに限らずGPSタイプのものも同じなのですが、 本人がそれを身につけて出てくれるかどうかということです。 ここが介護者にとっても最大の悩みになります。 そして「Air Tag」の場合、近くにiPhone所持者がいなければなりません。 山村や、山の中に迷ってしまった場合は反応しない可能性が大きいです。 このように考えると、身近なものを探すにはいいかもしれませんね。 しかし、行方不明の方を探す場合、街中ならば探せても、 人里離れたところに行ってしまうと厳しいかもしれません。 認知症の人にどう所持してもらうかというのが、やはり大きな課題となります。 ただ、このように選択肢が増えたことはありがたいですし、 「ちょい忘れ」には、効力を発揮しそうです。 これからも色々出てくるかもしれませんね。 詳しくは、下記HPまで。一個3,800円。ホルダーは別売です。 https://www.apple.com/jp/airtag/?afid=p238%7CsUG5L0OXt-dc_mtid_18707vxu38484_pcrid_516121240258_pgrid_119615162365_&cid=aos-jp-kwgo-btb--slid---product--
ブログ投稿画像 久しぶりに若年性認知症の方のお話しです。 若年性認知症の方との関りはまだまだあります。 この時私は認知症デイサービスセンター(当時のE型)に配属されていました。 恐らくは認知症デイサービスセンターの走り(日本では1~2番目)ではなかったかなと思います。 特養施設の横にあった古い民家を改修して作られた、今でいうグループホームのような雰囲気のところでした。 毎回の利用者は7~10名程度だったでしょうか。 小さな民家ですから、ほんとにアットホームな感じの場所でした。 利用者の多くは高齢の方でしたが、Fさん(女性)は50歳代。利用者の中では飛びぬけて若かったと思います。   この方との記憶は鮮烈です。 マンションの一室。多分5~6階だったでしょうか。 このFさんのところへお迎えに上がるときは、必ず職員2名で伺います。 そして、扉を開けるとそこには顔を真っ赤にし、激怒した小太りのFさんが仁王立ちしているのです。 時にドアを開けた途端、モノが飛んでくることもありました。 そのFさんの後ろでは困惑した表情で夫がFさんを送り出そうとしています。 デイサービスへ行かれる朝は、早く起こされるため、Fさんは常に不機嫌で、 家の中で物を投げまくっているのです。     当然、私たちが来ると、鼻息高く超激怒しています。 そこから送迎車に行くまでの間、Fさんの両側にスタッフが回るのですが、 壁に押しつけられたり、押されたりと大変です。 エレベーターの中でも暴れられるので、エレベーターが停まりはしないかとひやひやなのです。 そして更なる障壁が。 いかにして送迎車に乗ってもらうかなのです。 (つづく) センター長の石川でした。
ブログ投稿画像 センター長の石川です。 緊急事態宣言が続く中、感染者数はやや減少傾向とはいえ、 感染力の強い変異型は、ひとたび罹ると大変なことになります。 ワクチン接種が開始されたと言っても、全国民への接種にはほど遠く、 その予約システムは、高齢者には非常にわかりづらいものになっていますね。 特に認知症の人を介護する方の苦労はなおさらでしょう。 認知症の方をケアする介護者の方の 精神的負担はさらに厳しい状況が続いていると言えます。 ストレスが溜まって、それを掃き出したい方、 どう対処したらいいかわからない方、 これからどうしたらいいかお悩みの方など、 どんなことでもいいので、ご連絡ください。 全国どこからでもオーケーです。 Web相談も可能です。 [caption id="attachment_2741" align="aligncenter" width="1600"] 英田北小学校での活動です[/caption]   こんな愚痴聞いてもらえるやろか?と言うようなものでも構いません。 ご相談は一切無料です。 気軽にご連絡くださいね。 (ただし、コロナワクチンの予約の問い合わせについては、地元の自治体に問い合わせください) [caption id="attachment_2742" align="alignnone" width="1600"] この色の建物が目印です。「吉田本町」のバス停前です。[/caption]   連絡先:072-960-6070 (アーバンケア島之内として、応答しますので、「認知症の相談で」とお伝えください。)
