ninchisho-yui-logo
menu

メニュー

clear ninchisho-yui-logo

「認知症の教室(一般市民用)」で記事を検索しました。

ブログ投稿画像

2021.06.25

認知症の教室(一般市民用)
認知症不明者8年連続増加 センター長の石川です。 今朝の朝日新聞に、厳しい状況の記事が載っていました。 8年連続で、認知症で行方不明になった方が増えているというものです。 残念ながら、遺体で見つかった方も過去最多になったとか。 都道府県別では、何故か毎年大阪がトップになっているのです。 やはり記事にもあるように、地域での見守り力が大切になります。 しかしそれがコロナ禍においては厳しくなっている現状があります。 それでも、 マスクをしていない、表情が険しい、きょろきょろしているなどの行動の方を見られたら、 警察に連絡しにくければ、最寄りの地域包括支援センターに連絡を頂ければと思います。 GPSについては、確かにとても役に立つものだと思います。 介護者にもよくお勧めするのですが、 問題は、いかに本人に持ってもらうかなというところです。 これをやはり皆さん四苦八苦されるのです。 普段から本人が必ず身につけるものに組み込めればいいのですが それも簡単ではありません。 大阪が行方不明者トップなのは、それだけ大阪が開放的であるとも考えられます。 その分、地域の見守り体制も、行政を含めた形でもっと充実させていかなければなりませんね。
ブログ投稿画像

2021.06.10

認知症の教室(一般市民用)
「アデュカヌマブ」は認知症への救世主になれるのか? センター長の石川です。 ニュースで大きく取り上げられていたアルツハイマー病の治療薬「アデュカヌマブ」 まるで特効薬が出来たかのような騒ぎになっていますが、 はたして認知症で苦しむ人の救世主になるのでしょうか? まずマスコミは「治療薬」と言う言葉を使いますが、 「治療」はいわゆる健康な状態に戻すということになります。 しかし「アデュカヌマブ」はあくまでも完治するための薬ではなく、 病気の進行を止めるための薬です。 ご承知の通り、脳にアミロイドβという異常なたんぱく質が溜まり、 これが神経細胞を破壊し、アルツハイマー病に至るのですが、 そのアミロイドβを除去していく働きをするのが「アデュカヌマブ」なのです。 ここでわかりやすくまとめてみます。 〇「アデュカヌマブ」はあくまでも認知症を治す(認知症がない状態に戻す)ものではない 〇何故ならば、一度破壊された神経を元に戻すことが出来ないからです。 〇但し、早期から「アデュカヌマブ」が使えれば、ダメージをかなり少なくできます。 〇また、アミロイドβを以降溜め込まないので、神経細胞の破壊が予防できます。 〇つまり、「アデュカヌマブ」は治療薬と言うより、進行を抑制する薬と言えます。 〇ところが現状ではめっちゃ高価(月1回投与で50万?)で、庶民には手が出せません。 〇保険適用になるかは、現状では厳しそうです。 〇点滴による投与になります。 〇治験結果は見切り発車的で、効果がないと判断される場合もあります。 〇投与が必要な方や、いつ頃からかという判断がかなり難しいです。 〇既に進行が進んでいる方には「残念ながら…」と言う状況です。  現在発症していないけど、発症する可能性がある方が対象になりますが、 それでも今すぐ使えるものではありません。 ◎但し、もし「アデュカヌマブ」に有用性が認められれば、壊れた神経細胞はよみがえらすことは出来なくても、人間は新しいことにチャレンジすることで、壊れた神経細胞の数ほどではなくても、新たな神経細胞が発生することがわかっています。つまり前向きの人生を送るなら、「アデュカヌマブ」の助けを借りて、かなりの生活維持が出来る可能性はあります。 いずれにしても、マスコミは大々的に取り上げ、製薬会社の株が一気に上がる状況ですが、 私たちが眼前としている方々には「残念ながら間に合わない」のが事実です。 また有効性が確約されても、庶民が使える薬になるか、 そして投与判断はどうなるのかなど課題は山積かなと思います。 以下、NHKニュースに出られた先生のコメントを抜粋しておきます。 東京大学岩坪威教授 今後、患者や医療現場に与える影響については、「今回の薬は、認知症を発症したばかりの状態からその後の進行のスピードを抑えるもので中等症や重症になるまでの時間を延ばすことでより生活を高いレベルで維持することができると期待される。症状が軽い段階がなるべく長く続けば介護の負担が少なく、本人も自分らしい生活が送れるようになるメリットは非常に大きいと思う。一方、薬を使えるかどうかを診断するためには脳にアミロイドβがたまりアルツハイマー病の初期段階ということを調べる特殊な装置が必要となる。さらに脳に局所的なむくみが出るなどの副作用への対応も必要で、専門医や専門施設を準備することが求められるのではないか」と指摘しました。 また、薬価が高額になるという指摘については、「バイオジェン社の予測する価格では、月に1回の投与に50万円以上と薬代が相当高い。これをどうやって負担するのかは世界各国どこでも大きな問題になると思う。」 国立精神・神経医療研究センターの中村治雅臨床研究支援部長 「今回の薬は、症状の緩和を目指したこれまでの薬とは異なり、原因に迫り、治せるかもしれないという期待もあり、患者や家族、介護者、それに医療者にとっては希望となる。しかし今回、完全には有効性が分かっていない中で迅速承認となっていて、FDAは今後も大規模な治験を行うことを求めている。手放しでは喜べず、本当に有効な薬なのかどうか、そしてどのような患者さんに対して使うべきなのかといった点に今後も注意を払うべきだ」と指摘しています。 「ここからは、ニューズウィーク誌より」 アルツハイマー病の患者やその家族を代表する複数の組織は、新たな治療法はどのようなものであれ(たとえ治療効果がわずかでも)承認されるべきだと言っている。だが多くの専門家は、今回の新薬承認は危険な前例をつくり、効果が疑わしい治療にも扉を開くことにつながりかねないと警告している。
ブログ投稿画像

