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2024.01.11

被災地での認知症の人

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認知症の教室(一般市民用)

認知症の教室(専門職用)

酷寒の能登半島での避難所での生活
認知症の人はどのような状況なのでしょうか。

例えば、皆さんの身近なデイサービスなどのサービスを受けている認知症の人を思い浮かべてみてください。
その方が突然、家を失い、一気に生活状況が変わり、避難所生活を送るとなるとどうなるでしょうか?

通常の生活でのデイサービスにおいても落ち着かない人が、
生活環境が変わった避難所で生活するとなると、
本人にとっては非常にストレスフルの状況になります。

そして避難所では一般の方と同じになるので、そこでも様々な問題が生じてくるでしょう。
実質、避難所での生活には無理があり、専門職がいる高齢者施設への移動が急務となるでしょう。

認知症ケア学会の資料を参照してください。↓

https://ninchisyoucare.com/pdf/%E7%81%BD%E5%AE%B3%E6%94%AF%E6%8F%B40908-2.pdf

 

私も神戸の震災の折、救援活動に入った時、幾つもの避難所から、
認知症の人が大変なので、介護福祉士を派遣してほしいという声を聞きました。

何故、高齢者施設への移動ではなく、専門職に来てほしいという要望だったのか?
それは、高齢者施設も被害を受け、大変な状況であろうということが、被災者にもわかっていたからです。

実際、現地の介護施設は大変な状況でしょう。先もどうなるのか見えない状況です。
そこに認知症の人が来られるのはかなり厳しい状況となります。

現地の介護施設より、周辺地域の介護施設が支援体制を整えなければならないでしょう。

神戸の震災時、大阪府では府社協を中心に、
被災施設に応援に行く介護、看護グループと、避難所での高齢者支援を行うグループ、
さらに被災高齢者を受け入れる施設グループという三段体制で、被災地救援体制を取りました。
被災施設に赴く介護、看護職はまさしくその施設に寝泊まりして頑張ってくれていました。
私は避難所対応グループだったのですが、
厚労省の高官からは、「大阪は神戸に人を派遣できるくらい職員に余裕があるのですね。」と揶揄され、
被災高齢者を受け入れた大阪の施設には、「大阪は老人を奪っていく」ということを言われたこともあったようです。

大阪だって余裕があるわけでもありません。
それでも悲惨な状況にある隣人を見て見ぬわけにはいかないのです。
多くの被災地域の官公庁職員は運ばれてくる死体の横で、寝る時間も惜しんで働いていました。
それだけに、厚労省高官の言葉には悔し涙した記憶があります。

今回はどのような体制が取られているのかはまだ不明な点もありますが、
数々の災害の教訓から学んだことが活かされればと思います。