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「認知症の教室(一般市民用)」で記事を検索しました。

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2023.05.23

認知症の教室(一般市民用)
介護家族の会(家族介護者教室)が開催されました 定例になっています介護家族の方が集まって話し合い、情報共有を行う 家族介護者教室5月が開催されました。 認知症の有無に関わらず、日頃介護で悩んでいる方、 或いはこれから介護をする不安を抱えている方など、7名の方が参加されました。 介護申請に至る経緯では、病院から勧められた方が多く、 地域包括支援センターの存在を知っていた方は少数でした。 ただ、病院への不満、不親切さや親身でない対応は、 今回の家族会だけでなく、他の家族会でも声を聞きました。 また地域包括支援センターの市民への浸透度がまだまだなのは、 この場の人に限ったことではないでしょう。 認知症状が出ている方の場合、介護サービスを受けることへの拒否により、 申請に3年もかかったという方もおられました。 認知症状が出てきた場合、本人の心の中では、認知症への不安を拒否したい気持ちが強く働き、 介護サービスの拒否に繋がることが多々あります。 ご家族にとってしんどい所なのです。 ただケア側もつかづ離れずの関係で、本人にケア側の存在を示しておけば、 本人の不安感が増した時、それとなく助けを求めてくるときがあります。 とは言っても、家族にとっては辛抱の日々となります。 病院から退院してくる家族をケアできるかどうかの不安を抱えている家族もおられました。 介護は、これまで当たり前のようにあった日常の景色と違った、 心身の負担を背負う生活が始まることなのです。 介護者だけが背負うのではなく、その背負う重さを少しでも軽減するため、 ケアの専門家に支えてもらうということが大切です。 そのために高い介護保険料を払っているのですから。 認知症の人の関りでは、火の不始末が出てきた母に、 何もかも危ないからと奪ってしまうのではなく、 野菜を切ってもらうなどの役割を持ってもらったというご家族の方がおられました。 何らかの役割を担ってもらう(それを失敗したとしても)、 その人の存在感を失わないようにするということも大切なことですね。 今回、色々と苦労されているご家族の話を聞けて良かったと、 異口同音の家族の感想をいただきました。 来月は「ほっこりなつどい」認知症の人を支える家族の会(6月17日)です。
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2023.05.15

認知症の教室(一般市民用)
日常が戻ってきましたね(ふれあいまつりにて) 当たり前のように毎年行われていたお祭り それが、「行わないこと」が当たり前になってしまったこの3年 コロナはなくなったわけではないですが、 コロナ禍前の日常が戻ってきたような感じです。 東大阪市ふれあい祭り 社会福祉法人由寿会は、以前のお祭りと同様、 パレード、ステージ、そして模擬店に参加しました。 私は模擬店ブースにいたのですが、 悪天候にもかかわらず、待ってました!のごとく、 多くの市民の方が訪れてくれました。 写真にあるように、曇り時々強めの雨 傘をさしているときもあれば、ささないときもある そんな天候にもかかわらず、人出はそこそこだったのではないでしょうか。 模擬店ブースには、アーバンチャイルドこども園の園児、親、卒園児などが 多く訪れ、職員と交流を深めていました。 若い人たちは、天候は気にしないようです。 さすがに高齢の方は出にくかったのか、総体的にも少なかったようです。 それでも私たちのブースを訪ねてきてくれた方も何人かおられ、 嬉しい限りです。 認知症の人にとってお祭りは、大きく分ければ二通りあると思います。 賑やかなその周囲の状況にいい刺激を受けて心が楽しくなる方 或いはその賑やかさが、不安を増長させてしまう方 どちらになるかは正直わからないです。 いつも不安を抱えている方なので、お祭りは無理と言うのは私たちの判断。 実際行ってみたら、心楽しくなるということもあるかもしれません。 ただ注意しなければならないのは、人が多いのではぐれて迷ってしまうことですね。 オレンジメンバーのボランティアとともに行動するというのも一案かもしれません。
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2023.05.10