2021.05.29

認知症の教室(一般市民用)
若年性認知症の方との関り(16)【車の乗り降りの難しさ】 毎朝お迎えに上がるとFさんは超ご機嫌斜めです。 元々Fさん自身はスナックを開いていたため、夜半過ぎに寝て、昼前に起きるという生活でした。 そのため、朝早く起きるということに慣れていないのです。 デイサービスもできるだけ順番を後にするようにしましたが、やはり朝は闘いでした。 暴れるFさんを送迎車両まで二人掛かりで誘導するのですが、 車高の高いマイクロバスに乗ってもらうのが一苦労です。 中から引っ張る側と、後ろから押す側とにスタッフが分かれて何とか乗ってもらいます。 Fさんに限らず、認知症の方は、車の乗り降りが苦手です。 何故ならば、車の乗り降りの動作は、認知機能が低下している人にとっては 一度に多くの動作を短時間に行わなければならない大変困難度の高いものだからなのです。 右足左足それぞれの別の動きが必要になり、手もどこへもっていくのかがわかりません。 そして頭もぶつけないよう言われます。 さらに、車の乗り降りはケアスタッフもあせり気味ですので、あれやこれやと声を掛けます。 認知症の方はそれだけでパニックになってしまうのです。 そのパニックは身体をさらに硬直化させてしまいます。 私たちには簡単にできてしまう車の乗り降りの行動なので、 ケア側もイラついてしまうところがあるでしょう。 しかし本人にとっては「ど、ど、どうせぇちゅうねん!」みたいな混乱状況にあるのです。 ケア側の注意点としては、焦らずに行動を一つひとつに分解し、 その都度「ありがとございます。」「オーケーです。」「助かります。」など、 ポジティブな言葉を使うことが大切です。 さて、送迎車が動き出し、少しの間のドライブ中はFさんが穏やかになられる時間帯です。 不思議なことに、認知症の方は車に乗ると落ち着かれる方が多いようです。 この車の効用についてはまた別の機会に書いてみたいと思います。 デイセンターに到着すると、次なる課題が。 車の中ですっかり落ち着いたFさんは、今度は車から降りてくれないのです。 乗せるも苦労、降ろすも苦労の方でした。 そして小さな民家を改修したデイサービスセンターでのFさんの一日が始まるのですが、 ここからがスタッフにとっての本当の闘いになります。 しかし、その闘いを通して、Fさんとの繋がりが図られていくのです。   (つづく) センター長の石川でした  
ブログ投稿画像

