ninchisho-yui-logo
menu

メニュー

clear ninchisho-yui-logo

「認知症の教室(一般市民用)」で記事を検索しました。

ブログ投稿画像

2021.07.24

認知症の教室(一般市民用)
認知症の人の気持ちをどう理解する?(3)「そもそも認知症とは?」 センター長の石川です。 認知症の人をどう理解する?で書き始めたのですが、 そもそも認知症ってどのようなものなのか? 私たちは認知症の人を、「コミュニケーションができない、伝えたいことが理解してもらえない、周囲に迷惑を掛ける、時に暴力が出る」等、そのような現象で捉えがちです。 要するに理解してもらえない誘導が必要な人ですね。 以前「認知症高齢者の日常生活自立度」Ⅲaの文言についてこのブログで載せたことがあるこの文章 「着替え、食事、排便、排尿が上手にできない、時間がかかる。やたらに物を口に入れる、物を拾い集める、徘徊、失禁、大声・奇声をあげる、火の不始末、不潔行為、性的異常行為」 (「認知症高齢者の日常生活自立度」Ⅲaより) 確かに、認知症の状況を確認する指標として、これらBPSDを列挙するのは必要と言われるかもしれません。 しかし、これは認知症の人を同じ人間として敬意を示そうとする文章ではありません。 こんな見方ばかりするから、認知症ケアを間違えるのです。 上記の項目は、あくまでも私たち側から見た項目です。 そうではなく、認知症の人が置かれた状況や心の内面をしっかりと理解すること。 認知症を理解するということは、ここから始めないといけないのです。 でも現実には怒る人もいるし、大声出す人もいるし、時に手をあげる人もいる。 本当にケア側の苦労は絶えません。 お風呂にも入って欲しいのに、怒鳴られる。正直つらいし、困惑もします。 一生懸命なのにまるで虐待されているかのように声を上げられたら、気持ち落ち込むし、 何度も同じことを聞かれたら、忙しいのにかまっておられないとイライラもしてしまうでしょう。 それが普通だと思います。 次回からは、なぜそのような行動が出るのか、それをわかりやすく説明していきたいと思います。
ブログ投稿画像

2021.07.23

認知症の教室(一般市民用)
オリンピックついにその日に(脱水に気をつけて!) センター長の石川です。 オリンピック、ついに開会式の日になってしまいましたね。 「ついに開会式の日になりました!」ではなく、 「なってしまいましたね」という表現を思わず使ってしまいました。 まぁオリンピックについてあれやこれやいうのはやめでおきましょう。 最近は元気だった人が要支援になり、要支援だった人が要介護になったという話をよく聞くようになりました。 長引くコロナ禍の中で、確かに高齢者の心身は弱っていると言えますね。 体を動かすということは、脳も動かすので、認知症予防にも直結します。 こんなご時世だからこそ体を動かさなければならないのですが、 この酷暑ではむしろ危険度が増すとも言えるかもしれません。 宇宙は青かった!   「これくらい大丈夫」「慣れてるから」「頑張れる」 と言う人ほど危ないのです。 脱水からくる意識混濁は、突然やってきます。 先日、気温19℃の所に行ってきました。それでも脱水症状が出ました。 私の趣味は人の少ないところへ行くこと。めっちゃ人の多い都会は嫌いです。 キャンプや登山や鹿しかいない場所に星空撮影に行ったりするのですが、 そのキャンプも最近はにわかキャンパーが増え、平日でないと厳しくなってきました。 遠く、富士山が見えました。   かつては北アルプスの山と言う山を制覇していた登山家であった私。 再び登山に目覚めました。 アルプスはコロナとは無縁の世界です。 ところがガンガンに山に登っていた頃より、遥かに体力は落ち、 ヒーハー言いながら山に登るようになりました。 昔の面影は全くないのですが、とりあえず初心者が登るアルプスから復活を目指しました。 この場所までは誰でも来れます。ここから山に登っていきます。   気温19℃とはいえ、大阪からすると、3キロも太陽に近い場所を歩いているので、 やはり体力の消耗は激しく、最後は脱水症状から、足がつったりしました。 吸収の早い補給水を飲んで回復しましたが(苦笑) まだまだトレーニングが足りない証拠ですね。 天狗岩 自然のものですよ。よくこの鼻をつまんで遊びます。   でも山は自分自身との闘い。黙々とチャレンジするスタイルが私には向いています。 はてさて、この先コロナでどうなるかわかりませんが、 動けるうちはチャレンジを続けていきたいと思っています。 中央アルプスの稜線 天気快晴、気持ちよかったです。   最終目標は槍ヶ岳の3度目の登頂ですが、今のご時世と体力では来年になると思います(苦笑) 皆様も、暑い時は水分補給!です。脱水を甘く見てはいけません。 家でじっとしていても脱水になる人はおられるのですから。 山頂の神社には、無事登らせてもらって感謝の礼  
ブログ投稿画像

