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これは研修でよく使うスライドです。
何を言いたいかというと、
人間は生命本能的に自己保全が働くので、
生きていくためには自分に関わる人たちが、
自分が心地よく生きられる人なのかどうかを
見極めていくということなのです。
ここでは感覚的なものと書いていますが、
それが感情と言えます。
自分にとって目の前の人が良い人なのか悪い人なのか
自己防衛上判断するのが、感情です。
いわゆる気分を害する、或いは気分が良くなるということです。
その感情が心に残り、人の見極めに繋がります。
ここで矛盾が生じます。
記憶することが厳しいはずなのに、何故嫌な人のことは記憶に残っているのか?
ただここで言えることは、「感情を害する」ことが生じた
具体的内容は覚えていないということです。
「怒鳴られた」「強引に引っ張られた」「睨まれた」など、
実際の具体的出来事は覚えてないことが多いのです。(余ほど衝撃的なものでない限り)
だけど感情を害された(自分にとってとても嫌なことが生じた)出来事がきっかけで、
不穏、混乱に繋がってしまうのです。
しかし、具体的に何をされたかは覚えていなくても、
「自分の感情を害した人」のことは覚えている。
何故なのでしょう?
もう少し探求してみたいと思います。
(つづく)
先日藤戸小学校にキッズサポーター講座に行った時の事です。
覚えられなくなる仕組みについて話をした後、ある児童からこんな発言がありました。
「認知症になったら嫌なこともすぐ忘れるからいいと思う。」
この言葉がかなり私には引っ掛かりました。
もちろんこのように思っている人は大人にもいます。
しかしながら、「嫌なことは認知症の人の気持ちにも残っている」事実が多々あるのです。
「嫌なことは記憶に残るんだよ。」という説明を子どもにするとしたならば、
それは「覚えられない」と話したことと矛盾してしまいます。
この素朴な子どもの発言にうまく答えられない
そう思うとその児童の言葉が、私の探求心へと繋がっていきました。
わかっているつもりでわかっていない
そんな自分がいるのも事実です。
私は研修でよく話しているのですが、「感情は生きている」ということ。
例えば、不快な思いをさせた職員を毛嫌いする方。
その職員が自分に不快なことをしたと覚えているのですよね。
反対に心地よい対応をしてくれた職員のことも覚えている。
ところが、覚えられないことが基本にあるのに、
何故感情的なことは覚えているのだろうか?
このことについて「感情的」な側面と「科学的」な側面と、両方から考えてみたいと思います。
(つづく)
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