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「認知症の教室(専門職用)」で記事を検索しました。

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2022.06.17

認知症の教室(専門職用)
「なんでやねん!思考法」とは(前編) センター長の石川です。 ケアの現場では色々なアプローチが行われています。 理論的な難しいものや、一杯書き込むものもあります。 なかなか大変です。 そこで今回は、関西人の特性?を活かした「なんでやねん!思考法」について お話しする前編です。 そもそも「なんでやねん!」は、大阪人をはじめとした関西人には身についているものと言えます。 漫才の世界だけでなく、普段から私たちに身についている言葉でもあります。 身についているからこそ普段からよく思ったり、口にしたりします。 それを活用するのです。 ケアの現場では「気づき力」が問われますが、いざ真面目に考えると、気づき力と言われても…? ということになるでしょう。 しかし普段から心の中では「なんでやねん!」と思っていることが一杯あるはずなのです。 それは、え?と思うようなケアの内容かもしれませんし、 他の職員に対しても思うことかもしれません。 その「なんでやねん!」こそが気づき力なのです。 私もパソコン操作時に、例えばこのワード打刻時に、 パソコンが自分が思っているのと全然違う表示をしたら、 思わず「なんでやねん!」と毒ついていることが多々あります。 まぁ「なんでやねん!」と言いながらパソコンに向かって怒っているのですが、 「自分は間違ってない、パソコンがおかしい!」という意味でのなんでやねん!ですね。 しかしその99%は私の操作間違いと言えます。 「なんでやねん」は文句や疑問だけでなく、結局自分にも降りかかってくる言葉にもなります。 次回はこの「なんでやねん!」思考をどのように活かすかについて書いてみたいと思います。
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2022.06.10

認知症の教室(専門職用)
「なんでやねん」と思うことの大切さ これまで何度もこのブログで掲示してきた文章です。 多くの方の看取りをされてきた看護師さんの言葉です。 「私たちはあなたが、安らかに死を迎えられるだけでなく、 最後まで生きられるように最善を尽くします。」という言葉。 つまり、死を迎える看取りの看護介護だけではなく、死のその瞬間まで、その方の生活を支えていくこと。 ということですね。 看取り期であっても、その人の「生」を支えていくために最善を尽くすこと。なのです。 もうすぐ亡くなる方ではなく、最後まで生活者として、その方の意向や周辺環境を整えていくこと。 それがケア者としての務めでもあるでしょう。 とは言っても、忙しい毎日。「忙しい」と言うことは、なにかを亡くすこともあるでしょう。 特にコロナ禍において、ケアの現場は、ケアの現場だけの視点になります。 違った視点で見て感じる人(例えばご家族)の存在がなくなったからです。 だからこそ、私たち自身が「違った視点で見て感じること」 そして、「なんでやねん!」と思うことが、よりよいケアに生きてくるのです。 ではバタバタの業務の中、どうしたら「違った視点で見て感じること」ができるのでしょうか? それは「1分でいいので立ち止まり、視点を変えて考えてみること」です。 「え?どういう意味?」と思うかもしれません。 簡単です。 例えば「これって、入居者のAさんから見たらどう見えるんやろ?」 と、自分の視点以外で考えてみることです。 そうすると、Aさんから見えるケア職員は、なんでやねん!と思える存在かもしれません。 「自分がここで暮らすとしたら?」と、 1分でいいから立ち止まって考えてみることです。 「なんでやねん!」と思うことが見えてくるかもしれません。 「もし家族が来たならどう感じるやろ?」 など、ちょっとだけでいいので立ち止まって、別の視点で考えてみること。 このような「思考転換1分タイム」を自分の中に形作ること。 そうすると、「なんでやねん!」と思うことが一杯見えてくるかもしれません。 そうやって気づき力を少しずつ作っていかないと、100年たっても現場は変わらないでしょう。 「なんでやねん!」と思うことは、気づき力が養われるし、探求心にも繋がります。 決して批判の言葉ではなく、「変なところは修正していこう!」とか、 「探求心を働かせよう!」という意味なのです。 1分でいいので、「待てよ」と、違う視点で考えてみることです。 「なんでやねん」が見えてきたら、ケアが変わっていく第一歩です。
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2022.06.04

認知症の教室(専門職用)