2021.07.20

認知症の教室(一般市民用)
第66回灼熱のネットワーク委員会開催される。 センター長の石川です。 7月20日、第66回英田地区認知症ケアネットワーク委員会が、英田公民分館で開催されました。 ところが、なんと会場のクーラーが故障していて全く冷えません。 ほかの部屋のクーラーも故障していて、稼働しているところは他の方が使われていて、 結局酷暑の中の委員会となりました。 しかしながら、地域の会長からは独居の人の状況を心配(コロナワクチンなど)する声や、 教育委員会室長からは、最近ヤングケアラーのことが課題になっているので、 実状について調査中であるとの意見が出されました。 地域包括ケア課からは、認知症ワーキンググループや、若年性認知症の方の集いの説明などがありました。 2023年には若年性認知症の方の全国大会が東大阪で開催される旨は私から報告しました。 いずれにしても、地域に根差すネットワーク委員会、様々な活動との連携も必要になってきますねということでした。 と、暑い中40分に短縮したものの、中味の濃い委員会でしたが、とにかく暑かったです。 委員の皆様、ありがとうございました。 古い建物の古いクーラー、直らないだろうな~
ブログ投稿画像

2021.07.10

認知症の教室(一般市民用)
「アドボケーターについて」(その2)ケア従事者の使命 アドボケーター(advocater)の話、第2回目になります。 ちょっと、厳しめのことを書きます。 アドボケーターとは、「代弁者」と言う意味になります。 私たち対人援助職に就くものとして、必ず身に着けておかなければならない技術のひとつです。 繰り返します。 ケアマネジャーやケアワーカーなど対人援助を行う職業に就くものとして、 必ず知っておくべきものであり、また技術として持っておかなければならないのが「アドボケーター」つまり「代弁者」としての役割なのです。 では、誰の「代弁者」なのか? もちろん、私たちが支援している利用者のことになります。 特に自分の意志表示が厳しい認知症の人は、私たち側の判断だけで取り決めてしまうことが多々生じます。 そこで忘れてはならないのが、「本人の意思(意志)」です。 しかし、認知症の人の意思なんかわからない、 コミュニケーションができない人の思いなんてわからないと思うかもしれません。 ところが個々の意思の尊重は、私たち対人援助職に課せられている重要な役割なのです。 特に認知症の人の場合、アドボケーターをわかりやすく言えば、 その人のアバターになったつもりで考えることが必要です。 アバターのようなお花ですね   そして何よりも忘れてはならないことは、 入居利用者、特に認知症の人の側に立って考え、発言できるのは、 八百屋さんでも、魚屋さんでも、銀行員でも、警察官でもなく、 一番身近にいるケア従事者しかいないのです。 私たちが認知症の人(入居者)の思いに立たなければ、誰が立つのか!? 家族も今は入ることは出来ません。 このような状況の中で、認知症の人はわからない、伝えられない不安や孤独の中で、 誰も味方がなく、ケア側の言われるままに生きていかなければならないのです。 繰り返します。 「私たちが認知症の人の思いを汲まなければ、誰がその思いをわかってあげられるのか? 専門職である私たちしかいないのです。これは専門職の使命ともいえることです。」 例えば、カンファレンスの時、 認知症のAさんのアバター役(アドボケーター)を設け、本人の意思であろうことを発言します。 ある意味Aさんのアバターは、Aさんの弁護人と言う役割も担うのです。 例えばAさんの行動に困ったケア職員が、 その行動をなんとかしてほしいとカンファレンスで発言するとします。 この時Aさんのアバター役は、Aさんになり代わって、Aさんの思いを伝えるのです。 もしかしたら、Aさんの行動にはケア側の問題があったということもあるかもしれません。 誰かがAさんの立場に立たないと、全てはケア側の都合で決められて行ってしまうのです。 このように、カンファレンスではケア側だけの思いで何もかも決めるのではなく、 本人が意思表示できない人ならば、 その人のアバター役(アドボケーター)を職員の一人に設定しておくのです。 このアバター役を担った人は、とことん本人の思いを理解することを行っておかないと、 アバターにはなれません。 そのためにどうするかは、後日また掲載したいと思います。
ブログ投稿画像

