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「心の荷物預かり所」で記事を検索しました。

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2023.12.25

心の荷物預かり所
家族会「ほっこりなつどい」開催されました 毎月実施している家族会ですが、 今回は認知症の人を介護されている家族の方が中心の家族会を実施しました。 6名の方が参加されたのですが、 介護者の方の立場は、妻、夫、娘、嫁と、様々な立場の人がおられ、 さらに認知症の当事者の方も、 アルツハイマー型認知病、脳血管性認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症と、様々な症状の方でした。 単に認知症と言っても、このように様々な症状の認知症があり、 そして認知症状の出方も変わってきます。 また、介護者の立場の違いにより、その介護の状況も変わってきます。 このように単に介護者と言っても、立場の違いでの悩み、 さらに当事者の認知症の症状によっても違ってくるのです。 ところがこの立場の違いがあっても、 家族間の話では、その苦労を受け止め、励ますシーンが何度もありました。 状況が違ったとしても、介護での苦労は同じなのです。 また、初参加の方は、 「来てどうするのかと思ったけど、胸の内を話せてよかった」と言われていました。 介護者が倒れたら、一番影響を受けるのは当事者の方です。 そして介護されている方にもそれぞれの人生があり、 その自分の人生の時間を楽しめる時間があっても、当然いいのです。 本人のこともさることながら、介護者自身も心が落ち着けるために、 デイサービスやショートステイのサービスがあります。 そして今回のような「家族会」があって、心に抱えた荷物を下ろすとともに、 また前へ進んでいけるエネルギーをもらうこと。 そんな「セキュアベース」(心の安全基地)としての家族会であったと言えるでしょう。 メリークリスマス! 良い年末をお過ごしください!   次回は1月27日を予定しています。
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2023.12.18

心の荷物預かり所
寿命を分けるもの 近い将来的に4人に1人が認知症になる可能性があると言われています。 認知症の進行を止めると言われているお薬が出たと言っても、 まだまだその効果は限定的なようです。 一方、長寿の方も増えてきています。 しかし、私の周辺では、私よりはるかに若い人の死が続いています。 先週の土曜日、研修先の職員から、 共に研修を行っていたN君が亡くなったと聞かされました。 昨年、同じく共に研修を行っていたM君が亡くなったばかりなのに。 二人ともまだ40歳代です。 N君は不器用だけど一生懸命な男でした。 施設での認知症の人の尊厳を維持するために、頑張っていた男でした。 M君に続き、また一人、戦友をなくしたような喪失感があります。 寿命を分けるものっていったい何だろうとも思います。 多くの因子が絡み合ってのことなのでしょうが、 実際のところ、いつどこで何があるのかわからないのが人生で それを自分事として「捉えたくない」のも私たちかもしれません。 それにしても、まだまだこれからという時に、あまりにも早い後輩の死 認知症ケアの改善に向けての、立て続く実践者の死は大いなる痛手です。 昨年は地域包括支援センターで共に働いていた同僚も亡くなり、 次から次へと後輩が去っていきます。 人生いつどこで何が起きるかわかりません。 自分がやりたいことは 後回しにしないこと だと思います。 もしかしたら、認知症の予防ばかり考えるより、 自分がやりたいことに力を注ぐこと。 そうすれば、例え認知症になったとしても、 その力を注いでいることが その後も前向きに生きていくことに繋がるかもしれません。
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2023.11.06

心の荷物預かり所
