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「2023年04月」で記事を検索しました。

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2023.04.28

トピックス
地域の要 小学校へのアプローチ センター長の石川です 地域の要と言えば、小学校かもしれません。 警察でも消防署でも行政事務所でもなく、小学校です。 児童はその地域を将来的に支えていく人たちであり、 また普段からその地域で活動しまくっているのも児童たちです。 当然保護者もその地域の方です。 何かと地域の行事や集会等も使われたりします。 災害時は避難場所にもなります。 地域の要となる小学校のような写真   私たちの認知症の人が安心して暮らせるまちづくりの 大切な起点になるのも小学校です。 このように、小学校は児童たちが学ぶ場所という役割だけでなく、 その児童たちや、そして建物そのものが地域の大事な要として存在します。 英田南小学校正門   今年度、英田北、南、両小学校の校長先生が代わられ、 ご挨拶に伺いました。 英田北小学校正門   本当に多忙な日々に関わらず、 両校の校長先生ともに、熱いお話が出来ました。 驚くことに、両校とも若い校長先生でした。 校長先生、お忙しいところ本当にありがとうございました。 色々お話しできたこと、とても嬉しかったですね。 また橋渡しをしていただいた自治会長様にも感謝です。 6月に行われる安心声掛け訓練の下見に回りました。   今や学校のスケジュールも過密、 先生も過酷な状況なのは承知していますので、 無理は言えませんが、 やはり地域と関わるなら、小学校ともつながる。 これからもその繋がりを、大切にしていきたいと思います。
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2023.04.22

トピックス
認知症と音楽(6) 私たちが関わらなければ認知症の人は音楽を忘れてしまう 前回、「デフォルト・モード・ネットワーク」については次回と書きましたが、 またまたその前に追記しておきたいことを今回は書きます。 個別の記憶やエピソード記憶を引き出すことが厳しくなっても、 音楽は脳の各領域に及ぶ記憶なので引き出しやすく、 さらにその部位を活用して新たに記憶していくことも可能と前回書きました。 さらに音楽は後日説明する「デフォルト・モード・ネットワーク」とも関連が深く、 脳をリラックスさせ、そのことにより、 むしろ普段出てこないような記憶も出てくる可能性があるのです。 特に認知症の人は、認知機能が低下していくので、 生きていくために脳は残された脳力を必死になって使う緊張状態が続くことになります。 そのため、私たちから見れば、不穏、興奮、暴力、多動等の行動が出てしまいます。 しかしそれは、必死になって生きていこうとする姿でもあるのです。 心の緊張をほぐすために、私たちはよく好みの音楽を聴きます。 好きな音楽を聴いていると、身も心も安心したり楽しくなったりします。 お気に入りの人のコンサートに行くのは、身も心も楽しく、 時に快活な興奮をもたらします。 日頃抱えているストレスもどこえやらですね。 ところが、認知症の人の場合、 その好みの音楽を聴くという所作そのものを忘れてしまいます。 自らの力で、自分の好きな音楽が聴けなくなってしまうのです。 そのため、音楽そのものから(自分の好きな音楽から)遠ざかってしまい、 結果音楽そのものを忘れてしまいかねないのです。 つまり、私たちが関わらなければ認知症の人は音楽を忘れてしまうのです。 それは本人のみならずケアワークの手段としても損失になります。 その方がどのような音楽が好きだったのか、 それを確認し、できるならあまりほかの方の邪魔にならないように、 ゆったりと聴いてもらう時間があればよいでしょう。 そのためにはフロアの「しつらえ」も必要になるでしょう。 いずれにしても、認知症の人は周囲の関りがなければ、 音楽だけでなく、「忘れてしまう」ことが加速するのです。 (つづく)
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2023.04.20

トピックス