2021.07.05

認知症の教室(一般市民用)
「若年性認知症の方の集い」レポート センター長の石川です。 コロナ禍の影響で、2か月中止になっていた「若年性認知症の方の集い(楽Café)」が、 若江岩田で開催されました。 今回の参加者は、50歳代の方が2名、60歳代前半の方が2名でした。 ご本人への関りと、介護家族の話を伺う二つのグループに分かれて行います。 9月に市役所でのお弁当配り実施予定だそうです。   新規の方もおられたので、前半はご本人の様子をうかがいながら、 後半は介護家族の方の話を聞いてきました。 当事者の方と関わると、介護家族の方の苦労が浮かび上がってきます。 今回、当事者の方はオリジナルマスク作りにチャレンジです。   私たちは毎分毎秒、瞬時に様々なことを、認知機能を働かせて理解し、行動していきますが、 ひとたび、その「瞬時に理解する認知機能」が支障をきたしだすと、 認知機能が正常な人とのギャップが大きく出てしまいます。 直前のことを忘れてしまったり、コミュニケーションがちぐはぐになる それだけで介護家族のストレスは、オーバーフローしてしまうのです。 そしてご本人も必死で、何とか「わかっている自分」を取り繕うとします。 ですから一見ごく普通の方です。 しかし、その一見ごく普通であるがゆえ、介護家族の苦労は増加してしまいます。 若年性認知症の方の場合、生活上の問題も出てきますし、家族の心の傷も生じてしまいます。 しかし実際には、それらのフォロー体制は確立されていないのが現状です。 「シチダンカ」希少な花だそうです。   当事者の方をサポートするとともに、介護家族もサポートする。 どちらも不可欠な両輪ですね。 介護家族同士のお話しでは、家族間同士のアドバイスが多く、これは凄い有効性があります。 そしてご本にに対しては、前回のブログで前触れしましたが、 私たちは「アドボケーター」としての役割を発揮していかなければならないのです。  
ブログ投稿画像

2021.06.25

認知症の教室(一般市民用)
認知症不明者8年連続増加 センター長の石川です。 今朝の朝日新聞に、厳しい状況の記事が載っていました。 8年連続で、認知症で行方不明になった方が増えているというものです。 残念ながら、遺体で見つかった方も過去最多になったとか。 都道府県別では、何故か毎年大阪がトップになっているのです。 やはり記事にもあるように、地域での見守り力が大切になります。 しかしそれがコロナ禍においては厳しくなっている現状があります。 それでも、 マスクをしていない、表情が険しい、きょろきょろしているなどの行動の方を見られたら、 警察に連絡しにくければ、最寄りの地域包括支援センターに連絡を頂ければと思います。 GPSについては、確かにとても役に立つものだと思います。 介護者にもよくお勧めするのですが、 問題は、いかに本人に持ってもらうかなというところです。 これをやはり皆さん四苦八苦されるのです。 普段から本人が必ず身につけるものに組み込めればいいのですが それも簡単ではありません。 大阪が行方不明者トップなのは、それだけ大阪が開放的であるとも考えられます。 その分、地域の見守り体制も、行政を含めた形でもっと充実させていかなければなりませんね。
ブログ投稿画像