選手ウォッチングが楽しかった日本シリーズ 日本シリーズ、「阪神タイガース優勝おめでとうございます!」 前回の日本一が32年前ですから、知らない人も多いのではないでしょうか。 私は前回の優勝、見てましたよ。掛布、岡田、バース! 素晴らしかったですね。 それにしても32年って、凄い年月です。 さて、元阪急ブレーブスのファンだった私は、阪神タイガースのファンでもありました。 その昔、阪急対阪神の西宮市内日本シリーズを期待していたのですが、 当時は阪神が弱すぎて願いかなわずでした。 その阪急の流れをくむオリックスとの対戦は、両方とも好きなチームだけに どっちも応援、なのですが、選手一人一人のウォッチングが楽しかったです。 その中で一番強く印象に残ったのは、宇田川投手の涙でした。 ドラフトにもかからない育成選手から拾い上げられ、 でも彼はやさしすぎるというか、心が弱いのですね。 だからいい球を持っていても芽が出ない。 そこを人材育成頑張ってWBCにも出れるくらいの選手になったのですね。 それだけに打たれて、純粋すぎる心が崩れてしまったのでしょう。 彼を慰める選手たちの姿が印象的でした。 オリックスはこのように育成上がりの選手が多いのです。 選手を育てるのが上手なのでしょう。 一方、阪神はドラフト1位の選手がそのまま活躍しています。 ドラフト1位でも芽が出ない選手が多い中、 その才能をしっかりと引き出している球団とも言えます。 そういう意味で、選手一人一人のドラマが実に面白かったし、 人材育成としても見て楽しい二チームでした。 因みに初戦の山本投手と村上投手。 日本一の投手としての気負いが見て取れ、余裕がなかった山本由伸。 一方、無心に楽しく投げた村上投手の差が出ましたね。 逆に第6戦は、村上選手に無心に楽しむ思いが消え、 気負いが本来の投球を邪魔した感じです。 一方山本投手は、本来の実力を後半ほどしっかり出せたと言えるでしょう。 日本で見れるこれが最後の姿!を熱く見せてくれました。 隠れた才能を伸ばす、才能をさらに引っ張り出す、 本来の実力を出せるか出せないか、精神的なものが微妙に影響することなど試合を楽しむというより、 ひとり一人の選手を見ていく。 人材育成においても、人間観察力を磨くうえでも楽しい日本シリーズでした。 そして浪花節的かもしれませんが、これまで功労のあった湯浅、青柳、 そして中継ぎの功労者桐敷を出すところなど、 私の歳に近い岡田監督の采配の粋なところを感じました。 阪神タイガース優勝おめでとうございます! オリックスも素晴らしかった!
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2023.10.23

心の荷物預かり所
雨が降った後に出逢えるかもしれないすてきなもの 9月のことになりますが、北アルプス薬師岳に登ってきました。 その稜線上にある山小屋「太郎平小屋」までは、 登山口から5時間登って着くことができます。 テレビで小屋のオーナーの五十嶋さんがご健在ということを知って、 老体に鞭をうって登ってきました。 遠く稜線上に太郎平小屋の屋根が見えてきます   今から35年前、当時私はガンガン山に登っていた時でしたが、 私の後輩が、山をなめた登山をして遭難、 太郎平小屋にえらい迷惑をかけたと聞き、それは謝りに行かなければならないと、 彼を連れて訪れた小屋だったのです。 その時に五十嶋オーナーと撮った写真を持参して登ったのです。 35年前の五十嶋オーナーと私。五十嶋さん、ちょっと恐そうな?山男です。   五十嶋オーナーは今年84歳。 今もなお、5時間の山道を登り、小屋に常駐し、 若いスタッフたちに采配を振るっておられました。 その五十嶋氏と35年ぶりの対面でした。 「どや、男前やろ」と若いスタッフにその写真を見せて喜ぶ五十嶋氏。 めっちゃ喜んでくれました。 そしてあらためて、35年ぶりにまたツーショットで写真を撮らせていただきました。 とても温厚な表情ですが、登山者の安全を守るため、厳しい側面も持っておられます。 35年経って五十嶋オーナーやさしい表情に。   最近は、私と同世代や年下の人の認知症の人の相談が増えてきました。 認知症は、高齢者だけでなく、もっと若い人にも襲ってきます。 認知症にはなりたくないと思っていても、いつしか忍び寄ってくる認知症。 ご本人や介護家族の思いを聴く中で 「やりたいこと、行きたいところに、やれるうちに行けるうちに行く」 だとしみじみと思います。 五十嶋オーナーは84歳でも、なお元気に厳しい環境下の山小屋で頑張っておられます。 最近は100歳の女性の方のスカイダイビングをする姿も見ました。 写真家?西本さんも91歳でもなおパソコンを駆使してユニークな写真を撮っています。 今年新装なった山頂の祠。きんぴかに光る薬師如来像が置かれています。   片や、谷村新司さん、もんたよしのりさんなど、親しんだ歌手が70代前半の「若さ」で、 そして私自身も後輩の死に接することが多くなりました。 人生はいつどうなるのかわかりません。 「やりたいこと、行きたいところに、やれるうちに行けるうちに行く」ですね。 まだまだこれから、学びたいことも一杯あります。 遠く、富山湾が見えます。   五十嶋オーナーの、「でっかい虹が出てるよ」との声に外へ出てみました。 その太郎平小屋から見た虹 架け橋ではなかったけど、でっかく太い虹でした。 心に雨が降ったとしても、 いや、雨が降ったからこそ 出逢えるかもしれない虹 心に雨が降っても、 そのあとには心潤う出逢いがあるかもしれませんね。 ヘレン・ケラーの言葉です