認知症の教室(一般市民用)
認知症と音楽(7) 脳の疲労がもたらすもの 認知症による神経細胞のダメージは、日常生活の多大な支障をもたらします。 ある日突然、目の前にあるものが、 食べ物と認識できても、食べ方がわからなくなるのです。 その食べ方がわからなくなる恐怖は、想像を絶するものがあります。 このように、日常生活で普通にできていたことが、 まるで突然もぎ取られるようにできなくなっていくのです。 認知症の人はそのような恐怖と不安と闘いながら、 それでも生きていかなければならないため、 残された能力(神経細胞)をフルに使っているのです。 そのため脳疲労を起こしやすくなります。 私たちも脳が疲れると、怒りっぽくなったり、何もしたくなくなったりするように、 認知症の人はさらにそのような状況にさらされます。 或いは、寝起きの時など、私たちもボーっとする時があるように、 情報不足判断不足の認知症の人は、 不安が増長し、混乱した行動に繋がることがあります。 このように、必死に脳を働かせている状況なので、 さらにその上に、「これやって、あれやって」と言われたりすると 混乱に拍車をかけるでしょうし、 或いは逆に放置されることも不安な世界に埋没してしまうことになるでしょう。 前回にも書きましたが、認知症の人は自分から脳をリラックスさせるために動くことが出来ません。 正確には、食べる(異食を含む)、集める(様々なものを取り込む)、 歩く(私たちが徘徊と捉えているもの)、叫ぶ、怒鳴る(私たちが不穏行動と捉えているもの)などの行動は、 本人たちにとってストレス軽減のためのコーピング行動とも言えます。 つまり私たちからはBPSD(行動心理症状・以前は問題行動と呼んでいた)に見える行動で、 なんとか自分の中のストレスを軽減させようとしているのです。 私たちに置き換えて考えてみてください。 私たちは脳疲労を起こした時、それぞれの人なりにそのストレスを軽減させるための対応を行います。 好きな歌手の歌を唄ったり、趣味に没頭したり、美味しいものを食べたり、 買い物したり、旅行に行ったり、ゲームをしたり…  人それぞれに解消法を用意しています。 (それをもできなくなる人は、専門家の関りが必要になりますが) 逆に疲れているときに、あれやこれや言われたりすると、 私たちだって、イライラしたり、怒りやすくなったりします。 (何故か私たちのその行動にはBPSDとは言わない。 それなのに認知症の人の行動にはBPSDだ!と言って特別視するのは、 認知症の人への敬意のなさともいえるかも) フリーソフトいやすとやさんより   しかし、認知症の人は、自らストレス軽減のための行動をとることが出来ません。 本人ができるストレス軽減は、私たちから見たBPSD行動なのです。 ですから、周囲にいる者が、認知症の人の脳疲労を軽減させる方策を考えなければならないのです。 今回のテーマである音楽はその一つであり、脳はリラックスすることによって、 まだ活き活きと活動している残された脳の部分の活性化へとも繋がっていきます。 (つづく)  
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2023.05.05

認知症の教室(一般市民用)
GWですので、リラックスした話を 世間は連休真っ最中ですね。 ということでこのブログも今回は認知症のお話はお休みにして ちょっとしたよもやま話を。 ケアの世界だけでなく、様々な世界に触れること 仕事以外の時間は色々なことに関心を持つことが楽しくて仕方がない日々ですが、 今回はちょっとした大人の遠足をしてきました。 アサヒビール吹田工場の工場見学に行ってきました。 元々吹田で育った私にとっては、子どものころからこの工場の存在は知っていたのですが、 ここがアサヒビールの発祥の地だとは知りませんでした。 アサヒビールも、サントリーも、パナソニックも大阪発祥なのに、 みんな本社は東京に行ってしまいましたね。 さて、大人の遠足、工場見学 ちょっと童心に帰った気持ちで。 なかなか見応えのあるものでした。 しっかりと見学者のために立派な見学ルートが作られており、 楽しく見学できます。 この一つのタンクの容量は、毎日350ml缶を飲んだとして、4000年掛かる容量だそうです。 まぁ大酒呑みの人ならば、もう少し早くなるかもしれませんが、 飲み干す前に、体を壊すでしょう。 たまには頭の中を空っぽにして、童心に帰って工場見学を楽しんでみてはどうでしょうか ちょっと認知症の話をすると、 日頃の仕事のことやら何やらで、頭がいっっぱいの人ほど 脳疲労から認知症になる可能性が高くなります。 脳をリラックスさせる時間を持たせることが大切です。 今は何でもかんでもスマホで追いかけられますが、 デジタルデトックスする時間を持たないと 絶対脳疲労を起こしますよと、断言します。 で、ツアーのラストは試飲です。 ビール2杯はただで飲めます。 アルコールがだめな人はソフトドリンクがあります。 見学料は1000円ですが、ビールが2杯飲めて、 このグラスがお土産でもらえますので、 心地よくリラックスできる時間ではないでしょうか。 https://www.asahibeer.co.jp/brewery/suita/      