2021.06.10

認知症の教室(一般市民用)
「アデュカヌマブ」は認知症への救世主になれるのか? センター長の石川です。 ニュースで大きく取り上げられていたアルツハイマー病の治療薬「アデュカヌマブ」 まるで特効薬が出来たかのような騒ぎになっていますが、 はたして認知症で苦しむ人の救世主になるのでしょうか? まずマスコミは「治療薬」と言う言葉を使いますが、 「治療」はいわゆる健康な状態に戻すということになります。 しかし「アデュカヌマブ」はあくまでも完治するための薬ではなく、 病気の進行を止めるための薬です。 ご承知の通り、脳にアミロイドβという異常なたんぱく質が溜まり、 これが神経細胞を破壊し、アルツハイマー病に至るのですが、 そのアミロイドβを除去していく働きをするのが「アデュカヌマブ」なのです。 ここでわかりやすくまとめてみます。 〇「アデュカヌマブ」はあくまでも認知症を治す(認知症がない状態に戻す)ものではない 〇何故ならば、一度破壊された神経を元に戻すことが出来ないからです。 〇但し、早期から「アデュカヌマブ」が使えれば、ダメージをかなり少なくできます。 〇また、アミロイドβを以降溜め込まないので、神経細胞の破壊が予防できます。 〇つまり、「アデュカヌマブ」は治療薬と言うより、進行を抑制する薬と言えます。 〇ところが現状ではめっちゃ高価(月1回投与で50万?)で、庶民には手が出せません。 〇保険適用になるかは、現状では厳しそうです。 〇点滴による投与になります。 〇治験結果は見切り発車的で、効果がないと判断される場合もあります。 〇投与が必要な方や、いつ頃からかという判断がかなり難しいです。 〇既に進行が進んでいる方には「残念ながら…」と言う状況です。  現在発症していないけど、発症する可能性がある方が対象になりますが、 それでも今すぐ使えるものではありません。 ◎但し、もし「アデュカヌマブ」に有用性が認められれば、壊れた神経細胞はよみがえらすことは出来なくても、人間は新しいことにチャレンジすることで、壊れた神経細胞の数ほどではなくても、新たな神経細胞が発生することがわかっています。つまり前向きの人生を送るなら、「アデュカヌマブ」の助けを借りて、かなりの生活維持が出来る可能性はあります。 いずれにしても、マスコミは大々的に取り上げ、製薬会社の株が一気に上がる状況ですが、 私たちが眼前としている方々には「残念ながら間に合わない」のが事実です。 また有効性が確約されても、庶民が使える薬になるか、 そして投与判断はどうなるのかなど課題は山積かなと思います。 以下、NHKニュースに出られた先生のコメントを抜粋しておきます。 東京大学岩坪威教授 今後、患者や医療現場に与える影響については、「今回の薬は、認知症を発症したばかりの状態からその後の進行のスピードを抑えるもので中等症や重症になるまでの時間を延ばすことでより生活を高いレベルで維持することができると期待される。症状が軽い段階がなるべく長く続けば介護の負担が少なく、本人も自分らしい生活が送れるようになるメリットは非常に大きいと思う。一方、薬を使えるかどうかを診断するためには脳にアミロイドβがたまりアルツハイマー病の初期段階ということを調べる特殊な装置が必要となる。さらに脳に局所的なむくみが出るなどの副作用への対応も必要で、専門医や専門施設を準備することが求められるのではないか」と指摘しました。 また、薬価が高額になるという指摘については、「バイオジェン社の予測する価格では、月に1回の投与に50万円以上と薬代が相当高い。これをどうやって負担するのかは世界各国どこでも大きな問題になると思う。」 国立精神・神経医療研究センターの中村治雅臨床研究支援部長 「今回の薬は、症状の緩和を目指したこれまでの薬とは異なり、原因に迫り、治せるかもしれないという期待もあり、患者や家族、介護者、それに医療者にとっては希望となる。しかし今回、完全には有効性が分かっていない中で迅速承認となっていて、FDAは今後も大規模な治験を行うことを求めている。手放しでは喜べず、本当に有効な薬なのかどうか、そしてどのような患者さんに対して使うべきなのかといった点に今後も注意を払うべきだ」と指摘しています。 「ここからは、ニューズウィーク誌より」 アルツハイマー病の患者やその家族を代表する複数の組織は、新たな治療法はどのようなものであれ(たとえ治療効果がわずかでも)承認されるべきだと言っている。だが多くの専門家は、今回の新薬承認は危険な前例をつくり、効果が疑わしい治療にも扉を開くことにつながりかねないと警告している。