認知症と音楽(5) 何故音楽が良いのか 前回の最後に脳をリラックスさせる働きに「デフォルト・モード・ネットワーク」という、 聞きなれない言葉を明示して終わりました。 その「デフォルト・モード・ネットワーク」の説明に繋がるものとして、 まずは脳と音楽について説明します。 なぜそのような話をするかというと、 「認知症の人の脳は、常に緊張状態にある」と言えるからです。 その緊張状態を緩和させるものとして音楽があるのです。 アーバンケア島之内の入り口は、様々な花が満開です   音楽と脳の働きについて、 前回紹介しました映画「レナードの朝」の原作者である医師のオリバー・サックス博士が以下のように述べています。 <脳における音楽> 「個別の記憶や、エピソード記憶は失われてしまっても、音楽は残っているのですね。 一般的に音楽の力というのは、多かれ少なかれ病気によって侵食されずに長いこと残っています。」 アーバンケア島之内のジャスミン 強烈なほどのいい匂いがします。   確かに、意思疎通が厳しくなっても、何かを口ずさんでいる方はおられますし、 私もこれまで何人もの認知症の人が、何らかの音楽は忘れていないことに接しています。 まるで星々のような花です   オリバー・サックス博士は次のようにも述べています。 「言語処理の機能は左の前頭葉と側頭葉に偏在しているわけですが、 音楽は、リズム、ピッチ、感情、音程など、さまざまな要素が絡んでいるので、 その処理には実にたくさんの脳の部位が関与しています。 音楽や数学に関する脳の領域は他の分野とは別にあるため、 一般的知能とは別に発展可能なのかもしれない。」 と、述べています。 これは博士だけでなく、脳科学的にも判明しているそうです。 つまり、音楽は認知症状がダメージを受けても、 導き出せるものだし、発展可能なものとも言えます。 現にあるドキュメンタリーでは、アルツハイマー病の方が、 新しい歌の歌詞を覚える(短期記憶がダメージを受けているというのに!)姿を見ました。 これがまさしく、発展可能な領域ということでしょう。 もっとも人それぞれのパーソナリティや認知症状の状況によっても 効果の有無はあると思いますが、少なくとも音楽は、 認知症の人にとってプラス効果をもたらす環境要因と言えるでしょう。 次回は「デフォルト・モード・ネットワーク」について説明します。 (つづく)  
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2023.04.19

トピックス
第86回認知症ケアネットワーク推進委員会開催されました。 年度が改まり、ネットワーク委員会も86回を迎えることになりました。 その間、委員の皆様には本当に尽力してもらっており、感謝の一言です。 今回も各地域からの情報提供では、 地域からは、各委員の代表者が集まり、 介護予防、認知症予防を地域として進めていくこととし、 包括支援センターへのサポート依頼などもありました。 河内警察からは特殊詐欺に対する注意喚起があり、 特に認知症やMCIの方が狙われている状況、 或いは認知症がなくとも、騙されてしまうことがあること。 最近は還付金詐欺に変わって、百貨店からとか、 偽刑事の訪問などが多くなっているので注意を皆さんに呼びかけてほしいとのことでした。 社協からは、詐欺電話防止電話機の紹介、 介護予防事業の紹介などがありました。 いずれにしても、認知症や認知症予備軍の方の権利擁護に向けて、 ネットワーク委員会は、各機関が協力体制を取る一助となっています。 また、判断能力が弱くなった方に、新聞、牛乳等の契約を結んで、 なかには新聞5社と契約してしまっていた人や、支払いができないという人に、 銀行まで一緒に行くのでお金をおろさせる営業員がいるなど、 独居の方や認知症の人を狙う人たちが多発していることも報告されました。 認知症の人の権利擁護も、ネットワーク委員会の重要な役割となっています。 医療からは、高齢者向け6回目のコロナワクチン注射が5月から始まること、 また5月以降コロナ患者をいつでもどこでも一般診療所が 簡単に受けられるものではないということなどが報告され、 コロナに対しては、 「感染しない」から「重症化させない」というスタンスになっているとのことでした。 いずれにしても、高齢者や認知症の人には、 コロナウイルスだけでなく、特殊詐欺等も含め、 まだまだ予断ならぬ状況が続いていると言えるでしょう。 6月24日には、英田南校区における「安心声掛け訓練」を実施します。 コロナ禍前の大々的な訓練まではまだ厳しい状況ですが、 それでも昨年よりは規模を拡大し、 認知症サポーターである地域住民の方にも協力してもらっての 訓練を行おうと考えています。 詳細はおってお知らせします。 公民館に貼ってあったポスター 近鉄ライナーズ連敗に続く連敗で「近鉄ア漢」状態でしたが、ようやく1勝しましたね。