2021.05.27

認知症の教室(一般市民用)
Air Tagは、認知症の人にも役に立つか? センター長の石川です。 Appleより「Air Tag」なるものが発売されました。 例えば、財布の置き場所がわからなくなった!と言う場合に、 この「Air Tag」を入れておけば、iPhoneがすぐに場所を教えてくれるという機能です。 もし旅先で忘れてしまった場合は、近くのiPhone所持者のiPhoneが居場所を教えてくれるそうです。 いわゆるGPSを使うものではなく、 平たく言えば、iPhoneを所持している人のiPhoneが探してくれるということになります。 キーホルダーにもなる小さなものなので、だいたいな物の中には入れられるというものですね。 私はアンドロイドなので、範疇外ですが。 では認知症の人に役に立つのか?と言うことになります。 まずは、最近ちょくちょく物を置き忘れる、認知症ではないけれど、 「探し物が多くなる」場合は良いかもしれません。 或いは認知症状からのもの忘れによる置忘れにもいいかもしれません。 「私の財布を盗ったのはあなたでしょ!」と言う、もの盗られ妄想が出た時にも、 すぐに探し出せていいかもしれません。 そして、万が一出て行かれて行方が分からなくなった場合。 課題はいくつかあります。 これは「Air Tag」だけに限らずGPSタイプのものも同じなのですが、 本人がそれを身につけて出てくれるかどうかということです。 ここが介護者にとっても最大の悩みになります。 そして「Air Tag」の場合、近くにiPhone所持者がいなければなりません。 山村や、山の中に迷ってしまった場合は反応しない可能性が大きいです。 このように考えると、身近なものを探すにはいいかもしれませんね。 しかし、行方不明の方を探す場合、街中ならば探せても、 人里離れたところに行ってしまうと厳しいかもしれません。 認知症の人にどう所持してもらうかというのが、やはり大きな課題となります。 ただ、このように選択肢が増えたことはありがたいですし、 「ちょい忘れ」には、効力を発揮しそうです。 これからも色々出てくるかもしれませんね。 詳しくは、下記HPまで。一個3,800円。ホルダーは別売です。 https://www.apple.com/jp/airtag/?afid=p238%7CsUG5L0OXt-dc_mtid_18707vxu38484_pcrid_516121240258_pgrid_119615162365_&cid=aos-jp-kwgo-btb–slid—product–
ブログ投稿画像