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2023.05.01

認知症の教室(一般市民用)
地域への啓発取組み 特殊詐欺に気を付けて! 英田南地区の方への集いの場で 河内警察より特殊詐欺に対しての注意喚起のお話がありました。 今年に入って4か月未満の間に、大阪府内だけで数億円の被害があったそうです。 フィリピンでルフィらが捕まったとはいえ、特殊詐欺の波は止まらず、 昨年をはるかに上回るペースで、被害が増加しているそうです。 大阪府警の「安まちアプリ」というアプリを私は入れているのですが、 特殊詐欺被害(未遂)の情報がひっきりなしに入ってきます。 最近は還付金詐欺が減り、キャッシュカード関連の詐欺が増えているそうです。 それでも「市役所の者ですが」と相変わらず電話が掛かってくるようです。 市役所からと名乗ってきたら、 「私から市役所へ電話をして確認してみます」と強く返事をすれば、 相手もあきらめるようです。 「警察から」というのも同様で、 「私から警察に確認します」と返事します。 とにかく相手の話をうのみにせず、「こちら側から確認するので」と返答しましょう。 刑事を装って訪問してきたものに対しても、 本物なのか確認するために電話で確認すると言って、決して家に入れないことです。 しかしながら、認知症の人や軽度認知障がい(MCI)の方などは特に狙われやすいというか、 詐欺グループもそういうところを特に狙ってきます。 必ず隣近所や自治会長さん、民生委員さんとの密な関係を作り、 相手が何と言おうと、 「私から民生委員さんに聞いてから」などという返事を心掛けておく必要があります。 何らかの介護サービスを受けている場合はケアマネジャーさんでも大丈夫ですし、 不安なときは地域包括支援センターにも相談してください。 東大阪社協では振り込め詐欺、悪質商法防止機能付き電話を貸出ししています。 これも活用してみてはいかがでしょうか。 詳しくは、東大阪市社会福祉協議会まで。 特殊詐欺のお話の後は風船でシンプル娯楽を楽しみました。 単に風船をつく回数を争うだけのことなのですが、皆さんめっちゃ楽しまれてました。 英田北地区でも風船バレーボールを行ったのですが、 何故か「風船」を見ると、皆さんエキサイティングされるようです(笑)
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2023.04.28

認知症の教室(一般市民用)
地域の要 小学校へのアプローチ センター長の石川です 地域の要と言えば、小学校かもしれません。 警察でも消防署でも行政事務所でもなく、小学校です。 児童はその地域を将来的に支えていく人たちであり、 また普段からその地域で活動しまくっているのも児童たちです。 当然保護者もその地域の方です。 何かと地域の行事や集会等も使われたりします。 災害時は避難場所にもなります。 地域の要となる小学校のような写真   私たちの認知症の人が安心して暮らせるまちづくりの 大切な起点になるのも小学校です。 このように、小学校は児童たちが学ぶ場所という役割だけでなく、 その児童たちや、そして建物そのものが地域の大事な要として存在します。 英田南小学校正門   今年度、英田北、南、両小学校の校長先生が代わられ、 ご挨拶に伺いました。 英田北小学校正門   本当に多忙な日々に関わらず、 両校の校長先生ともに、熱いお話が出来ました。 驚くことに、両校とも若い校長先生でした。 校長先生、お忙しいところ本当にありがとうございました。 色々お話しできたこと、とても嬉しかったですね。 また橋渡しをしていただいた自治会長様にも感謝です。 6月に行われる安心声掛け訓練の下見に回りました。   今や学校のスケジュールも過密、 先生も過酷な状況なのは承知していますので、 無理は言えませんが、 やはり地域と関わるなら、小学校ともつながる。 これからもその繋がりを、大切にしていきたいと思います。