ブログ投稿画像 センター長の石川です。 認知症の人をどう理解する?で書き始めたのですが、 そもそも認知症ってどのようなものなのか? 私たちは認知症の人を、「コミュニケーションができない、伝えたいことが理解してもらえない、周囲に迷惑を掛ける、時に暴力が出る」等、そのような現象で捉えがちです。 要するに理解してもらえない誘導が必要な人ですね。 以前「認知症高齢者の日常生活自立度」Ⅲaの文言についてこのブログで載せたことがあるこの文章 「着替え、食事、排便、排尿が上手にできない、時間がかかる。やたらに物を口に入れる、物を拾い集める、徘徊、失禁、大声・奇声をあげる、火の不始末、不潔行為、性的異常行為」 (「認知症高齢者の日常生活自立度」Ⅲaより) 確かに、認知症の状況を確認する指標として、これらBPSDを列挙するのは必要と言われるかもしれません。 しかし、これは認知症の人を同じ人間として敬意を示そうとする文章ではありません。 こんな見方ばかりするから、認知症ケアを間違えるのです。 上記の項目は、あくまでも私たち側から見た項目です。 そうではなく、認知症の人が置かれた状況や心の内面をしっかりと理解すること。 認知症を理解するということは、ここから始めないといけないのです。 でも現実には怒る人もいるし、大声出す人もいるし、時に手をあげる人もいる。 本当にケア側の苦労は絶えません。 お風呂にも入って欲しいのに、怒鳴られる。正直つらいし、困惑もします。 一生懸命なのにまるで虐待されているかのように声を上げられたら、気持ち落ち込むし、 何度も同じことを聞かれたら、忙しいのにかまっておられないとイライラもしてしまうでしょう。 それが普通だと思います。 次回からは、なぜそのような行動が出るのか、それをわかりやすく説明していきたいと思います。
ブログ投稿画像 センター長の石川です。 オリンピック、ついに開会式の日になってしまいましたね。 「ついに開会式の日になりました!」ではなく、 「なってしまいましたね」という表現を思わず使ってしまいました。 まぁオリンピックについてあれやこれやいうのはやめでおきましょう。 最近は元気だった人が要支援になり、要支援だった人が要介護になったという話をよく聞くようになりました。 長引くコロナ禍の中で、確かに高齢者の心身は弱っていると言えますね。 体を動かすということは、脳も動かすので、認知症予防にも直結します。 こんなご時世だからこそ体を動かさなければならないのですが、 この酷暑ではむしろ危険度が増すとも言えるかもしれません。 [caption id="attachment_2896" align="alignnone" width="1024"] 宇宙は青かった![/caption]   「これくらい大丈夫」「慣れてるから」「頑張れる」 と言う人ほど危ないのです。 脱水からくる意識混濁は、突然やってきます。 先日、気温19℃の所に行ってきました。それでも脱水症状が出ました。 私の趣味は人の少ないところへ行くこと。めっちゃ人の多い都会は嫌いです。 キャンプや登山や鹿しかいない場所に星空撮影に行ったりするのですが、 そのキャンプも最近はにわかキャンパーが増え、平日でないと厳しくなってきました。 [caption id="attachment_2894" align="alignnone" width="1024"] 遠く、富士山が見えました。[/caption]   かつては北アルプスの山と言う山を制覇していた登山家であった私。 再び登山に目覚めました。 アルプスはコロナとは無縁の世界です。 ところがガンガンに山に登っていた頃より、遥かに体力は落ち、 ヒーハー言いながら山に登るようになりました。 昔の面影は全くないのですが、とりあえず初心者が登るアルプスから復活を目指しました。 [caption id="attachment_2893" align="alignnone" width="1024"] この場所までは誰でも来れます。ここから山に登っていきます。[/caption]   気温19℃とはいえ、大阪からすると、3キロも太陽に近い場所を歩いているので、 やはり体力の消耗は激しく、最後は脱水症状から、足がつったりしました。 吸収の早い補給水を飲んで回復しましたが(苦笑) まだまだトレーニングが足りない証拠ですね。 [caption id="attachment_2891" align="alignnone" width="1024"] 天狗岩 自然のものですよ。よくこの鼻をつまんで遊びます。[/caption]   でも山は自分自身との闘い。黙々とチャレンジするスタイルが私には向いています。 はてさて、この先コロナでどうなるかわかりませんが、 動けるうちはチャレンジを続けていきたいと思っています。 [caption id="attachment_2892" align="alignnone" width="1024"] 中央アルプスの稜線 天気快晴、気持ちよかったです。[/caption]   最終目標は槍ヶ岳の3度目の登頂ですが、今のご時世と体力では来年になると思います(苦笑) 皆様も、暑い時は水分補給!です。脱水を甘く見てはいけません。 家でじっとしていても脱水になる人はおられるのですから。 [caption id="attachment_2895" align="alignnone" width="1024"] 山頂の神社には、無事登らせてもらって感謝の礼[/caption]  