2021.05.21

認知症の教室(一般市民用)
若年性認知症の方との関り(15)【ドアを開けるとモノが飛んでくる】 久しぶりに若年性認知症の方のお話しです。 若年性認知症の方との関りはまだまだあります。 この時私は認知症デイサービスセンター(当時のE型)に配属されていました。 恐らくは認知症デイサービスセンターの走り(日本では1~2番目)ではなかったかなと思います。 特養施設の横にあった古い民家を改修して作られた、今でいうグループホームのような雰囲気のところでした。 毎回の利用者は7~10名程度だったでしょうか。 小さな民家ですから、ほんとにアットホームな感じの場所でした。 利用者の多くは高齢の方でしたが、Fさん(女性)は50歳代。利用者の中では飛びぬけて若かったと思います。   この方との記憶は鮮烈です。 マンションの一室。多分5~6階だったでしょうか。 このFさんのところへお迎えに上がるときは、必ず職員2名で伺います。 そして、扉を開けるとそこには顔を真っ赤にし、激怒した小太りのFさんが仁王立ちしているのです。 時にドアを開けた途端、モノが飛んでくることもありました。 そのFさんの後ろでは困惑した表情で夫がFさんを送り出そうとしています。 デイサービスへ行かれる朝は、早く起こされるため、Fさんは常に不機嫌で、 家の中で物を投げまくっているのです。     当然、私たちが来ると、鼻息高く超激怒しています。 そこから送迎車に行くまでの間、Fさんの両側にスタッフが回るのですが、 壁に押しつけられたり、押されたりと大変です。 エレベーターの中でも暴れられるので、エレベーターが停まりはしないかとひやひやなのです。 そして更なる障壁が。 いかにして送迎車に乗ってもらうかなのです。 (つづく) センター長の石川でした。
ブログ投稿画像 センター長の石川です。 今週は、英田南、北両地区でお話しさせていただきました。 認知症の新薬「アデュカヌマブ」の説明と、ネットの基礎知識について。 ワクチン接種では、高齢者に対してもネット予約を強いられたり、 このような地域の会合も、リモートで行いなさい的な話も出ています。 [caption id="attachment_2829" align="alignnone" width="1024"] Modern Multiethnic business team having discussion and online meeting in video call[/caption] しかし実際には、スマホは何とか使えるけど、或いはガラケーのままと言う方が殆どで、 ワクチンのネット予約など、高度の技術になってしまいます。 ほんとに世の中の流れに、高齢者でも必死について行かなければならない時代ですね。 そこで今回はごく初歩的なネットのお話をさせていただきました。 そして最後に、本当に久しぶりに、「梅干し体操」を実施しました。 皆さん、しっかりと覚えてられましたね。 「アーバンの中で、たくさんの人と一緒にやったよね~」という声 そうです。 いつか再び、アーバンケアにみんなが集まって、楽しく「梅干し体操」が出来るように! そんな願いを込めた体操でした。 しっかり、身体は動かしましょう!
ブログ投稿画像 センター長の石川です。 今朝の朝日新聞に、厳しい状況の記事が載っていました。 8年連続で、認知症で行方不明になった方が増えているというものです。 残念ながら、遺体で見つかった方も過去最多になったとか。 都道府県別では、何故か毎年大阪がトップになっているのです。 やはり記事にもあるように、地域での見守り力が大切になります。 しかしそれがコロナ禍においては厳しくなっている現状があります。 それでも、 マスクをしていない、表情が険しい、きょろきょろしているなどの行動の方を見られたら、 警察に連絡しにくければ、最寄りの地域包括支援センターに連絡を頂ければと思います。 GPSについては、確かにとても役に立つものだと思います。 介護者にもよくお勧めするのですが、 問題は、いかに本人に持ってもらうかなというところです。 これをやはり皆さん四苦八苦されるのです。 普段から本人が必ず身につけるものに組み込めればいいのですが それも簡単ではありません。 大阪が行方不明者トップなのは、それだけ大阪が開放的であるとも考えられます。 その分、地域の見守り体制も、行政を含めた形でもっと充実させていかなければなりませんね。