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2023.04.22

認知症の教室(一般市民用)
認知症と音楽(6) 私たちが関わらなければ認知症の人は音楽を忘れてしまう 前回、「デフォルト・モード・ネットワーク」については次回と書きましたが、 またまたその前に追記しておきたいことを今回は書きます。 個別の記憶やエピソード記憶を引き出すことが厳しくなっても、 音楽は脳の各領域に及ぶ記憶なので引き出しやすく、 さらにその部位を活用して新たに記憶していくことも可能と前回書きました。 さらに音楽は後日説明する「デフォルト・モード・ネットワーク」とも関連が深く、 脳をリラックスさせ、そのことにより、 むしろ普段出てこないような記憶も出てくる可能性があるのです。 特に認知症の人は、認知機能が低下していくので、 生きていくために脳は残された脳力を必死になって使う緊張状態が続くことになります。 そのため、私たちから見れば、不穏、興奮、暴力、多動等の行動が出てしまいます。 しかしそれは、必死になって生きていこうとする姿でもあるのです。 心の緊張をほぐすために、私たちはよく好みの音楽を聴きます。 好きな音楽を聴いていると、身も心も安心したり楽しくなったりします。 お気に入りの人のコンサートに行くのは、身も心も楽しく、 時に快活な興奮をもたらします。 日頃抱えているストレスもどこえやらですね。 ところが、認知症の人の場合、 その好みの音楽を聴くという所作そのものを忘れてしまいます。 自らの力で、自分の好きな音楽が聴けなくなってしまうのです。 そのため、音楽そのものから(自分の好きな音楽から)遠ざかってしまい、 結果音楽そのものを忘れてしまいかねないのです。 つまり、私たちが関わらなければ認知症の人は音楽を忘れてしまうのです。 それは本人のみならずケアワークの手段としても損失になります。 その方がどのような音楽が好きだったのか、 それを確認し、できるならあまりほかの方の邪魔にならないように、 ゆったりと聴いてもらう時間があればよいでしょう。 そのためにはフロアの「しつらえ」も必要になるでしょう。 いずれにしても、認知症の人は周囲の関りがなければ、 音楽だけでなく、「忘れてしまう」ことが加速するのです。 (つづく)
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2023.04.20

認知症の教室(一般市民用)
認知症と音楽(5) 何故音楽が良いのか 前回の最後に脳をリラックスさせる働きに「デフォルト・モード・ネットワーク」という、 聞きなれない言葉を明示して終わりました。 その「デフォルト・モード・ネットワーク」の説明に繋がるものとして、 まずは脳と音楽について説明します。 なぜそのような話をするかというと、 「認知症の人の脳は、常に緊張状態にある」と言えるからです。 その緊張状態を緩和させるものとして音楽があるのです。 アーバンケア島之内の入り口は、様々な花が満開です   音楽と脳の働きについて、 前回紹介しました映画「レナードの朝」の原作者である医師のオリバー・サックス博士が以下のように述べています。 <脳における音楽> 「個別の記憶や、エピソード記憶は失われてしまっても、音楽は残っているのですね。 一般的に音楽の力というのは、多かれ少なかれ病気によって侵食されずに長いこと残っています。」 アーバンケア島之内のジャスミン 強烈なほどのいい匂いがします。   確かに、意思疎通が厳しくなっても、何かを口ずさんでいる方はおられますし、 私もこれまで何人もの認知症の人が、何らかの音楽は忘れていないことに接しています。 まるで星々のような花です   オリバー・サックス博士は次のようにも述べています。 「言語処理の機能は左の前頭葉と側頭葉に偏在しているわけですが、 音楽は、リズム、ピッチ、感情、音程など、さまざまな要素が絡んでいるので、 その処理には実にたくさんの脳の部位が関与しています。 音楽や数学に関する脳の領域は他の分野とは別にあるため、 一般的知能とは別に発展可能なのかもしれない。」 と、述べています。 これは博士だけでなく、脳科学的にも判明しているそうです。 つまり、音楽は認知症状がダメージを受けても、 導き出せるものだし、発展可能なものとも言えます。 現にあるドキュメンタリーでは、アルツハイマー病の方が、 新しい歌の歌詞を覚える(短期記憶がダメージを受けているというのに!)姿を見ました。 これがまさしく、発展可能な領域ということでしょう。 もっとも人それぞれのパーソナリティや認知症状の状況によっても 効果の有無はあると思いますが、少なくとも音楽は、 認知症の人にとってプラス効果をもたらす環境要因と言えるでしょう。 次回は「デフォルト・モード・ネットワーク」について説明します。 (つづく)  