六甲颪に送られて 大の阪神ファンの方が亡くなられ、 多くの利用者、スタッフが見守られる中、 タイガースファンだったのでという家族の希望もあり 六甲颪の唄に送られながら、施設を後にされました。 写真撮影は家族の許可を得て行っています   思えば、私はこれまで何人の阪神ファンの方を見送ってきたことか。 タイガースの帽子を棺に入れた方も、 車いすを押して一緒に甲子園へ見に行った人も、 ベッドサイトに阪神の選手が来てくれた人も、 みんな次の優勝を見ることなく逝ってしまわれました。 私自身は熱烈なタイガースファンというわけではありませんが、 やっぱり悔しいですね。 写真撮影は家族の許可を得て行っています。   しかし六甲颪は不思議な音楽です。 妙に元気を与えてくれる。 それはきっと悔しさがいっぱい詰まった歓喜の歌だからかもしれないですね。 https://www.youtube.com/watch?v=23Gh-OiO_i8 支え、そして見送ってくれた、多くのスタッフに感謝です。 デイの利用者の方々もいつも温かく見守ってくれてありがたいですね。   ただ忘れてはならないのは、以前も載せましたが下記の言葉です。 亡くなられる最後の瞬間まで、その方の生活を支えること。 何よりも大切なことなのです。
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2022.06.02

認知症の教室(専門職用)
認知症のことで知ってほしい5つのこと(3)「本人の視点で考える」 今回も若年性認知症と診断された、丹野智文さんと下坂厚さんが共同で作成された「認知症のことで知ってほしい5つのこと」から紹介したいと思います。 (3)良かれと思って先回りしないでほしい。普段と変わらないように接してほしい。 私たちは「できないことをサポートする」ことがどうしても前提となってしまい、 特に「認知症の人」には「わからないだろう」という思いから、 本人の意思を無視して「やってしまう」ことや、気を使いすぎての対応があるかもしれません。 もちろんご本人の認知症の進行具合によっては、「サポートする」ことは多くなるでしょう。 しかし、私たちの親切心は、あくまでも私たち側からの思いなのであって、 ご本人からすれば、自分の意思や自由、できることを奪ってしまうことにもなりかねません。 「認知症の人が、何ができて、何ができなくて、何をしてほしいと思っているのか、把握することが大切です。」 その通りですね。 特に、認知症があろうがなかろうが、ルーティンワークをこなすために、 本来なら自分でできることをケア側がやってしまったり、 歩けるのに車いすに乗せて移動するなんてことも多々あるでしょう。 これは身体の能力だけでなく、本人の意思をも奪ってしまうことになります。 「残存機能の維持」ではなく、ケア職員が「残存機能も奪う」ことにも繋がります。 これではケア職員の面目丸潰れになってしまいます。 それはわかってるけど、忙しいし、ゆっくり本人の意思や能力に付き合っている余裕はないというのが現状でしょう。 ケア職員の面目丸潰れではなく、ケア職員の面目躍起になるためにはどうしたらいいのか? 簡単なことです。 「本人視点」に立って、ケアを考え直せばいいのです。 「私たち視点」で考えている限り、いつまでたっても、少しも変わらないでしょう。
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2022.05.28

認知症の教室(専門職用)
認知症のことで知ってほしい5つのこと(2)「様々な状況の人がいます」 今回も若年性認知症と診断された、丹野智文さんと下坂厚さんが共同で作成された 「認知症のことで知ってほしい5つのこと」から紹介したいと思います。   (2)重度な人の情報ばかり流れるが、色んな人がいることや、重度だと思われてる人でも、色んな顔があることを知ってほしい。  最近は一方的に流されるニュースの中で、私たちが翻弄されることが多いですね。 そしてどうしてもその一方的なものを心に染み込ませてしまいます。  認知症の番組も多くなりました。確かに番組上、刺激的な内容になってしまうのかもしれません。 介護者の苦労も並大抵のものではないことも事実です。 しかし「認知症=めっちゃ大変」のニュースは、 「認知症の人はめっちゃ大変」という思い込みを私たちの心に植え付けていきます。 これは私を含めた専門職にも言えることです。 はなから「認知症の人」として見てしまい、そしてそれが過度になると「認知症の人扱い」になってしまうのです。  下坂厚さんのお話を聞いていると、「え?本当に認知症の人なの?」と思ってしまいます。 それは下坂さんの話を聞いた多くの人も同様でしょう。 何故かというと、私たちには「はなから認知症の人」という意識が働いているからです。 下坂さんは若年性認知症の診断を受けているだけで、下坂さんは下坂さんという個人です。 