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2023.04.17

トピックス
介護家族の会が開催されました 地域包括支援センター主催の介護家族の会に参加しました。 このところ、認知症の人を介護する家族の会「ほっこりなつどい」、 若年性認知症の方を介護する方の家族会「楽カフェ」、 そして認知症だけでなく、日々介護に追われている方の家族会「家族介護者教室」と、 3つの家族会に参加しました。 その3つの家族会、重複する人はおらず、14名のご家族の方のお話を伺いました。 ほっこりなつどい   介護サービスを利用していたとしても、 その多くの時間を在宅で介護されているご家族の苦労は計り知れないものがあります。 外へ出て行かれること、排泄のこと、昼夜逆転のこと、 もの盗られ妄想のこと、食事のこと等、その苦労は数多くあります。 楽カフェ   ただそれぞれのご家族からは、しんどさを訴えるものの、 当事者のこと(その多くの方は認知症の方)を罵るような人は誰もいないということです。 誰も認知症の人を悪者にはしないということです。 もちろん、暴力沙汰になって、地域包括支援センターが動くケースもありますが、 ほとんどの方は必死になって介護されている状況でしょう。 家族介護者教室   何よりも、高い介護保険料を払っているのは、 専門職がいる介護サービスを受けるためでもあるのです。 専門職に頼りたい状況にあるからです。 その思いに応えられる専門職でないと、何のための介護保険料ということになるでしょう。 今回参加していただいたのは都合14名ですが、 実際には何倍もの介護家族の方がおられます。 その方々の声なき声にも応えられるように、専門職も学んでいかなければならないでしょう。
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2023.04.13

トピックス
大阪府認知症介護実践研修が始まります 4月になり新人職員にとっては毎日が緊張の連続ですね。 本当に脳細胞をフルに働かせるので、へとへとになると思います。 人間がくたびれるのは、身体を動かすだけでなく、 脳をフルに働かせる状況(気を遣う状況)においても同じです。 新人はこれから咲き始めます   様々な情報の判断が厳しくなり、 かつ自分自身が持っている情報も取り出せなくなってきている認知症の人も、 残された脳の機能をフルに働かせて生活しようと(生き抜こうと)されているので、 やはり精神的に疲れてしまうのです。 そのことが不機嫌や不穏に繋がってしまいます。 それは私たちも同じですね。 パンダのぬいぐるみを着て愛嬌を振るう新人バイト君も疲れてばったりです。   まぁ、それは冗談ですが、パンダだって疲れるのです。 見学者に気を使って疲れたわけではないと思うのですが…   さて、認知症の人を理解したケアを実践するための研修、 「認知症介護実践者研修」が、今年も実施されます。 大阪府のホームページに要項が上がっています。 関心のある方はご覧ください。 https://www.pref.osaka.lg.jp/kaigoshien/ninnshishou-gyakutai/kaigokenshu.html   それにしても、研修から帰ってきた人たちは異口同音に、「行って良かった!」と言われます。 その割には全体的に(大阪のみならず全国)認知症ケアが改善された感は??な状況のような気がします。 今の研修体系はどうなのか?と思うのは、どうなのか? なのでしょうか? 因みに上記のホームページに大阪府認知症介護指導者の名簿も載っています。 いつの間にか大阪府の指導者も40名を越えてきたのですね。 これだけ多くの指導者がいて講義を受け持ってくれるので、私は引退しているのですが、 認知症指導者の在り方も問われるべきではないかとも思うのですが、どうなのか?ですね。