ブログ投稿画像 定例になっています介護家族の方が集まって話し合い、情報共有を行う 家族介護者教室5月が開催されました。 認知症の有無に関わらず、日頃介護で悩んでいる方、 或いはこれから介護をする不安を抱えている方など、7名の方が参加されました。 介護申請に至る経緯では、病院から勧められた方が多く、 地域包括支援センターの存在を知っていた方は少数でした。 ただ、病院への不満、不親切さや親身でない対応は、 今回の家族会だけでなく、他の家族会でも声を聞きました。 また地域包括支援センターの市民への浸透度がまだまだなのは、 この場の人に限ったことではないでしょう。 認知症状が出ている方の場合、介護サービスを受けることへの拒否により、 申請に3年もかかったという方もおられました。 認知症状が出てきた場合、本人の心の中では、認知症への不安を拒否したい気持ちが強く働き、 介護サービスの拒否に繋がることが多々あります。 ご家族にとってしんどい所なのです。 ただケア側もつかづ離れずの関係で、本人にケア側の存在を示しておけば、 本人の不安感が増した時、それとなく助けを求めてくるときがあります。 とは言っても、家族にとっては辛抱の日々となります。 病院から退院してくる家族をケアできるかどうかの不安を抱えている家族もおられました。 介護は、これまで当たり前のようにあった日常の景色と違った、 心身の負担を背負う生活が始まることなのです。 介護者だけが背負うのではなく、その背負う重さを少しでも軽減するため、 ケアの専門家に支えてもらうということが大切です。 そのために高い介護保険料を払っているのですから。 認知症の人の関りでは、火の不始末が出てきた母に、 何もかも危ないからと奪ってしまうのではなく、 野菜を切ってもらうなどの役割を持ってもらったというご家族の方がおられました。 何らかの役割を担ってもらう(それを失敗したとしても)、 その人の存在感を失わないようにするということも大切なことですね。 今回、色々と苦労されているご家族の話を聞けて良かったと、 異口同音の家族の感想をいただきました。 来月は「ほっこりなつどい」認知症の人を支える家族の会(6月17日)です。
ブログ投稿画像 当たり前のように毎年行われていたお祭り それが、「行わないこと」が当たり前になってしまったこの3年 コロナはなくなったわけではないですが、 コロナ禍前の日常が戻ってきたような感じです。 東大阪市ふれあい祭り 社会福祉法人由寿会は、以前のお祭りと同様、 パレード、ステージ、そして模擬店に参加しました。 私は模擬店ブースにいたのですが、 悪天候にもかかわらず、待ってました!のごとく、 多くの市民の方が訪れてくれました。 写真にあるように、曇り時々強めの雨 傘をさしているときもあれば、ささないときもある そんな天候にもかかわらず、人出はそこそこだったのではないでしょうか。 模擬店ブースには、アーバンチャイルドこども園の園児、親、卒園児などが 多く訪れ、職員と交流を深めていました。 若い人たちは、天候は気にしないようです。 さすがに高齢の方は出にくかったのか、総体的にも少なかったようです。 それでも私たちのブースを訪ねてきてくれた方も何人かおられ、 嬉しい限りです。 認知症の人にとってお祭りは、大きく分ければ二通りあると思います。 賑やかなその周囲の状況にいい刺激を受けて心が楽しくなる方 或いはその賑やかさが、不安を増長させてしまう方 どちらになるかは正直わからないです。 いつも不安を抱えている方なので、お祭りは無理と言うのは私たちの判断。 実際行ってみたら、心楽しくなるということもあるかもしれません。 ただ注意しなければならないのは、人が多いのではぐれて迷ってしまうことですね。 オレンジメンバーのボランティアとともに行動するというのも一案かもしれません。