今回も若年性認知症の診断を受けたことによる心の内を語られただけで、 「なんだ、しっかりしゃべれるじゃないか、認知症と言っても大したことないじゃないか」という思いは間違いでしょう。  一言に「認知症」と言っても、一人ひとり状況はさまざまです。 私たちは安易に認知症が軽度とか中度とか重度とか言ってしまいますけど、 どのような状況であれ、人それぞれの個性があり、さらにその方の感情や感性は日々変化します。 認知症と診断されなくても私たちの感情は常日頃変化しているのに、 「認知症」と診断されただけで、その変化は「認知症だから」と言われてしまうのです。 「認知症と言っても、ご本人の数だけ家族の数だけ、環境の違いで、いろいろな現実があることを知ってほしい」と書かれていますが、 私たち(専門職)は「思い込み」ではなくて、 もっと謙虚に耳を傾け、視野を広げていかなければならないと思うのです。
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2022.05.26

認知症の教室(専門職用)
下坂厚さんのお話を聞いてきました。 センター長の石川です 少し前のことになりますが、5月17日に若年性認知症と診断された、京都の下坂厚さんのお話を聞きに行ってきました。 下坂さんは現在48歳。46歳の時に診断され、それまで勤めていた鮮魚店を退職し、 今は京都西院にあるデイサービスに勤めておられます。 「認知症」と聞くだけで私たちは身構えてしまいますが、ごく普通に会話を交わします。 下坂さんは写真撮影が大好きで、その点では私と趣味が合います。 私はテレビで紹介されていて下坂さんのことを知っていたのですが、 奥様を撮影された後ろ姿の写真がとても愛情深く好きですね。 下坂さんにその話をすると、正面から撮らせてくれなくてと笑っておられました。 社協のオレンジメンバー養成講座での講演です   この日は一人で頑張って京都から東大阪まで来られたようです。 担当スタッフはてっきり奥様と一緒と思われていたそうですが、 一緒は気を使ってしゃべれないので、かえっていやとのこと。 とはいうものの、診断の時は「認知症の人扱い」で大変だったけど、 今は一人の人としてごく普通に接してくれるそうです。 一人でカメラをぶら下げてふらっと散歩に出ることが好きなようですが、 気が付けば見知らぬ場所に来ていたこともあるそうです。 それはそれで、こんなところもあるのだと楽しむそうです。 なるほど、私などは場所を間違えたりしたら、自分自身に舌打ちして怒ったりします。 発想の転換、それはそれで楽しむ。見習わなければ。 下坂さんとは本当に穏やかにお話しできます。 また来てもらおうかな~ 厚労省が作成された映像に下坂さんが出ていますので、 こちらもご覧ください。 https://www.youtube.com/watch?v=vIr89prGZsg この後、このブログでは、下坂さんから戴いた 「認知症のことで知ってほしい5つのこと」について紹介していきたいと思います。
ブログ投稿画像 センター長の石川です。 ケアの現場では色々なアプローチが行われています。 理論的な難しいものや、一杯書き込むものもあります。 なかなか大変です。 そこで今回は、関西人の特性?を活かした「なんでやねん!思考法」について お話しする前編です。 そもそも「なんでやねん!」は、大阪人をはじめとした関西人には身についているものと言えます。 漫才の世界だけでなく、普段から私たちに身についている言葉でもあります。 身についているからこそ普段からよく思ったり、口にしたりします。 それを活用するのです。 ケアの現場では「気づき力」が問われますが、いざ真面目に考えると、気づき力と言われても…? ということになるでしょう。 しかし普段から心の中では「なんでやねん!」と思っていることが一杯あるはずなのです。 それは、え?と思うようなケアの内容かもしれませんし、 他の職員に対しても思うことかもしれません。 その「なんでやねん!」こそが気づき力なのです。 私もパソコン操作時に、例えばこのワード打刻時に、 パソコンが自分が思っているのと全然違う表示をしたら、 思わず「なんでやねん!」と毒ついていることが多々あります。 まぁ「なんでやねん!」と言いながらパソコンに向かって怒っているのですが、 「自分は間違ってない、パソコンがおかしい!」という意味でのなんでやねん!ですね。 しかしその99%は私の操作間違いと言えます。 「なんでやねん」は文句や疑問だけでなく、結局自分にも降りかかってくる言葉にもなります。 次回はこの「なんでやねん!」思考をどのように活かすかについて書いてみたいと思います。