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2023.09.27

心の荷物預かり所
その方の世界に付きあっていくこと 認知症の人と関わる中で、 時々「え?なんのこと?」というような話が出てくるときがあります。 それはかつてのその方が体験した記憶の一部のことが多いでしょう。 その記憶は例えれば、パズルのパーツの一つとも言えます。 認知症がない時は整っていたパズルの絵も、 認知機能の低下に伴い、その記憶というパーツが一つ抜け、二つ抜けしていきます。 やがてその記憶のパーツはバラバラになり、 まともな絵ではなくなってしまうのです。 これだけ見たらなんだかわからない形 これは長野県なのです。   しかし、その記憶のパーツは、全く失われるわけではなく、 何かの拍子で、何かの記憶パーツがふと言葉として出てきます。 それがいつどこでどのようなものなのか、 私たちには見当もつかないのですが、 その方にとっては、人生の大切な記憶のかけらと言えるのです。 しかし、私たちがその記憶のかけらのことを理解せず、 私たちの世界で判断して誘導したりしようとすると、 その方の世界に寄り添わず、トラブルになってしまいます。 ふと出てきたその方の記憶のかけら そしてその世界 その方にとっては、大切な人生の記憶の一部なのです。 その世界に私たちは付きあってあげること。 つまり、その方の世界の話で、会話を弾ませること。 もう少し詳しく言えば、私たちもその世界の話を楽しむということです。 もしかしたら、本人の記憶も、事実の記憶ではなく、 妄想や夢想から作られた記憶かもしれません。 私たちも、多かれ少なかれ、妄想や夢想があるように。 出てくる話が事実かどうかは別にして、 その方の世界に付きあい、共感すること。 それはその方の人生を大切にするということなのです。 そして私たち専門職の「傾聴」や「共感」の姿勢の トレーニングにもつながることなのです。 認知症の人は、認知症のためにわからないことが多い人ではなく、 私たち専門職にとって、その専門性をアップしてくれる すてきなトレーナーなのです。
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2023.09.15

心の荷物預かり所
マスター(師匠)に出会える日々 最近、80歳代のマスター(師匠)に会ったり話したりすることが度々あります。 先日は、2,300メートルの場所にある山小屋の84歳のオーナーに会ってきました。 若い従業員たちからはマスターと呼ばれている山小屋のオヤジさんとは、 35年前にちょっとしたことでお世話になった方でもあります。 つまり35年ぶりの再会。 84才でありながら、5時間の北アルプスの険しい山道を登って、 今も山小屋を守っているのです。   この山小屋のマスターのことは、後日詳しくお話しするとして、 実は、町の師匠と呼ばれる方が、結構身近にはおられるのですね。 認知症があってもなくても、様々な道を極めてきた人たちから、 学ぶことはまだまだ多いのです。 ケア実践者は、町のマスターたちから学ぶという姿勢をもっと持たなければならないでしょう。 単なる利用者と思うと、学びはなくなります。 今年新装なった2,926mの山頂の祠。きんぴかに光る薬師如来像が置かれています。ふもとから険しい山道を8時間登って着きます。   マスター(師匠)に言えることは、歳を取ればとるほど謙虚にかつ大きく捉えること。 「実るほど、こうべを垂れる稲穂かな」ですね。
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2023.08.21

心の荷物預かり所