ブログ投稿画像 認知症による神経細胞のダメージは、日常生活の多大な支障をもたらします。 ある日突然、目の前にあるものが、 食べ物と認識できても、食べ方がわからなくなるのです。 その食べ方がわからなくなる恐怖は、想像を絶するものがあります。 このように、日常生活で普通にできていたことが、 まるで突然もぎ取られるようにできなくなっていくのです。 認知症の人はそのような恐怖と不安と闘いながら、 それでも生きていかなければならないため、 残された能力(神経細胞)をフルに使っているのです。 そのため脳疲労を起こしやすくなります。 私たちも脳が疲れると、怒りっぽくなったり、何もしたくなくなったりするように、 認知症の人はさらにそのような状況にさらされます。 或いは、寝起きの時など、私たちもボーっとする時があるように、 情報不足判断不足の認知症の人は、 不安が増長し、混乱した行動に繋がることがあります。 このように、必死に脳を働かせている状況なので、 さらにその上に、「これやって、あれやって」と言われたりすると 混乱に拍車をかけるでしょうし、 或いは逆に放置されることも不安な世界に埋没してしまうことになるでしょう。 前回にも書きましたが、認知症の人は自分から脳をリラックスさせるために動くことが出来ません。 正確には、食べる(異食を含む)、集める(様々なものを取り込む)、 歩く(私たちが徘徊と捉えているもの)、叫ぶ、怒鳴る(私たちが不穏行動と捉えているもの)などの行動は、 本人たちにとってストレス軽減のためのコーピング行動とも言えます。 つまり私たちからはBPSD(行動心理症状・以前は問題行動と呼んでいた)に見える行動で、 なんとか自分の中のストレスを軽減させようとしているのです。 私たちに置き換えて考えてみてください。 私たちは脳疲労を起こした時、それぞれの人なりにそのストレスを軽減させるための対応を行います。 好きな歌手の歌を唄ったり、趣味に没頭したり、美味しいものを食べたり、 買い物したり、旅行に行ったり、ゲームをしたり…  人それぞれに解消法を用意しています。 (それをもできなくなる人は、専門家の関りが必要になりますが) 逆に疲れているときに、あれやこれや言われたりすると、 私たちだって、イライラしたり、怒りやすくなったりします。 (何故か私たちのその行動にはBPSDとは言わない。 それなのに認知症の人の行動にはBPSDだ!と言って特別視するのは、 認知症の人への敬意のなさともいえるかも) [caption id="attachment_3636" align="alignnone" width="365"] フリーソフトいやすとやさんより[/caption]   しかし、認知症の人は、自らストレス軽減のための行動をとることが出来ません。 本人ができるストレス軽減は、私たちから見たBPSD行動なのです。 ですから、周囲にいる者が、認知症の人の脳疲労を軽減させる方策を考えなければならないのです。 今回のテーマである音楽はその一つであり、脳はリラックスすることによって、 まだ活き活きと活動している残された脳の部分の活性化へとも繋がっていきます。 (つづく)  
ブログ投稿画像 世間は連休真っ最中ですね。 ということでこのブログも今回は認知症のお話はお休みにして ちょっとしたよもやま話を。 ケアの世界だけでなく、様々な世界に触れること 仕事以外の時間は色々なことに関心を持つことが楽しくて仕方がない日々ですが、 今回はちょっとした大人の遠足をしてきました。 アサヒビール吹田工場の工場見学に行ってきました。 元々吹田で育った私にとっては、子どものころからこの工場の存在は知っていたのですが、 ここがアサヒビールの発祥の地だとは知りませんでした。 アサヒビールも、サントリーも、パナソニックも大阪発祥なのに、 みんな本社は東京に行ってしまいましたね。 さて、大人の遠足、工場見学 ちょっと童心に帰った気持ちで。 なかなか見応えのあるものでした。 しっかりと見学者のために立派な見学ルートが作られており、 楽しく見学できます。 この一つのタンクの容量は、毎日350ml缶を飲んだとして、4000年掛かる容量だそうです。 まぁ大酒呑みの人ならば、もう少し早くなるかもしれませんが、 飲み干す前に、体を壊すでしょう。 たまには頭の中を空っぽにして、童心に帰って工場見学を楽しんでみてはどうでしょうか ちょっと認知症の話をすると、 日頃の仕事のことやら何やらで、頭がいっっぱいの人ほど 脳疲労から認知症になる可能性が高くなります。 脳をリラックスさせる時間を持たせることが大切です。 今は何でもかんでもスマホで追いかけられますが、 デジタルデトックスする時間を持たないと 絶対脳疲労を起こしますよと、断言します。 で、ツアーのラストは試飲です。 ビール2杯はただで飲めます。 アルコールがだめな人はソフトドリンクがあります。 見学料は1000円ですが、ビールが2杯飲めて、 このグラスがお土産でもらえますので、 心地よくリラックスできる時間ではないでしょうか。 https://www.asahibeer.co.jp/brewery/suita/      