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2023.04.12

トピックス
認知症と音楽(4) 問われるワーカーの姿勢 随分昔の映画になりますが、ロバート・デ・ニーロとロビン・ウイリアムスが主演した、 実話をもとにした「レナードの朝」という作品がありました。 このブログでも何度か取り上げた映画です。 ある病院が舞台なのですが、そこで働くワーカーたちは、 ルーティンワークを済ませばよいという感じで、患者に対しては無関心な職員ばかりでした。 ところが、ある医師の熱意の下、 ワーカーたちは患者に興味を持ち始め、色々と患者視点で考え始めるのです。 あるワーカーは、いつも食事が進まない高齢女性に対して、 きっと彼女の心が動く音楽があるに違いないと、様々な音楽を聞かせます。 あれもダメ、これもダメと音楽をかけ続けた時、 ある音楽を聴いた途端、彼女は楽しそうに食事を始めたのです。 そうなのです。普段は自分自身でも動かすことが出来ない心と体が、 大好きな音楽を聴いた途端に動き始めたのです。 まさしく音楽の力なのですね。 但し、そのためには、ワーカーが患者(利用者)のことを真剣に考え、 あれやこれやと考え、試行錯誤を繰り返していく行動がなければ成り立たないのです。 音楽の活用はワーカー次第なのです。 音楽は脳科学的にも重要なものとして存在しているのですが、それについては後日また書きます。 いずれにしても、認知症の人は自ら好きな音楽を聴けるという行動が厳しくなっているので、 周囲の者が環境整備をしていくことが必要になります。 因みに前回も書いたように、音楽にはリラックス効果があります。 思考展開させるときなどは、(ひらめきが欲しい時には)或いは記憶の整理をしたい時には、 脳をリラックスさせることです。 それを「デフォルト・モード・ネットワーク」と言います。   (つづく)
ブログ投稿画像 センター長の石川です 地域の要と言えば、小学校かもしれません。 警察でも消防署でも行政事務所でもなく、小学校です。 児童はその地域を将来的に支えていく人たちであり、 また普段からその地域で活動しまくっているのも児童たちです。 当然保護者もその地域の方です。 何かと地域の行事や集会等も使われたりします。 災害時は避難場所にもなります。 [caption id="attachment_4638" align="alignnone" width="2048"] 地域の要となる小学校のような写真[/caption]   私たちの認知症の人が安心して暮らせるまちづくりの 大切な起点になるのも小学校です。 このように、小学校は児童たちが学ぶ場所という役割だけでなく、 その児童たちや、そして建物そのものが地域の大事な要として存在します。 [caption id="attachment_4642" align="alignnone" width="259"] 英田南小学校正門[/caption]   今年度、英田北、南、両小学校の校長先生が代わられ、 ご挨拶に伺いました。 [caption id="attachment_4643" align="alignnone" width="259"] 英田北小学校正門[/caption]   本当に多忙な日々に関わらず、 両校の校長先生ともに、熱いお話が出来ました。 驚くことに、両校とも若い校長先生でした。 校長先生、お忙しいところ本当にありがとうございました。 色々お話しできたこと、とても嬉しかったですね。 また橋渡しをしていただいた自治会長様にも感謝です。 [caption id="attachment_4634" align="alignnone" width="1847"] 6月に行われる安心声掛け訓練の下見に回りました。[/caption]   今や学校のスケジュールも過密、 先生も過酷な状況なのは承知していますので、 無理は言えませんが、 やはり地域と関わるなら、小学校ともつながる。 これからもその繋がりを、大切にしていきたいと思います。