ブログ投稿画像 センター長の石川です。 先週の土曜日の「世界ふしぎ発見」は、鬼の特集でした。 世間はまさしく「鬼滅の刃」ブームで、鬼がクローズアップされたのですが、 番組では鬼を単に悪者として見るのではなく、 鬼には鬼の置かれた立場があるのだという所にも視点が向けられていました。 [caption id="attachment_1451" align="aligncenter" width="650"] 鬼は視点を変えれば、コロナは寄せ付けないぞ!という、私たちの味方にもなるのです。[/caption] 「鬼は人をだますことはしないが、人はだます卑怯なことをする。」という言葉に、 思わず頷いてしまいました。 私たちから見る鬼は、悪そのものかもしれませんが、 鬼から見たら人間の方がずっとずる賢い悪なのかもしれません。 立場を変えて(視点を変えて)みて見れば、全く違う世界が見えるのです。 私たちの仕事でも、ここは重要なポイントですね。 [caption id="attachment_2738" align="alignnone" width="1373"] 険しい林道を行くと、素晴らしい滝が現れます[/caption] [caption id="attachment_2732" align="aligncenter" width="1560"] 前鬼手前の不動の滝 ここまで来るだけでもかなりの悪路です。[/caption] さて、番組では奈良の山奥に住む、鬼の子孫五鬼助義之さんが登場していました。 奈良下北山村の曲がりくねった落石の多い林道を長々と行くと前鬼(小仲坊)に着きます。 [caption id="attachment_2733" align="alignnone" width="1600"] かつて私が宿泊した時の前鬼小仲坊[/caption] ここで五鬼助さんは夫婦でひっそりと宿坊を開いているのですが、 私もその昔、ここに宿泊したことがあります。 まさしく修験道の場所、そして山なのです。それも極めて険しい山です。 [caption id="attachment_2734" align="alignnone" width="1797"] 釈迦が岳山頂に釈迦像が見えます。[/caption] その山を登り詰めると、お釈迦様の銅像が立っている釈迦が岳山頂に着きます。 [caption id="attachment_2736" align="alignnone" width="1600"] 奈良大峰山奥駆け最深部にある釈迦が岳山頂[/caption] めっちゃ交通不便な、奈良の奥深い山にもかかわらず、私はこれまで5回登頂しています。 本当に心が洗われる素晴らしい山なのです。 [caption id="attachment_2735" align="alignnone" width="1264"] 釈迦が岳山頂。この当時は腹が出てない![/caption] さてさて、テレビに出てきた鬼の子孫五鬼助さん。 その先祖は前鬼、後鬼と言う夫婦の鬼なのです。 [caption id="attachment_2730" align="aligncenter" width="460"] 鬼の子孫 五鬼助義之さん (日本遺産吉野より)[/caption] 驚くことに、この前鬼、後鬼は、生駒山暗峠で人間を襲っていた鬼でした。 つまり、下北山村の山奥の鬼の出身地は、生駒山だったのですね。 [caption id="attachment_2729" align="aligncenter" width="1600"] 生駒山 一番低いところが暗峠です。[/caption] 当時役行者(役小角 えんのおづぬ)と言う、スーパーマンのような行者がいて (この行者、修行の末に空を飛べたので)、この前鬼、後鬼を捕らえ (捕らえた場所が、鬼取という名前で暗峠近くの村落に今も残っています)、改心させ、 付き人とし、今の前鬼(地図にも出てきます)に住まわせ、 そして代々鬼の子孫がここで住み続けたという訳です。 [caption id="attachment_2731" align="aligncenter" width="442"] 役行者と前鬼(右)後鬼(左)5人の鬼の子をもうける(奈良観光HPより)[/caption] ちなみにこの役行者、昇天された地は、箕面の山中なのです。 今は箕面の猿たちによってその聖域は守られているようですが、 緊急事態宣言が解除されれば、一度登ってみようかなと思っています。 因みに役行者は奈良県御所市生まれ。生粋の奈良人ですね。 [caption id="attachment_2737" align="aligncenter" width="590"] コロナ退散をお願いに行かなければ[/caption]