認知症の人の「感情伝染」とは(4)~しつらえについて~ 少し本流(人と人の感情の動き)からずれますが、 認知症であってもなくても、周辺の環境が大きな影響を与えます。 最大の環境要因は人であることは、以前のブログにも書きましたが、 「生活環境」という観点からいえば、「しつらえ」も、感情に多大に影響するということになります。   殺風景な部屋にいるのか、そうでない部屋にいるのか、 それだけで感情に与える影響が変わってきます。 つまり、生活環境が良いか悪いかも感情伝染するということです。 生活環境が悪ければ、そこで住まわれる人の感情も砂漠化するのです。   例えば、デイサービスに来られる方も、 センターに入った時にほっと安心できる空間か、或いは、そうでないかは、 ポイントを付けるとすると、大きな得失点に繋がります。 もちろん、人の関わり方(挨拶や言葉遣いやケアの仕方)が一番大きいのですが、 入った時の印象も大きな得失点に繋がります。   皆さんも、病院でも、スーパーでも、様々なお店でも、 入った時の第一印象は心に刻印付けられますよね? 誰だって、落ち着くところにいたいと思いますよね? そんな当たり前のことを、意外と施設では行われていないかもしれません。   環境(雰囲気)は、その事業所の評価に大きく影響するということです。 「なんか知らんけど、ええ感じの雰囲気やな~」と、感じる、 質感(クオリア)を感じるかどうか、 つまり「しつらえ」(心地よい生活環境を整えること)は、 事業所の評価を高めるためにも、利用者の感情にも大いに影響を与えるものなのです。
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2023.08.04

心の荷物預かり所
若年性認知症介護家族の方の講演 東大阪社協で、キャラバンメイト養成講座が開かれ 若年性認知症の介護家族の方のお話がありました。 淡々と認知症の初期から現在に至るまでを話されていましたが、 男性介護者ゆえの戸惑いも多くあったようです。 特に、ご本人の認知症状が進む中、 かなりの焦燥感に襲われ、人間不信にもなられたとのこと。 しかし、地域包括支援センターや、ケアマネジャー、デイサービス担当者の専門職の皆さんに助けられたこと。 そしてそれらの専門職の皆さんが、みんな温かい笑顔で迎えてくれたこと それが何よりでしたと語っておられました。 また、地域住民の方が、認知症の人を避けるのではなく、 認知症の妻に対しても、気さくに挨拶をしてくれるだけでも 十分に気持ちが助けられるとも話されていました。 ただ診断をしてくれた病院が、「地域包括支援センター」という相談に行ける場所を紹介してくれなかったので、 自分で色々と探すことになり、その分回り道をしてしまったとのこと。 まだまだ地域包括支援センターの存在が知れ渡っていないということでもあるのです。 今回お話をしていただいた介護者は、12月9日に開催される 一般市民向け講演会においてもお話ししていただける予定です。 この講演会についての詳細は決まり次第お知らせします。
ブログ投稿画像 毎月実施している家族会ですが、 今回は認知症の人を介護されている家族の方が中心の家族会を実施しました。 6名の方が参加されたのですが、 介護者の方の立場は、妻、夫、娘、嫁と、様々な立場の人がおられ、 さらに認知症の当事者の方も、 アルツハイマー型認知病、脳血管性認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症と、様々な症状の方でした。 単に認知症と言っても、このように様々な症状の認知症があり、 そして認知症状の出方も変わってきます。 また、介護者の立場の違いにより、その介護の状況も変わってきます。 このように単に介護者と言っても、立場の違いでの悩み、 さらに当事者の認知症の症状によっても違ってくるのです。 ところがこの立場の違いがあっても、 家族間の話では、その苦労を受け止め、励ますシーンが何度もありました。 状況が違ったとしても、介護での苦労は同じなのです。 また、初参加の方は、 「来てどうするのかと思ったけど、胸の内を話せてよかった」と言われていました。 介護者が倒れたら、一番影響を受けるのは当事者の方です。 そして介護されている方にもそれぞれの人生があり、 その自分の人生の時間を楽しめる時間があっても、当然いいのです。 本人のこともさることながら、介護者自身も心が落ち着けるために、 デイサービスやショートステイのサービスがあります。 そして今回のような「家族会」があって、心に抱えた荷物を下ろすとともに、 また前へ進んでいけるエネルギーをもらうこと。 そんな「セキュアベース」(心の安全基地)としての家族会であったと言えるでしょう。 [caption id="attachment_5277" align="alignnone" width="1256"] メリークリスマス! 良い年末をお過ごしください![/caption]   次回は1月27日を予定しています。