ブログ投稿画像 センター長の石川です。 7月20日、第66回英田地区認知症ケアネットワーク委員会が、英田公民分館で開催されました。 ところが、なんと会場のクーラーが故障していて全く冷えません。 ほかの部屋のクーラーも故障していて、稼働しているところは他の方が使われていて、 結局酷暑の中の委員会となりました。 しかしながら、地域の会長からは独居の人の状況を心配(コロナワクチンなど)する声や、 教育委員会室長からは、最近ヤングケアラーのことが課題になっているので、 実状について調査中であるとの意見が出されました。 地域包括ケア課からは、認知症ワーキンググループや、若年性認知症の方の集いの説明などがありました。 2023年には若年性認知症の方の全国大会が東大阪で開催される旨は私から報告しました。 いずれにしても、地域に根差すネットワーク委員会、様々な活動との連携も必要になってきますねということでした。 と、暑い中40分に短縮したものの、中味の濃い委員会でしたが、とにかく暑かったです。 委員の皆様、ありがとうございました。 古い建物の古いクーラー、直らないだろうな~
ブログ投稿画像 アドボケーター(advocater)の話、第2回目になります。 ちょっと、厳しめのことを書きます。 アドボケーターとは、「代弁者」と言う意味になります。 私たち対人援助職に就くものとして、必ず身に着けておかなければならない技術のひとつです。 繰り返します。 ケアマネジャーやケアワーカーなど対人援助を行う職業に就くものとして、 必ず知っておくべきものであり、また技術として持っておかなければならないのが「アドボケーター」つまり「代弁者」としての役割なのです。 では、誰の「代弁者」なのか? もちろん、私たちが支援している利用者のことになります。 特に自分の意志表示が厳しい認知症の人は、私たち側の判断だけで取り決めてしまうことが多々生じます。 そこで忘れてはならないのが、「本人の意思(意志)」です。 しかし、認知症の人の意思なんかわからない、 コミュニケーションができない人の思いなんてわからないと思うかもしれません。 ところが個々の意思の尊重は、私たち対人援助職に課せられている重要な役割なのです。 特に認知症の人の場合、アドボケーターをわかりやすく言えば、 その人のアバターになったつもりで考えることが必要です。 [caption id="attachment_1471" align="alignnone" width="650"] アバターのようなお花ですね[/caption]   そして何よりも忘れてはならないことは、 入居利用者、特に認知症の人の側に立って考え、発言できるのは、 八百屋さんでも、魚屋さんでも、銀行員でも、警察官でもなく、 一番身近にいるケア従事者しかいないのです。 私たちが認知症の人(入居者)の思いに立たなければ、誰が立つのか!? 家族も今は入ることは出来ません。 このような状況の中で、認知症の人はわからない、伝えられない不安や孤独の中で、 誰も味方がなく、ケア側の言われるままに生きていかなければならないのです。 繰り返します。 「私たちが認知症の人の思いを汲まなければ、誰がその思いをわかってあげられるのか? 専門職である私たちしかいないのです。これは専門職の使命ともいえることです。」 例えば、カンファレンスの時、 認知症のAさんのアバター役(アドボケーター)を設け、本人の意思であろうことを発言します。 ある意味Aさんのアバターは、Aさんの弁護人と言う役割も担うのです。 例えばAさんの行動に困ったケア職員が、 その行動をなんとかしてほしいとカンファレンスで発言するとします。 この時Aさんのアバター役は、Aさんになり代わって、Aさんの思いを伝えるのです。 もしかしたら、Aさんの行動にはケア側の問題があったということもあるかもしれません。 誰かがAさんの立場に立たないと、全てはケア側の都合で決められて行ってしまうのです。 このように、カンファレンスではケア側だけの思いで何もかも決めるのではなく、 本人が意思表示できない人ならば、 その人のアバター役(アドボケーター)を職員の一人に設定しておくのです。 このアバター役を担った人は、とことん本人の思いを理解することを行っておかないと、 アバターにはなれません。 そのためにどうするかは、後日また掲載したいと思います。