ブログ投稿画像 前回、「デフォルト・モード・ネットワーク」については次回と書きましたが、 またまたその前に追記しておきたいことを今回は書きます。 個別の記憶やエピソード記憶を引き出すことが厳しくなっても、 音楽は脳の各領域に及ぶ記憶なので引き出しやすく、 さらにその部位を活用して新たに記憶していくことも可能と前回書きました。 さらに音楽は後日説明する「デフォルト・モード・ネットワーク」とも関連が深く、 脳をリラックスさせ、そのことにより、 むしろ普段出てこないような記憶も出てくる可能性があるのです。 特に認知症の人は、認知機能が低下していくので、 生きていくために脳は残された脳力を必死になって使う緊張状態が続くことになります。 そのため、私たちから見れば、不穏、興奮、暴力、多動等の行動が出てしまいます。 しかしそれは、必死になって生きていこうとする姿でもあるのです。 心の緊張をほぐすために、私たちはよく好みの音楽を聴きます。 好きな音楽を聴いていると、身も心も安心したり楽しくなったりします。 お気に入りの人のコンサートに行くのは、身も心も楽しく、 時に快活な興奮をもたらします。 日頃抱えているストレスもどこえやらですね。 ところが、認知症の人の場合、 その好みの音楽を聴くという所作そのものを忘れてしまいます。 自らの力で、自分の好きな音楽が聴けなくなってしまうのです。 そのため、音楽そのものから(自分の好きな音楽から)遠ざかってしまい、 結果音楽そのものを忘れてしまいかねないのです。 つまり、私たちが関わらなければ認知症の人は音楽を忘れてしまうのです。 それは本人のみならずケアワークの手段としても損失になります。 その方がどのような音楽が好きだったのか、 それを確認し、できるならあまりほかの方の邪魔にならないように、 ゆったりと聴いてもらう時間があればよいでしょう。 そのためにはフロアの「しつらえ」も必要になるでしょう。 いずれにしても、認知症の人は周囲の関りがなければ、 音楽だけでなく、「忘れてしまう」ことが加速するのです。 (つづく)
ブログ投稿画像 前回の最後に脳をリラックスさせる働きに「デフォルト・モード・ネットワーク」という、 聞きなれない言葉を明示して終わりました。 その「デフォルト・モード・ネットワーク」の説明に繋がるものとして、 まずは脳と音楽について説明します。 なぜそのような話をするかというと、 「認知症の人の脳は、常に緊張状態にある」と言えるからです。 その緊張状態を緩和させるものとして音楽があるのです。 [caption id="attachment_4613" align="alignnone" width="1600"] アーバンケア島之内の入り口は、様々な花が満開です[/caption]   音楽と脳の働きについて、 前回紹介しました映画「レナードの朝」の原作者である医師のオリバー・サックス博士が以下のように述べています。 <脳における音楽> 「個別の記憶や、エピソード記憶は失われてしまっても、音楽は残っているのですね。 一般的に音楽の力というのは、多かれ少なかれ病気によって侵食されずに長いこと残っています。」 [caption id="attachment_4612" align="alignnone" width="1600"] アーバンケア島之内のジャスミン 強烈なほどのいい匂いがします。[/caption]   確かに、意思疎通が厳しくなっても、何かを口ずさんでいる方はおられますし、 私もこれまで何人もの認知症の人が、何らかの音楽は忘れていないことに接しています。 [caption id="attachment_4611" align="alignnone" width="1600"] まるで星々のような花です[/caption]   オリバー・サックス博士は次のようにも述べています。 「言語処理の機能は左の前頭葉と側頭葉に偏在しているわけですが、 音楽は、リズム、ピッチ、感情、音程など、さまざまな要素が絡んでいるので、 その処理には実にたくさんの脳の部位が関与しています。 音楽や数学に関する脳の領域は他の分野とは別にあるため、 一般的知能とは別に発展可能なのかもしれない。」 と、述べています。 これは博士だけでなく、脳科学的にも判明しているそうです。 つまり、音楽は認知症状がダメージを受けても、 導き出せるものだし、発展可能なものとも言えます。 現にあるドキュメンタリーでは、アルツハイマー病の方が、 新しい歌の歌詞を覚える(短期記憶がダメージを受けているというのに!)姿を見ました。 これがまさしく、発展可能な領域ということでしょう。 もっとも人それぞれのパーソナリティや認知症状の状況によっても 効果の有無はあると思いますが、少なくとも音楽は、 認知症の人にとってプラス効果をもたらす環境要因と言えるでしょう。 次回は「デフォルト・モード・ネットワーク」について説明します。 (つづく)  