ブログ投稿画像 近い将来的に4人に1人が認知症になる可能性があると言われています。 認知症の進行を止めると言われているお薬が出たと言っても、 まだまだその効果は限定的なようです。 一方、長寿の方も増えてきています。 しかし、私の周辺では、私よりはるかに若い人の死が続いています。 先週の土曜日、研修先の職員から、 共に研修を行っていたN君が亡くなったと聞かされました。 昨年、同じく共に研修を行っていたM君が亡くなったばかりなのに。 二人ともまだ40歳代です。 N君は不器用だけど一生懸命な男でした。 施設での認知症の人の尊厳を維持するために、頑張っていた男でした。 M君に続き、また一人、戦友をなくしたような喪失感があります。 寿命を分けるものっていったい何だろうとも思います。 多くの因子が絡み合ってのことなのでしょうが、 実際のところ、いつどこで何があるのかわからないのが人生で それを自分事として「捉えたくない」のも私たちかもしれません。 それにしても、まだまだこれからという時に、あまりにも早い後輩の死 認知症ケアの改善に向けての、立て続く実践者の死は大いなる痛手です。 昨年は地域包括支援センターで共に働いていた同僚も亡くなり、 次から次へと後輩が去っていきます。 人生いつどこで何が起きるかわかりません。 自分がやりたいことは 後回しにしないこと だと思います。 もしかしたら、認知症の予防ばかり考えるより、 自分がやりたいことに力を注ぐこと。 そうすれば、例え認知症になったとしても、 その力を注いでいることが その後も前向きに生きていくことに繋がるかもしれません。
ブログ投稿画像 日本シリーズ、「阪神タイガース優勝おめでとうございます!」 前回の日本一が32年前ですから、知らない人も多いのではないでしょうか。 私は前回の優勝、見てましたよ。掛布、岡田、バース! 素晴らしかったですね。 それにしても32年って、凄い年月です。 さて、元阪急ブレーブスのファンだった私は、阪神タイガースのファンでもありました。 その昔、阪急対阪神の西宮市内日本シリーズを期待していたのですが、 当時は阪神が弱すぎて願いかなわずでした。 その阪急の流れをくむオリックスとの対戦は、両方とも好きなチームだけに どっちも応援、なのですが、選手一人一人のウォッチングが楽しかったです。 その中で一番強く印象に残ったのは、宇田川投手の涙でした。 ドラフトにもかからない育成選手から拾い上げられ、 でも彼はやさしすぎるというか、心が弱いのですね。 だからいい球を持っていても芽が出ない。 そこを人材育成頑張ってWBCにも出れるくらいの選手になったのですね。 それだけに打たれて、純粋すぎる心が崩れてしまったのでしょう。 彼を慰める選手たちの姿が印象的でした。 オリックスはこのように育成上がりの選手が多いのです。 選手を育てるのが上手なのでしょう。 一方、阪神はドラフト1位の選手がそのまま活躍しています。 ドラフト1位でも芽が出ない選手が多い中、 その才能をしっかりと引き出している球団とも言えます。 そういう意味で、選手一人一人のドラマが実に面白かったし、 人材育成としても見て楽しい二チームでした。 因みに初戦の山本投手と村上投手。 日本一の投手としての気負いが見て取れ、余裕がなかった山本由伸。 一方、無心に楽しく投げた村上投手の差が出ましたね。 逆に第6戦は、村上選手に無心に楽しむ思いが消え、 気負いが本来の投球を邪魔した感じです。 一方山本投手は、本来の実力を後半ほどしっかり出せたと言えるでしょう。 日本で見れるこれが最後の姿!を熱く見せてくれました。 隠れた才能を伸ばす、才能をさらに引っ張り出す、 本来の実力を出せるか出せないか、精神的なものが微妙に影響することなど試合を楽しむというより、 ひとり一人の選手を見ていく。 人材育成においても、人間観察力を磨くうえでも楽しい日本シリーズでした。 そして浪花節的かもしれませんが、これまで功労のあった湯浅、青柳、 そして中継ぎの功労者桐敷を出すところなど、 私の歳に近い岡田監督の采配の粋なところを感じました。 阪神タイガース優勝おめでとうございます! オリックスも素晴らしかった!