ブログ投稿画像 センター長の石川です。 コロナ禍の影響で、2か月中止になっていた「若年性認知症の方の集い(楽Café)」が、 若江岩田で開催されました。 今回の参加者は、50歳代の方が2名、60歳代前半の方が2名でした。 ご本人への関りと、介護家族の話を伺う二つのグループに分かれて行います。 [caption id="attachment_2854" align="aligncenter" width="1024"] 9月に市役所でのお弁当配り実施予定だそうです。[/caption]   新規の方もおられたので、前半はご本人の様子をうかがいながら、 後半は介護家族の方の話を聞いてきました。 当事者の方と関わると、介護家族の方の苦労が浮かび上がってきます。 [caption id="attachment_2853" align="alignnone" width="1024"] 今回、当事者の方はオリジナルマスク作りにチャレンジです。[/caption]   私たちは毎分毎秒、瞬時に様々なことを、認知機能を働かせて理解し、行動していきますが、 ひとたび、その「瞬時に理解する認知機能」が支障をきたしだすと、 認知機能が正常な人とのギャップが大きく出てしまいます。 直前のことを忘れてしまったり、コミュニケーションがちぐはぐになる それだけで介護家族のストレスは、オーバーフローしてしまうのです。 そしてご本人も必死で、何とか「わかっている自分」を取り繕うとします。 ですから一見ごく普通の方です。 しかし、その一見ごく普通であるがゆえ、介護家族の苦労は増加してしまいます。 若年性認知症の方の場合、生活上の問題も出てきますし、家族の心の傷も生じてしまいます。 しかし実際には、それらのフォロー体制は確立されていないのが現状です。 [caption id="attachment_2855" align="alignnone" width="1024"] 「シチダンカ」希少な花だそうです。[/caption]   当事者の方をサポートするとともに、介護家族もサポートする。 どちらも不可欠な両輪ですね。 介護家族同士のお話しでは、家族間同士のアドバイスが多く、これは凄い有効性があります。 そしてご本にに対しては、前回のブログで前触れしましたが、 私たちは「アドボケーター」としての役割を発揮していかなければならないのです。  
ブログ投稿画像 センター長の石川です。 今週は、英田南、北両地区でお話しさせていただきました。 認知症の新薬「アデュカヌマブ」の説明と、ネットの基礎知識について。 ワクチン接種では、高齢者に対してもネット予約を強いられたり、 このような地域の会合も、リモートで行いなさい的な話も出ています。 [caption id="attachment_2829" align="alignnone" width="1024"] Modern Multiethnic business team having discussion and online meeting in video call[/caption] しかし実際には、スマホは何とか使えるけど、或いはガラケーのままと言う方が殆どで、 ワクチンのネット予約など、高度の技術になってしまいます。 ほんとに世の中の流れに、高齢者でも必死について行かなければならない時代ですね。 そこで今回はごく初歩的なネットのお話をさせていただきました。 そして最後に、本当に久しぶりに、「梅干し体操」を実施しました。 皆さん、しっかりと覚えてられましたね。 「アーバンの中で、たくさんの人と一緒にやったよね~」という声 そうです。 いつか再び、アーバンケアにみんなが集まって、楽しく「梅干し体操」が出来るように! そんな願いを込めた体操でした。 しっかり、身体は動かしましょう!
ブログ投稿画像 センター長の石川です。 今朝の朝日新聞に、厳しい状況の記事が載っていました。 8年連続で、認知症で行方不明になった方が増えているというものです。 残念ながら、遺体で見つかった方も過去最多になったとか。 都道府県別では、何故か毎年大阪がトップになっているのです。 やはり記事にもあるように、地域での見守り力が大切になります。 しかしそれがコロナ禍においては厳しくなっている現状があります。 それでも、 マスクをしていない、表情が険しい、きょろきょろしているなどの行動の方を見られたら、 警察に連絡しにくければ、最寄りの地域包括支援センターに連絡を頂ければと思います。 GPSについては、確かにとても役に立つものだと思います。 介護者にもよくお勧めするのですが、 問題は、いかに本人に持ってもらうかなというところです。 これをやはり皆さん四苦八苦されるのです。 普段から本人が必ず身につけるものに組み込めればいいのですが それも簡単ではありません。 大阪が行方不明者トップなのは、それだけ大阪が開放的であるとも考えられます。 その分、地域の見守り体制も、行政を含めた形でもっと充実させていかなければなりませんね。