ブログ投稿画像 これまで何度もこのブログで掲示してきた文章です。 多くの方の看取りをされてきた看護師さんの言葉です。 「私たちはあなたが、安らかに死を迎えられるだけでなく、 最後まで生きられるように最善を尽くします。」という言葉。 つまり、死を迎える看取りの看護介護だけではなく、死のその瞬間まで、その方の生活を支えていくこと。 ということですね。 看取り期であっても、その人の「生」を支えていくために最善を尽くすこと。なのです。 もうすぐ亡くなる方ではなく、最後まで生活者として、その方の意向や周辺環境を整えていくこと。 それがケア者としての務めでもあるでしょう。 とは言っても、忙しい毎日。「忙しい」と言うことは、なにかを亡くすこともあるでしょう。 特にコロナ禍において、ケアの現場は、ケアの現場だけの視点になります。 違った視点で見て感じる人(例えばご家族)の存在がなくなったからです。 だからこそ、私たち自身が「違った視点で見て感じること」 そして、「なんでやねん!」と思うことが、よりよいケアに生きてくるのです。 ではバタバタの業務の中、どうしたら「違った視点で見て感じること」ができるのでしょうか? それは「1分でいいので立ち止まり、視点を変えて考えてみること」です。 「え?どういう意味?」と思うかもしれません。 簡単です。 例えば「これって、入居者のAさんから見たらどう見えるんやろ?」 と、自分の視点以外で考えてみることです。 そうすると、Aさんから見えるケア職員は、なんでやねん!と思える存在かもしれません。 「自分がここで暮らすとしたら?」と、 1分でいいから立ち止まって考えてみることです。 「なんでやねん!」と思うことが見えてくるかもしれません。 「もし家族が来たならどう感じるやろ?」 など、ちょっとだけでいいので立ち止まって、別の視点で考えてみること。 このような「思考転換1分タイム」を自分の中に形作ること。 そうすると、「なんでやねん!」と思うことが一杯見えてくるかもしれません。 そうやって気づき力を少しずつ作っていかないと、100年たっても現場は変わらないでしょう。 「なんでやねん!」と思うことは、気づき力が養われるし、探求心にも繋がります。 決して批判の言葉ではなく、「変なところは修正していこう!」とか、 「探求心を働かせよう!」という意味なのです。 1分でいいので、「待てよ」と、違う視点で考えてみることです。 「なんでやねん」が見えてきたら、ケアが変わっていく第一歩です。
ブログ投稿画像 大の阪神ファンの方が亡くなられ、 多くの利用者、スタッフが見守られる中、 タイガースファンだったのでという家族の希望もあり 六甲颪の唄に送られながら、施設を後にされました。 [caption id="attachment_3801" align="alignnone" width="1024"] 写真撮影は家族の許可を得て行っています[/caption]   思えば、私はこれまで何人の阪神ファンの方を見送ってきたことか。 タイガースの帽子を棺に入れた方も、 車いすを押して一緒に甲子園へ見に行った人も、 ベッドサイトに阪神の選手が来てくれた人も、 みんな次の優勝を見ることなく逝ってしまわれました。 私自身は熱烈なタイガースファンというわけではありませんが、 やっぱり悔しいですね。 [caption id="attachment_3802" align="alignnone" width="1024"] 写真撮影は家族の許可を得て行っています。[/caption]   しかし六甲颪は不思議な音楽です。 妙に元気を与えてくれる。 それはきっと悔しさがいっぱい詰まった歓喜の歌だからかもしれないですね。 https://www.youtube.com/watch?v=23Gh-OiO_i8 支え、そして見送ってくれた、多くのスタッフに感謝です。 デイの利用者の方々もいつも温かく見守ってくれてありがたいですね。   ただ忘れてはならないのは、以前も載せましたが下記の言葉です。 亡くなられる最後の瞬間まで、その方の生活を支えること。 何よりも大切なことなのです。
ブログ投稿画像 今回も若年性認知症と診断された、丹野智文さんと下坂厚さんが共同で作成された「認知症のことで知ってほしい5つのこと」から紹介したいと思います。 (3)良かれと思って先回りしないでほしい。普段と変わらないように接してほしい。 私たちは「できないことをサポートする」ことがどうしても前提となってしまい、 特に「認知症の人」には「わからないだろう」という思いから、 本人の意思を無視して「やってしまう」ことや、気を使いすぎての対応があるかもしれません。 もちろんご本人の認知症の進行具合によっては、「サポートする」ことは多くなるでしょう。 しかし、私たちの親切心は、あくまでも私たち側からの思いなのであって、 ご本人からすれば、自分の意思や自由、できることを奪ってしまうことにもなりかねません。 「認知症の人が、何ができて、何ができなくて、何をしてほしいと思っているのか、把握することが大切です。」 その通りですね。 特に、認知症があろうがなかろうが、ルーティンワークをこなすために、 本来なら自分でできることをケア側がやってしまったり、 歩けるのに車いすに乗せて移動するなんてことも多々あるでしょう。 これは身体の能力だけでなく、本人の意思をも奪ってしまうことになります。 「残存機能の維持」ではなく、ケア職員が「残存機能も奪う」ことにも繋がります。 これではケア職員の面目丸潰れになってしまいます。 それはわかってるけど、忙しいし、ゆっくり本人の意思や能力に付き合っている余裕はないというのが現状でしょう。 ケア職員の面目丸潰れではなく、ケア職員の面目躍起になるためにはどうしたらいいのか? 簡単なことです。 「本人視点」に立って、ケアを考え直せばいいのです。 「私たち視点」で考えている限り、いつまでたっても、少しも変わらないでしょう。