ブログ投稿画像 センター長の石川です。 ニュースで大きく取り上げられていたアルツハイマー病の治療薬「アデュカヌマブ」 まるで特効薬が出来たかのような騒ぎになっていますが、 はたして認知症で苦しむ人の救世主になるのでしょうか? まずマスコミは「治療薬」と言う言葉を使いますが、 「治療」はいわゆる健康な状態に戻すということになります。 しかし「アデュカヌマブ」はあくまでも完治するための薬ではなく、 病気の進行を止めるための薬です。 ご承知の通り、脳にアミロイドβという異常なたんぱく質が溜まり、 これが神経細胞を破壊し、アルツハイマー病に至るのですが、 そのアミロイドβを除去していく働きをするのが「アデュカヌマブ」なのです。 ここでわかりやすくまとめてみます。 〇「アデュカヌマブ」はあくまでも認知症を治す(認知症がない状態に戻す)ものではない 〇何故ならば、一度破壊された神経を元に戻すことが出来ないからです。 〇但し、早期から「アデュカヌマブ」が使えれば、ダメージをかなり少なくできます。 〇また、アミロイドβを以降溜め込まないので、神経細胞の破壊が予防できます。 〇つまり、「アデュカヌマブ」は治療薬と言うより、進行を抑制する薬と言えます。 〇ところが現状ではめっちゃ高価(月1回投与で50万?)で、庶民には手が出せません。 〇保険適用になるかは、現状では厳しそうです。 〇点滴による投与になります。 〇治験結果は見切り発車的で、効果がないと判断される場合もあります。 〇投与が必要な方や、いつ頃からかという判断がかなり難しいです。 〇既に進行が進んでいる方には「残念ながら…」と言う状況です。  現在発症していないけど、発症する可能性がある方が対象になりますが、 それでも今すぐ使えるものではありません。 ◎但し、もし「アデュカヌマブ」に有用性が認められれば、壊れた神経細胞はよみがえらすことは出来なくても、人間は新しいことにチャレンジすることで、壊れた神経細胞の数ほどではなくても、新たな神経細胞が発生することがわかっています。つまり前向きの人生を送るなら、「アデュカヌマブ」の助けを借りて、かなりの生活維持が出来る可能性はあります。 いずれにしても、マスコミは大々的に取り上げ、製薬会社の株が一気に上がる状況ですが、 私たちが眼前としている方々には「残念ながら間に合わない」のが事実です。 また有効性が確約されても、庶民が使える薬になるか、 そして投与判断はどうなるのかなど課題は山積かなと思います。 以下、NHKニュースに出られた先生のコメントを抜粋しておきます。 東京大学岩坪威教授 今後、患者や医療現場に与える影響については、「今回の薬は、認知症を発症したばかりの状態からその後の進行のスピードを抑えるもので中等症や重症になるまでの時間を延ばすことでより生活を高いレベルで維持することができると期待される。症状が軽い段階がなるべく長く続けば介護の負担が少なく、本人も自分らしい生活が送れるようになるメリットは非常に大きいと思う。一方、薬を使えるかどうかを診断するためには脳にアミロイドβがたまりアルツハイマー病の初期段階ということを調べる特殊な装置が必要となる。さらに脳に局所的なむくみが出るなどの副作用への対応も必要で、専門医や専門施設を準備することが求められるのではないか」と指摘しました。 また、薬価が高額になるという指摘については、「バイオジェン社の予測する価格では、月に1回の投与に50万円以上と薬代が相当高い。これをどうやって負担するのかは世界各国どこでも大きな問題になると思う。」 国立精神・神経医療研究センターの中村治雅臨床研究支援部長 「今回の薬は、症状の緩和を目指したこれまでの薬とは異なり、原因に迫り、治せるかもしれないという期待もあり、患者や家族、介護者、それに医療者にとっては希望となる。しかし今回、完全には有効性が分かっていない中で迅速承認となっていて、FDAは今後も大規模な治験を行うことを求めている。手放しでは喜べず、本当に有効な薬なのかどうか、そしてどのような患者さんに対して使うべきなのかといった点に今後も注意を払うべきだ」と指摘しています。 「ここからは、ニューズウィーク誌より」 アルツハイマー病の患者やその家族を代表する複数の組織は、新たな治療法はどのようなものであれ(たとえ治療効果がわずかでも)承認されるべきだと言っている。だが多くの専門家は、今回の新薬承認は危険な前例をつくり、効果が疑わしい治療にも扉を開くことにつながりかねないと警告している。
ブログ投稿画像 毎朝お迎えに上がるとFさんは超ご機嫌斜めです。 元々Fさん自身はスナックを開いていたため、夜半過ぎに寝て、昼前に起きるという生活でした。 そのため、朝早く起きるということに慣れていないのです。 デイサービスもできるだけ順番を後にするようにしましたが、やはり朝は闘いでした。 暴れるFさんを送迎車両まで二人掛かりで誘導するのですが、 車高の高いマイクロバスに乗ってもらうのが一苦労です。 中から引っ張る側と、後ろから押す側とにスタッフが分かれて何とか乗ってもらいます。 Fさんに限らず、認知症の方は、車の乗り降りが苦手です。 何故ならば、車の乗り降りの動作は、認知機能が低下している人にとっては 一度に多くの動作を短時間に行わなければならない大変困難度の高いものだからなのです。 右足左足それぞれの別の動きが必要になり、手もどこへもっていくのかがわかりません。 そして頭もぶつけないよう言われます。 さらに、車の乗り降りはケアスタッフもあせり気味ですので、あれやこれやと声を掛けます。 認知症の方はそれだけでパニックになってしまうのです。 そのパニックは身体をさらに硬直化させてしまいます。 私たちには簡単にできてしまう車の乗り降りの行動なので、 ケア側もイラついてしまうところがあるでしょう。 しかし本人にとっては「ど、ど、どうせぇちゅうねん!」