ブログ投稿画像 9月のことになりますが、北アルプス薬師岳に登ってきました。 その稜線上にある山小屋「太郎平小屋」までは、 登山口から5時間登って着くことができます。 テレビで小屋のオーナーの五十嶋さんがご健在ということを知って、 老体に鞭をうって登ってきました。 [caption id="attachment_5123" align="alignnone" width="2048"] 遠く稜線上に太郎平小屋の屋根が見えてきます[/caption]   今から35年前、当時私はガンガン山に登っていた時でしたが、 私の後輩が、山をなめた登山をして遭難、 太郎平小屋にえらい迷惑をかけたと聞き、それは謝りに行かなければならないと、 彼を連れて訪れた小屋だったのです。 その時に五十嶋オーナーと撮った写真を持参して登ったのです。 [caption id="attachment_5130" align="alignnone" width="2048"] 35年前の五十嶋オーナーと私。五十嶋さん、ちょっと恐そうな?山男です。[/caption]   五十嶋オーナーは今年84歳。 今もなお、5時間の山道を登り、小屋に常駐し、 若いスタッフたちに采配を振るっておられました。 その五十嶋氏と35年ぶりの対面でした。 「どや、男前やろ」と若いスタッフにその写真を見せて喜ぶ五十嶋氏。 めっちゃ喜んでくれました。 そしてあらためて、35年ぶりにまたツーショットで写真を撮らせていただきました。 とても温厚な表情ですが、登山者の安全を守るため、厳しい側面も持っておられます。 [caption id="attachment_5129" align="alignnone" width="1897"] 35年経って五十嶋オーナーやさしい表情に。[/caption]   最近は、私と同世代や年下の人の認知症の人の相談が増えてきました。 認知症は、高齢者だけでなく、もっと若い人にも襲ってきます。 認知症にはなりたくないと思っていても、いつしか忍び寄ってくる認知症。 ご本人や介護家族の思いを聴く中で 「やりたいこと、行きたいところに、やれるうちに行けるうちに行く」 だとしみじみと思います。 五十嶋オーナーは84歳でも、なお元気に厳しい環境下の山小屋で頑張っておられます。 最近は100歳の女性の方のスカイダイビングをする姿も見ました。 写真家?西本さんも91歳でもなおパソコンを駆使してユニークな写真を撮っています。 [caption id="attachment_5040" align="alignnone" width="2048"] 今年新装なった山頂の祠。きんぴかに光る薬師如来像が置かれています。[/caption]   片や、谷村新司さん、もんたよしのりさんなど、親しんだ歌手が70代前半の「若さ」で、 そして私自身も後輩の死に接することが多くなりました。 人生はいつどうなるのかわかりません。 「やりたいこと、行きたいところに、やれるうちに行けるうちに行く」ですね。 まだまだこれから、学びたいことも一杯あります。 [caption id="attachment_5128" align="alignnone" width="2048"] 遠く、富山湾が見えます。[/caption]   五十嶋オーナーの、「でっかい虹が出てるよ」との声に外へ出てみました。 その太郎平小屋から見た虹 架け橋ではなかったけど、でっかく太い虹でした。 心に雨が降ったとしても、 いや、雨が降ったからこそ 出逢えるかもしれない虹 心に雨が降っても、 そのあとには心潤う出逢いがあるかもしれませんね。 [caption id="attachment_5126" align="alignnone" width="730"] ヘレン・ケラーの言葉です[/caption]
ブログ投稿画像 認知症の人と関わる中で、 時々「え?なんのこと?」というような話が出てくるときがあります。 それはかつてのその方が体験した記憶の一部のことが多いでしょう。 その記憶は例えれば、パズルのパーツの一つとも言えます。 認知症がない時は整っていたパズルの絵も、 認知機能の低下に伴い、その記憶というパーツが一つ抜け、二つ抜けしていきます。 やがてその記憶のパーツはバラバラになり、 まともな絵ではなくなってしまうのです。 [caption id="attachment_5080" align="alignnone" width="471"] これだけ見たらなんだかわからない形 これは長野県なのです。[/caption]   しかし、その記憶のパーツは、全く失われるわけではなく、 何かの拍子で、何かの記憶パーツがふと言葉として出てきます。 それがいつどこでどのようなものなのか、 私たちには見当もつかないのですが、 その方にとっては、人生の大切な記憶のかけらと言えるのです。 しかし、私たちがその記憶のかけらのことを理解せず、 私たちの世界で判断して誘導したりしようとすると、 その方の世界に寄り添わず、トラブルになってしまいます。 