ブログ投稿画像 今回も若年性認知症と診断された、丹野智文さんと下坂厚さんが共同で作成された 「認知症のことで知ってほしい5つのこと」から紹介したいと思います。   (2)重度な人の情報ばかり流れるが、色んな人がいることや、重度だと思われてる人でも、色んな顔があることを知ってほしい。  最近は一方的に流されるニュースの中で、私たちが翻弄されることが多いですね。 そしてどうしてもその一方的なものを心に染み込ませてしまいます。  認知症の番組も多くなりました。確かに番組上、刺激的な内容になってしまうのかもしれません。 介護者の苦労も並大抵のものではないことも事実です。 しかし「認知症=めっちゃ大変」のニュースは、 「認知症の人はめっちゃ大変」という思い込みを私たちの心に植え付けていきます。 これは私を含めた専門職にも言えることです。 はなから「認知症の人」として見てしまい、そしてそれが過度になると「認知症の人扱い」になってしまうのです。  下坂厚さんのお話を聞いていると、「え?本当に認知症の人なの?」と思ってしまいます。 それは下坂さんの話を聞いた多くの人も同様でしょう。 何故かというと、私たちには「はなから認知症の人」という意識が働いているからです。 下坂さんは若年性認知症の診断を受けているだけで、下坂さんは下坂さんという個人です。 今回も若年性認知症の診断を受けたことによる心の内を語られただけで、 「なんだ、しっかりしゃべれるじゃないか、認知症と言っても大したことないじゃないか」という思いは間違いでしょう。  一言に「認知症」と言っても、一人ひとり状況はさまざまです。 私たちは安易に認知症が軽度とか中度とか重度とか言ってしまいますけど、 どのような状況であれ、人それぞれの個性があり、さらにその方の感情や感性は日々変化します。 認知症と診断されなくても私たちの感情は常日頃変化しているのに、 「認知症」と診断されただけで、その変化は「認知症だから」と言われてしまうのです。 「認知症と言っても、ご本人の数だけ家族の数だけ、環境の違いで、いろいろな現実があることを知ってほしい」と書かれていますが、 私たち(専門職)は「思い込み」ではなくて、 もっと謙虚に耳を傾け、視野を広げていかなければならないと思うのです。
ブログ投稿画像 センター長の石川です 少し前のことになりますが、5月17日に若年性認知症と診断された、京都の下坂厚さんのお話を聞きに行ってきました。 下坂さんは現在48歳。46歳の時に診断され、それまで勤めていた鮮魚店を退職し、 今は京都西院にあるデイサービスに勤めておられます。 「認知症」と聞くだけで私たちは身構えてしまいますが、ごく普通に会話を交わします。 下坂さんは写真撮影が大好きで、その点では私と趣味が合います。 私はテレビで紹介されていて下坂さんのことを知っていたのですが、 奥様を撮影された後ろ姿の写真がとても愛情深く好きですね。 下坂さんにその話をすると、正面から撮らせてくれなくてと笑っておられました。 [caption id="attachment_3780" align="alignnone" width="1024"] 社協のオレンジメンバー養成講座での講演です[/caption]   この日は一人で頑張って京都から東大阪まで来られたようです。 担当スタッフはてっきり奥様と一緒と思われていたそうですが、 一緒は気を使ってしゃべれないので、かえっていやとのこと。 とはいうものの、診断の時は「認知症の人扱い」で大変だったけど、 今は一人の人としてごく普通に接してくれるそうです。 一人でカメラをぶら下げてふらっと散歩に出ることが好きなようですが、 気が付けば見知らぬ場所に来ていたこともあるそうです。 それはそれで、こんなところもあるのだと楽しむそうです。 なるほど、私などは場所を間違えたりしたら、自分自身に舌打ちして怒ったりします。 発想の転換、それはそれで楽しむ。見習わなければ。 下坂さんとは本当に穏やかにお話しできます。 また来てもらおうかな~ 厚労省が作成された映像に下坂さんが出ていますので、 こちらもご覧ください。 https://www.youtube.com/watch?v=vIr89prGZsg この後、このブログでは、下坂さんから戴いた 「認知症のことで知ってほしい5つのこと」について紹介していきたいと思います。