ブログ投稿画像 英田南地区の方への集いの場で 河内警察より特殊詐欺に対しての注意喚起のお話がありました。 今年に入って4か月未満の間に、大阪府内だけで数億円の被害があったそうです。 フィリピンでルフィらが捕まったとはいえ、特殊詐欺の波は止まらず、 昨年をはるかに上回るペースで、被害が増加しているそうです。 大阪府警の「安まちアプリ」というアプリを私は入れているのですが、 特殊詐欺被害(未遂)の情報がひっきりなしに入ってきます。 最近は還付金詐欺が減り、キャッシュカード関連の詐欺が増えているそうです。 それでも「市役所の者ですが」と相変わらず電話が掛かってくるようです。 市役所からと名乗ってきたら、 「私から市役所へ電話をして確認してみます」と強く返事をすれば、 相手もあきらめるようです。 「警察から」というのも同様で、 「私から警察に確認します」と返事します。 とにかく相手の話をうのみにせず、「こちら側から確認するので」と返答しましょう。 刑事を装って訪問してきたものに対しても、 本物なのか確認するために電話で確認すると言って、決して家に入れないことです。 しかしながら、認知症の人や軽度認知障がい(MCI)の方などは特に狙われやすいというか、 詐欺グループもそういうところを特に狙ってきます。 必ず隣近所や自治会長さん、民生委員さんとの密な関係を作り、 相手が何と言おうと、 「私から民生委員さんに聞いてから」などという返事を心掛けておく必要があります。 何らかの介護サービスを受けている場合はケアマネジャーさんでも大丈夫ですし、 不安なときは地域包括支援センターにも相談してください。 東大阪社協では振り込め詐欺、悪質商法防止機能付き電話を貸出ししています。 これも活用してみてはいかがでしょうか。 詳しくは、東大阪市社会福祉協議会まで。 特殊詐欺のお話の後は風船でシンプル娯楽を楽しみました。 単に風船をつく回数を争うだけのことなのですが、皆さんめっちゃ楽しまれてました。 英田北地区でも風船バレーボールを行ったのですが、 何故か「風船」を見ると、皆さんエキサイティングされるようです(笑)
ブログ投稿画像 センター長の石川です 地域の要と言えば、小学校かもしれません。 警察でも消防署でも行政事務所でもなく、小学校です。 児童はその地域を将来的に支えていく人たちであり、 また普段からその地域で活動しまくっているのも児童たちです。 当然保護者もその地域の方です。 何かと地域の行事や集会等も使われたりします。 災害時は避難場所にもなります。 [caption id="attachment_4638" align="alignnone" width="2048"] 地域の要となる小学校のような写真[/caption]   私たちの認知症の人が安心して暮らせるまちづくりの 大切な起点になるのも小学校です。 このように、小学校は児童たちが学ぶ場所という役割だけでなく、 その児童たちや、そして建物そのものが地域の大事な要として存在します。 [caption id="attachment_4642" align="alignnone" width="259"] 英田南小学校正門[/caption]   今年度、英田北、南、両小学校の校長先生が代わられ、 ご挨拶に伺いました。 [caption id="attachment_4643" align="alignnone" width="259"] 英田北小学校正門[/caption]   本当に多忙な日々に関わらず、 両校の校長先生ともに、熱いお話が出来ました。 驚くことに、両校とも若い校長先生でした。 校長先生、お忙しいところ本当にありがとうございました。 色々お話しできたこと、とても嬉しかったですね。 また橋渡しをしていただいた自治会長様にも感謝です。 [caption id="attachment_4634" align="alignnone" width="1847"] 6月に行われる安心声掛け訓練の下見に回りました。[/caption]   今や学校のスケジュールも過密、 先生も過酷な状況なのは承知していますので、 無理は言えませんが、 やはり地域と関わるなら、小学校ともつながる。 これからもその繋がりを、大切にしていきたいと思います。