ふと出てきたその方の記憶のかけら そしてその世界 その方にとっては、大切な人生の記憶の一部なのです。 その世界に私たちは付きあってあげること。 つまり、その方の世界の話で、会話を弾ませること。 もう少し詳しく言えば、私たちもその世界の話を楽しむということです。 もしかしたら、本人の記憶も、事実の記憶ではなく、 妄想や夢想から作られた記憶かもしれません。 私たちも、多かれ少なかれ、妄想や夢想があるように。 出てくる話が事実かどうかは別にして、 その方の世界に付きあい、共感すること。 それはその方の人生を大切にするということなのです。 そして私たち専門職の「傾聴」や「共感」の姿勢の トレーニングにもつながることなのです。 認知症の人は、認知症のためにわからないことが多い人ではなく、 私たち専門職にとって、その専門性をアップしてくれる すてきなトレーナーなのです。
ブログ投稿画像 最近、80歳代のマスター(師匠)に会ったり話したりすることが度々あります。 先日は、2,300メートルの場所にある山小屋の84歳のオーナーに会ってきました。 若い従業員たちからはマスターと呼ばれている山小屋のオヤジさんとは、 35年前にちょっとしたことでお世話になった方でもあります。 つまり35年ぶりの再会。 84才でありながら、5時間の北アルプスの険しい山道を登って、 今も山小屋を守っているのです。   この山小屋のマスターのことは、後日詳しくお話しするとして、 実は、町の師匠と呼ばれる方が、結構身近にはおられるのですね。 認知症があってもなくても、様々な道を極めてきた人たちから、 学ぶことはまだまだ多いのです。 ケア実践者は、町のマスターたちから学ぶという姿勢をもっと持たなければならないでしょう。 単なる利用者と思うと、学びはなくなります。 [caption id="attachment_5040" align="alignnone" width="2048"] 今年新装なった2,926mの山頂の祠。きんぴかに光る薬師如来像が置かれています。ふもとから険しい山道を8時間登って着きます。[/caption]   マスター(師匠)に言えることは、歳を取ればとるほど謙虚にかつ大きく捉えること。 「実るほど、こうべを垂れる稲穂かな」ですね。
ブログ投稿画像 少し本流(人と人の感情の動き)からずれますが、 認知症であってもなくても、周辺の環境が大きな影響を与えます。 最大の環境要因は人であることは、以前のブログにも書きましたが、 「生活環境」という観点からいえば、「しつらえ」も、感情に多大に影響するということになります。   殺風景な部屋にいるのか、そうでない部屋にいるのか、 それだけで感情に与える影響が変わってきます。 つまり、生活環境が良いか悪いかも感情伝染するということです。 生活環境が悪ければ、そこで住まわれる人の感情も砂漠化するのです。   例えば、デイサービスに来られる方も、 センターに入った時にほっと安心できる空間か、或いは、そうでないかは、 ポイントを付けるとすると、大きな得失点に繋がります。 もちろん、人の関わり方(挨拶や言葉遣いやケアの仕方)が一番大きいのですが、 入った時の印象も大きな得失点に繋がります。   皆さんも、病院でも、スーパーでも、様々なお店でも、 入った時の第一印象は心に刻印付けられますよね? 誰だって、落ち着くところにいたいと思いますよね? そんな当たり前のことを、意外と施設では行われていないかもしれません。   環境(雰囲気)は、その事業所の評価に大きく影響するということです。 「なんか知らんけど、ええ感じの雰囲気やな~」と、感じる、 質感(クオリア)を感じるかどうか、 つまり「しつらえ」(心地よい生活環境を整えること)は、 事業所の評価を高めるためにも、利用者の感情にも大いに影響を与えるものなのです。
ブログ投稿画像 東大阪社協で、キャラバンメイト養成講座が開かれ 若年性認知症の介護家族の方のお話がありました。 淡々と認知症の初期から現在に至るまでを話されていましたが、 男性介護者ゆえの戸惑いも多くあったようです。 特に、ご本人の認知症状が進む中、 かなりの焦燥感に襲われ、人間不信にもなられたとのこと。 しかし、地域包括支援センターや、ケアマネジャー、デイサービス担当者の専門職の皆さんに助けられたこと。 そしてそれらの専門職の皆さんが、みんな温かい笑顔で迎えてくれたこと それが何よりでしたと語っておられました。 また、地域住民の方が、認知症の人を避けるのではなく、 認知症の妻に対しても、気さくに挨拶をしてくれるだけでも 十分に気持ちが助けられるとも話されていました。 ただ診断をしてくれた病院が、「地域包括支援センター」という相談に行ける場所を紹介してくれなかったので、 自分で色々と探すことになり、その分回り道をしてしまったとのこと。 まだまだ地域包括支援センターの存在が知れ渡っていないということでもあるのです。 今回お話をしていただいた介護者は、12月9日に開催される 一般市民向け講演会においてもお話ししていただける予定です。 この講演会についての詳細は決まり次第お知らせします。