ブログ投稿画像 年度が改まり、ネットワーク委員会も86回を迎えることになりました。 その間、委員の皆様には本当に尽力してもらっており、感謝の一言です。 今回も各地域からの情報提供では、 地域からは、各委員の代表者が集まり、 介護予防、認知症予防を地域として進めていくこととし、 包括支援センターへのサポート依頼などもありました。 河内警察からは特殊詐欺に対する注意喚起があり、 特に認知症やMCIの方が狙われている状況、 或いは認知症がなくとも、騙されてしまうことがあること。 最近は還付金詐欺に変わって、百貨店からとか、 偽刑事の訪問などが多くなっているので注意を皆さんに呼びかけてほしいとのことでした。 社協からは、詐欺電話防止電話機の紹介、 介護予防事業の紹介などがありました。 いずれにしても、認知症や認知症予備軍の方の権利擁護に向けて、 ネットワーク委員会は、各機関が協力体制を取る一助となっています。 また、判断能力が弱くなった方に、新聞、牛乳等の契約を結んで、 なかには新聞5社と契約してしまっていた人や、支払いができないという人に、 銀行まで一緒に行くのでお金をおろさせる営業員がいるなど、 独居の方や認知症の人を狙う人たちが多発していることも報告されました。 認知症の人の権利擁護も、ネットワーク委員会の重要な役割となっています。 医療からは、高齢者向け6回目のコロナワクチン注射が5月から始まること、 また5月以降コロナ患者をいつでもどこでも一般診療所が 簡単に受けられるものではないということなどが報告され、 コロナに対しては、 「感染しない」から「重症化させない」というスタンスになっているとのことでした。 いずれにしても、高齢者や認知症の人には、 コロナウイルスだけでなく、特殊詐欺等も含め、 まだまだ予断ならぬ状況が続いていると言えるでしょう。 6月24日には、英田南校区における「安心声掛け訓練」を実施します。 コロナ禍前の大々的な訓練まではまだ厳しい状況ですが、 それでも昨年よりは規模を拡大し、 認知症サポーターである地域住民の方にも協力してもらっての 訓練を行おうと考えています。 詳細はおってお知らせします。 [caption id="attachment_4605" align="alignnone" width="986"] 公民館に貼ってあったポスター 近鉄ライナーズ連敗に続く連敗で「近鉄ア漢」状態でしたが、ようやく1勝しましたね。[/caption]
ブログ投稿画像 地域包括支援センター主催の介護家族の会に参加しました。 このところ、認知症の人を介護する家族の会「ほっこりなつどい」、 若年性認知症の方を介護する方の家族会「楽カフェ」、 そして認知症だけでなく、日々介護に追われている方の家族会「家族介護者教室」と、 3つの家族会に参加しました。 その3つの家族会、重複する人はおらず、14名のご家族の方のお話を伺いました。 [caption id="attachment_4597" align="alignnone" width="2109"] ほっこりなつどい[/caption]   介護サービスを利用していたとしても、 その多くの時間を在宅で介護されているご家族の苦労は計り知れないものがあります。 外へ出て行かれること、排泄のこと、昼夜逆転のこと、 もの盗られ妄想のこと、食事のこと等、その苦労は数多くあります。 [caption id="attachment_4580" align="alignnone" width="2184"] 楽カフェ[/caption]   ただそれぞれのご家族からは、しんどさを訴えるものの、 当事者のこと(その多くの方は認知症の方)を罵るような人は誰もいないということです。 誰も認知症の人を悪者にはしないということです。 もちろん、暴力沙汰になって、地域包括支援センターが動くケースもありますが、 ほとんどの方は必死になって介護されている状況でしょう。 [caption id="attachment_4599" align="alignnone" width="1696"] 家族介護者教室[/caption]   何よりも、高い介護保険料を払っているのは、 専門職がいる介護サービスを受けるためでもあるのです。 専門職に頼りたい状況にあるからです。 その思いに応えられる専門職でないと、何のための介護保険料ということになるでしょう。 今回参加していただいたのは都合14名ですが、 実際には何倍もの介護家族の方がおられます。 その方々の声なき声にも応えられるように、専門職も学んでいかなければならないでしょう。