ブログ投稿画像 前回、「デフォルト・モード・ネットワーク」については次回と書きましたが、 またまたその前に追記しておきたいことを今回は書きます。 個別の記憶やエピソード記憶を引き出すことが厳しくなっても、 音楽は脳の各領域に及ぶ記憶なので引き出しやすく、 さらにその部位を活用して新たに記憶していくことも可能と前回書きました。 さらに音楽は後日説明する「デフォルト・モード・ネットワーク」とも関連が深く、 脳をリラックスさせ、そのことにより、 むしろ普段出てこないような記憶も出てくる可能性があるのです。 特に認知症の人は、認知機能が低下していくので、 生きていくために脳は残された脳力を必死になって使う緊張状態が続くことになります。 そのため、私たちから見れば、不穏、興奮、暴力、多動等の行動が出てしまいます。 しかしそれは、必死になって生きていこうとする姿でもあるのです。 心の緊張をほぐすために、私たちはよく好みの音楽を聴きます。 好きな音楽を聴いていると、身も心も安心したり楽しくなったりします。 お気に入りの人のコンサートに行くのは、身も心も楽しく、 時に快活な興奮をもたらします。 日頃抱えているストレスもどこえやらですね。 ところが、認知症の人の場合、 その好みの音楽を聴くという所作そのものを忘れてしまいます。 自らの力で、自分の好きな音楽が聴けなくなってしまうのです。 そのため、音楽そのものから(自分の好きな音楽から)遠ざかってしまい、 結果音楽そのものを忘れてしまいかねないのです。 つまり、私たちが関わらなければ認知症の人は音楽を忘れてしまうのです。 それは本人のみならずケアワークの手段としても損失になります。 その方がどのような音楽が好きだったのか、 それを確認し、できるならあまりほかの方の邪魔にならないように、 ゆったりと聴いてもらう時間があればよいでしょう。 そのためにはフロアの「しつらえ」も必要になるでしょう。 いずれにしても、認知症の人は周囲の関りがなければ、 音楽だけでなく、「忘れてしまう」ことが加速するのです。 (つづく)
ブログ投稿画像 前回の最後に脳をリラックスさせる働きに「デフォルト・モード・ネットワーク」という、 聞きなれない言葉を明示して終わりました。 その「デフォルト・モード・ネットワーク」の説明に繋がるものとして、 まずは脳と音楽について説明します。 なぜそのような話をするかというと、 「認知症の人の脳は、常に緊張状態にある」と言えるからです。 その緊張状態を緩和させるものとして音楽があるのです。 [caption id="attachment_4613" align="alignnone" width="1600"] アーバンケア島之内の入り口は、様々な花が満開です[/caption]   音楽と脳の働きについて、 前回紹介しました映画「レナードの朝」の原作者である医師のオリバー・サックス博士が以下のように述べています。 <脳における音楽> 「個別の記憶や、エピソード記憶は失われてしまっても、音楽は残っているのですね。 一般的に音楽の力というのは、多かれ少なかれ病気によって侵食されずに長いこと残っています。」 [caption id="attachment_4612" align="alignnone" width="1600"] アーバンケア島之内のジャスミン 強烈なほどのいい匂いがします。[/caption]   確かに、意思疎通が厳しくなっても、何かを口ずさんでいる方はおられますし、 私もこれまで何人もの認知症の人が、何らかの音楽は忘れていないことに接しています。 [caption id="attachment_4611" align="alignnone" width="1600"] まるで星々のような花です[/caption]   オリバー・サックス博士は次のようにも述べています。 「言語処理の機能は左の前頭葉と側頭葉に偏在しているわけですが、 音楽は、リズム、ピッチ、感情、音程など、さまざまな要素が絡んでいるので、 その処理には実にたくさんの脳の部位が関与しています。 音楽や数学に関する脳の領域は他の分野とは別にあるため、 一般的知能とは別に発展可能なのかもしれない。」 と、述べています。 これは博士だけでなく、脳科学的にも判明しているそうです。 つまり、音楽は認知症状がダメージを受けても、 導き出せるものだし、発展可能なものとも言えます。 現にあるドキュメンタリーでは、アルツハイマー病の方が、 新しい歌の歌詞を覚える(短期記憶がダメージを受けているというのに!)姿を見ました。 これがまさしく、発展可能な領域ということでしょう。 もっとも人それぞれのパーソナリティや認知症状の状況によっても 効果の有無はあると思いますが、少なくとも音楽は、 認知症の人にとってプラス効果をもたらす環境要因と言えるでしょう。 次回は「デフォルト・モード・ネットワーク」について説明します。 (つづく)