みたいな混乱状況にあるのです。 ケア側の注意点としては、焦らずに行動を一つひとつに分解し、 その都度「ありがとございます。」「オーケーです。」「助かります。」など、 ポジティブな言葉を使うことが大切です。 さて、送迎車が動き出し、少しの間のドライブ中はFさんが穏やかになられる時間帯です。 不思議なことに、認知症の方は車に乗ると落ち着かれる方が多いようです。 この車の効用についてはまた別の機会に書いてみたいと思います。 デイセンターに到着すると、次なる課題が。 車の中ですっかり落ち着いたFさんは、今度は車から降りてくれないのです。 乗せるも苦労、降ろすも苦労の方でした。 そして小さな民家を改修したデイサービスセンターでのFさんの一日が始まるのですが、 ここからがスタッフにとっての本当の闘いになります。 しかし、その闘いを通して、Fさんとの繋がりが図られていくのです。   (つづく) センター長の石川でした  
ブログ投稿画像 センター長の石川です。 Appleより「Air Tag」なるものが発売されました。 例えば、財布の置き場所がわからなくなった!と言う場合に、 この「Air Tag」を入れておけば、iPhoneがすぐに場所を教えてくれるという機能です。 もし旅先で忘れてしまった場合は、近くのiPhone所持者のiPhoneが居場所を教えてくれるそうです。 いわゆるGPSを使うものではなく、 平たく言えば、iPhoneを所持している人のiPhoneが探してくれるということになります。 キーホルダーにもなる小さなものなので、だいたいな物の中には入れられるというものですね。 私はアンドロイドなので、範疇外ですが。 では認知症の人に役に立つのか?と言うことになります。 まずは、最近ちょくちょく物を置き忘れる、認知症ではないけれど、 「探し物が多くなる」場合は良いかもしれません。 或いは認知症状からのもの忘れによる置忘れにもいいかもしれません。 「私の財布を盗ったのはあなたでしょ!」と言う、もの盗られ妄想が出た時にも、 すぐに探し出せていいかもしれません。 そして、万が一出て行かれて行方が分からなくなった場合。 課題はいくつかあります。 これは「Air Tag」だけに限らずGPSタイプのものも同じなのですが、 本人がそれを身につけて出てくれるかどうかということです。 ここが介護者にとっても最大の悩みになります。 そして「Air Tag」の場合、近くにiPhone所持者がいなければなりません。 山村や、山の中に迷ってしまった場合は反応しない可能性が大きいです。 このように考えると、身近なものを探すにはいいかもしれませんね。 しかし、行方不明の方を探す場合、街中ならば探せても、 人里離れたところに行ってしまうと厳しいかもしれません。 認知症の人にどう所持してもらうかというのが、やはり大きな課題となります。 ただ、このように選択肢が増えたことはありがたいですし、 「ちょい忘れ」には、効力を発揮しそうです。 これからも色々出てくるかもしれませんね。 詳しくは、下記HPまで。一個3,800円。ホルダーは別売です。 https://www.apple.com/jp/airtag/?afid=p238%7CsUG5L0OXt-dc_mtid_18707vxu38484_pcrid_516121240258_pgrid_119615162365_&cid=aos-jp-kwgo-btb--slid---product--
ブログ投稿画像 久しぶりに若年性認知症の方のお話しです。 若年性認知症の方との関りはまだまだあります。 この時私は認知症デイサービスセンター(当時のE型)に配属されていました。 恐らくは認知症デイサービスセンターの走り(日本では1~2番目)ではなかったかなと思います。 特養施設の横にあった古い民家を改修して作られた、今でいうグループホームのような雰囲気のところでした。 毎回の利用者は7~10名程度だったでしょうか。 小さな民家ですから、ほんとにアットホームな感じの場所でした。 利用者の多くは高齢の方でしたが、Fさん(女性)は50歳代。利用者の中では飛びぬけて若かったと思います。   この方との記憶は鮮烈です。 マンションの一室。多分5~6階だったでしょうか。 このFさんのところへお迎えに上がるときは、必ず職員2名で伺います。 そして、扉を開けるとそこには顔を真っ赤にし、激怒した小太りのFさんが仁王立ちしているのです。 時にドアを開けた途端、モノが飛んでくることもありました。 そのFさんの後ろでは困惑した表情で夫がFさんを送り出そうとしています。 デイサービスへ行かれる朝は、早く起こされるため、Fさんは常に不機嫌で、 家の中で物を投げまくっているのです。     当然、私たちが来ると、鼻息高く超激怒しています。 そこから送迎車に行くまでの間、Fさんの両側にスタッフが回るのですが、 壁に押しつけられたり、押されたりと大変です。 エレベーターの中でも暴れられるので、エレベーターが停まりはしないかとひやひやなのです。 そして更なる障壁が。 いかにして送迎車に乗ってもらうかなのです。 (つづく) センター長の石川でした。