ブログ投稿画像 センター長の石川です。 長谷川洋先生へのインタビューの第2回目からの抜粋です。 洋先生から見た父長谷川和夫先生のこと。 それぞれの人にそれぞれなりの人生の物語があるということ。 まさしく幾星霜の方々なのですね。 ケア従事者は、今目の前の方の姿だけで判断するのではなく、 一人ひとりの方にはそれぞれの人生があり、喜びも悲しみも幾年月を経てきた人であり、 その人生に敬意をもって(リスペクトするということ)接しなければならないということです。 ここは忘れてはならないところですね。 以下、長谷川洋先生へのインタビューの抜粋です (「なかまある」息子が語る父・長谷川和夫の姿(下)より) 洋さんが特に実感したのは、和夫さんが一人ひとりの名もない人たちの人生を、いかに大切に考え、尊重して治療にあたってきていたかということだそうです。 「認知症になって、父は自分の人生を振り返るような本を出版させていただきました。それが父はとてもうれしかったようで、『この喫茶店のマスターの人生も、本になるといいのにね』『理容師の〇〇さんの人生も、近くの薬局の△△さんの人生も、みんな本になるといいのに』と繰り返し言うのです。父は認知症の治療も、常に本人を中心にした『パーソン・センタード・ケア』という考えを実践していました。すべての人に掛け替えのない人生があり、それは認知症になっても決して変わることがないのだ、という考えですね」 「パーソン・センタード・ケア」はまさしく認知症ケアの根幹をなすものなのです。  
ブログ投稿画像 センター長の石川です。 長谷川洋先生の第2回目の記事はお読みになられたでしょうか。 この2回目の記事にはいくつか大切なポイントがあるのですが、 今回は地域で支えるという部分で見ていきたいと思います。 長谷川洋先生「なかまある」よりの記事を転載します。👇 「ある日、父がなかなか帰ってこない日がありました。行きつけの喫茶店に行こうとして家を出たのですが、行ってみたらお休みだった。帰ってくればいいものを、今度はいつもの理容室に行ってしまい、たまたまそこも休み。どんどん遠くに行ってしまい、そこで転んでしまって帰れなくなったところに、いつもわが家に荷物を届けてくださる宅配便のドライバーの方が通りかかって、車に乗せてくださったんです。『今日は荷物ではなく、長谷川先生をお届けに来ました』って(笑)。父は、地域の方々に支えていただき幸せな時間を過ごすことができていると思います」   長谷川和夫先生が転倒され、そこを宅急便の人が助けてくれたという話は聞いていたのですが、「届けてくれた」というところ、大阪人的には「ええやん、おもろいやん」と、思ったところでした。 そこで思ったのは、宅配便の方は大体回る地域が決まっているということです。 宅配便の方だけでなく、郵便局員、Uber Eatsの方など、地域をぐるぐる回っている人は多いのです。 長谷川先生のように、有名人で届けてくれるというのはスペシャルなことかもしれませんが、 少なくとも「あれ、あの人大丈夫かな?」と思ってくれたならば、 或いはあらかじめ介護家族がカミングアウトしておく(社会的システムならばなお良い)などしておけば、 おや?っと思ってもらえて、家族、地域包括、警察などに連絡してもらえるだけでも助かるのです。 このように宅配便の方などは、地域での見守り、地域で支えることに繋がっていくのではないかとも思うのです。 宅配便の会社的取り組みがあれば、SDGsにも繋がることでしょう。 [caption id="attachment_2694" align="aligncenter" width="650"] 「なかまある」HPより転写[/caption] 長谷川洋先生のインタビューから分かること、また取り上げていきたいと思います。