ブログ投稿画像 4月になり新人職員にとっては毎日が緊張の連続ですね。 本当に脳細胞をフルに働かせるので、へとへとになると思います。 人間がくたびれるのは、身体を動かすだけでなく、 脳をフルに働かせる状況(気を遣う状況)においても同じです。 [caption id="attachment_4591" align="alignnone" width="1600"] 新人はこれから咲き始めます[/caption]   様々な情報の判断が厳しくなり、 かつ自分自身が持っている情報も取り出せなくなってきている認知症の人も、 残された脳の機能をフルに働かせて生活しようと(生き抜こうと)されているので、 やはり精神的に疲れてしまうのです。 そのことが不機嫌や不穏に繋がってしまいます。 それは私たちも同じですね。 パンダのぬいぐるみを着て愛嬌を振るう新人バイト君も疲れてばったりです。   まぁ、それは冗談ですが、パンダだって疲れるのです。 見学者に気を使って疲れたわけではないと思うのですが…   さて、認知症の人を理解したケアを実践するための研修、 「認知症介護実践者研修」が、今年も実施されます。 大阪府のホームページに要項が上がっています。 関心のある方はご覧ください。 https://www.pref.osaka.lg.jp/kaigoshien/ninnshishou-gyakutai/kaigokenshu.html   それにしても、研修から帰ってきた人たちは異口同音に、「行って良かった!」と言われます。 その割には全体的に(大阪のみならず全国)認知症ケアが改善された感は??な状況のような気がします。 今の研修体系はどうなのか?と思うのは、どうなのか? なのでしょうか? 因みに上記のホームページに大阪府認知症介護指導者の名簿も載っています。 いつの間にか大阪府の指導者も40名を越えてきたのですね。 これだけ多くの指導者がいて講義を受け持ってくれるので、私は引退しているのですが、 認知症指導者の在り方も問われるべきではないかとも思うのですが、どうなのか?ですね。
ブログ投稿画像 随分昔の映画になりますが、ロバート・デ・ニーロとロビン・ウイリアムスが主演した、 実話をもとにした「レナードの朝」という作品がありました。 このブログでも何度か取り上げた映画です。 ある病院が舞台なのですが、そこで働くワーカーたちは、 ルーティンワークを済ませばよいという感じで、患者に対しては無関心な職員ばかりでした。 ところが、ある医師の熱意の下、 ワーカーたちは患者に興味を持ち始め、色々と患者視点で考え始めるのです。 あるワーカーは、いつも食事が進まない高齢女性に対して、 きっと彼女の心が動く音楽があるに違いないと、様々な音楽を聞かせます。 あれもダメ、これもダメと音楽をかけ続けた時、 ある音楽を聴いた途端、彼女は楽しそうに食事を始めたのです。 そうなのです。普段は自分自身でも動かすことが出来ない心と体が、 大好きな音楽を聴いた途端に動き始めたのです。 まさしく音楽の力なのですね。 但し、そのためには、ワーカーが患者(利用者)のことを真剣に考え、 あれやこれやと考え、試行錯誤を繰り返していく行動がなければ成り立たないのです。 音楽の活用はワーカー次第なのです。 音楽は脳科学的にも重要なものとして存在しているのですが、それについては後日また書きます。 いずれにしても、認知症の人は自ら好きな音楽を聴けるという行動が厳しくなっているので、 周囲の者が環境整備をしていくことが必要になります。 因みに前回も書いたように、音楽にはリラックス効果があります。 思考展開させるときなどは、(ひらめきが欲しい時には)或いは記憶の整理をしたい時には、 脳をリラックスさせることです。 それを「デフォルト・モード・ネットワーク」と言います。   (つづく)