ブログ投稿画像 センター長の石川です。 ニュースで大きく取り上げられていたアルツハイマー病の治療薬「アデュカヌマブ」 まるで特効薬が出来たかのような騒ぎになっていますが、 はたして認知症で苦しむ人の救世主になるのでしょうか? まずマスコミは「治療薬」と言う言葉を使いますが、 「治療」はいわゆる健康な状態に戻すということになります。 しかし「アデュカヌマブ」はあくまでも完治するための薬ではなく、 病気の進行を止めるための薬です。 ご承知の通り、脳にアミロイドβという異常なたんぱく質が溜まり、 これが神経細胞を破壊し、アルツハイマー病に至るのですが、 そのアミロイドβを除去していく働きをするのが「アデュカヌマブ」なのです。 ここでわかりやすくまとめてみます。 〇「アデュカヌマブ」はあくまでも認知症を治す(認知症がない状態に戻す)ものではない 〇何故ならば、一度破壊された神経を元に戻すことが出来ないからです。 〇但し、早期から「アデュカヌマブ」が使えれば、ダメージをかなり少なくできます。 〇また、アミロイドβを以降溜め込まないので、神経細胞の破壊が予防できます。 〇つまり、「アデュカヌマブ」は治療薬と言うより、進行を抑制する薬と言えます。 〇ところが現状ではめっちゃ高価(月1回投与で50万?)で、庶民には手が出せません。 〇保険適用になるかは、現状では厳しそうです。 〇点滴による投与になります。 〇治験結果は見切り発車的で、効果がないと判断される場合もあります。 〇投与が必要な方や、いつ頃からかという判断がかなり難しいです。 〇既に進行が進んでいる方には「残念ながら…」と言う状況です。  現在発症していないけど、発症する可能性がある方が対象になりますが、 それでも今すぐ使えるものではありません。 ◎但し、もし「アデュカヌマブ」に有用性が認められれば、壊れた神経細胞はよみがえらすことは出来なくても、人間は新しいことにチャレンジすることで、壊れた神経細胞の数ほどではなくても、新たな神経細胞が発生することがわかっています。つまり前向きの人生を送るなら、「アデュカヌマブ」の助けを借りて、かなりの生活維持が出来る可能性はあります。 いずれにしても、マスコミは大々的に取り上げ、製薬会社の株が一気に上がる状況ですが、 私たちが眼前としている方々には「残念ながら間に合わない」のが事実です。 また有効性が確約されても、庶民が使える薬になるか、 そして投与判断はどうなるのかなど課題は山積かなと思います。 以下、NHKニュースに出られた先生のコメントを抜粋しておきます。 東京大学岩坪威教授 今後、患者や医療現場に与える影響については、「今回の薬は、認知症を発症したばかりの状態からその後の進行のスピードを抑えるもので中等症や重症になるまでの時間を延ばすことでより生活を高いレベルで維持することができると期待される。症状が軽い段階がなるべく長く続けば介護の負担が少なく、本人も自分らしい生活が送れるようになるメリットは非常に大きいと思う。一方、薬を使えるかどうかを診断するためには脳にアミロイドβがたまりアルツハイマー病の初期段階ということを調べる特殊な装置が必要となる。さらに脳に局所的なむくみが出るなどの副作用への対応も必要で、専門医や専門施設を準備することが求められるのではないか」と指摘しました。 また、薬価が高額になるという指摘については、「バイオジェン社の予測する価格では、月に1回の投与に50万円以上と薬代が相当高い。これをどうやって負担するのかは世界各国どこでも大きな問題になると思う。」 国立精神・神経医療研究センターの中村治雅臨床研究支援部長 「今回の薬は、症状の緩和を目指したこれまでの薬とは異なり、原因に迫り、治せるかもしれないという期待もあり、患者や家族、介護者、それに医療者にとっては希望となる。しかし今回、完全には有効性が分かっていない中で迅速承認となっていて、FDAは今後も大規模な治験を行うことを求めている。手放しでは喜べず、本当に有効な薬なのかどうか、そしてどのような患者さんに対して使うべきなのかといった点に今後も注意を払うべきだ」と指摘しています。 「ここからは、ニューズウィーク誌より」 アルツハイマー病の患者やその家族を代表する複数の組織は、新たな治療法はどのようなものであれ(たとえ治療効果がわずかでも)承認されるべきだと言っている。だが多くの専門家は、今回の新薬承認は危険な前例をつくり、効果が疑わしい治療にも扉を開くことにつながりかねないと警告している。