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2018.11.13

認知症の教室(一般市民用)
一般の方への講座シリーズ 1.「認知機能」について センター長の石川です。 週1回程度の割合で、認知症について載せていきたいと思っています。 今回は一般の方への内容になりますが、専門職の方でも初心者の方には読んでいただきたいと思います。中央法規出版「認知症のケアマネジメント」で、長谷川洋先生が書かれた部分を引用しながら説明します。   「認知機能」について 認知機能っていったい何でしょうか? あまり聞きなれない言葉ですが、実は私たちが日常生活を送るにおいて、とても大切な機能なのです。 例えば、AさんがBさんの話を聞いているとします。 AさんはそのBさんの話を瞬間的に解釈します。同時に部屋の温度を感じたり、明るさ暗さを感じたり、おなかが減ったななどという自分の身体的なことも瞬間に判断します。様々な生活上の動きの全てに認知機能が働いているのです。 つまり認知機能とは物事を判断する力なのです。日々の活動は、認知機能が保たれていることで成り立っているといえます。 ところがこの大切な認知機能の低下をもたらすのが認知症なのです。 (つづく)   *中央法規出版「認知症のケアマネジメント」長谷川洋・石川進 P2より
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2018.11.08

心の荷物預かり所
長い旅の途上 喫茶ライオンにて センター長の石川です。 今日は東京へ行けばここへ行きたくなる場所での話です。 今日のカテゴリー分類は「心の荷物預かり所」 ちょっとだけ私の旅にお付き合いください。   渋谷の歓楽街を通った奥にクラシック喫茶ライオンがあります。 東京へ行った時のお気に入りの場所ナンバー2のところです。 喫茶ライオンの紹介は後日にまたすることにして、 今日はここで音楽を聴きながら読んでいた本の話 フォーレの「レクイエム」が流れていました。 読んでいた本は20年前に亡くなった写真家星野道夫氏の「長い旅の途上」 アラスカの人々の暗くつらい過去が語られていた章のところでした。 アラスカの先住民族であるイヌイット(エスキモー)たちは、アラスカがアメリカ合衆国になることによって、アメリカ人により徹底的にアメリカ人としての文化を叩き込まれ、先住民族としての文化はことごとく踏みにじられたのです。 ベトナム戦争では黒人同様、異種民族として、あえて激戦地に派遣され、多大なる戦死者を出したこと。そして生きて帰った者も戦死者以上の自殺者を出すなど 虐げられ続けた民族の歴史が語られていました。 そんな暗い過去を引きずりながらも素朴に生きるイヌイットの人たちの姿を、星野は愛情と哀切をこめて書いています。 多くの人が知らない先住民族の哀しい歴史です。 喫茶ライオン まるまる昭和の雰囲気の中にタイムスリップしたような場所で読んだ、ひとつの章 じーんと、静かに深く、そして切なく 心にしみこんでいったのでした。 その章のラストに、この本の題名が含まれた一節がありました。 「きっと、人はいつも、それぞれの光を捜し求める長い旅の途上なのだ」   光を捜し求める… 認知症の人も、そうかもしれませんね。
ブログ投稿画像 センター長の石川です。 週1回程度の割合で、認知症について載せていきたいと思っています。 今回は一般の方への内容になりますが、専門職の方でも初心者の方には読んでいただきたいと思います。中央法規出版「認知症のケアマネジメント」で、長谷川洋先生が書かれた部分を引用しながら説明します。   「認知機能」について 認知機能っていったい何でしょうか? あまり聞きなれない言葉ですが、実は私たちが日常生活を送るにおいて、とても大切な機能なのです。 例えば、AさんがBさんの話を聞いているとします。 AさんはそのBさんの話を瞬間的に解釈します。同時に部屋の温度を感じたり、明るさ暗さを感じたり、おなかが減ったななどという自分の身体的なことも瞬間に判断します。様々な生活上の動きの全てに認知機能が働いているのです。 つまり認知機能とは物事を判断する力なのです。日々の活動は、認知機能が保たれていることで成り立っているといえます。 ところがこの大切な認知機能の低下をもたらすのが認知症なのです。 (つづく)   *中央法規出版「認知症のケアマネジメント」長谷川洋・石川進 P2より
ブログ投稿画像 センター長の石川です。 今日は東京へ行けばここへ行きたくなる場所での話です。 今日のカテゴリー分類は「心の荷物預かり所」 ちょっとだけ私の旅にお付き合いください。   渋谷の歓楽街を通った奥にクラシック喫茶ライオンがあります。 東京へ行った時のお気に入りの場所ナンバー2のところです。 喫茶ライオンの紹介は後日にまたすることにして、 今日はここで音楽を聴きながら読んでいた本の話 フォーレの「レクイエム」が流れていました。 読んでいた本は20年前に亡くなった写真家星野道夫氏の「長い旅の途上」 アラスカの人々の暗くつらい過去が語られていた章のところでした。 アラスカの先住民族であるイヌイット(エスキモー)たちは、アラスカがアメリカ合衆国になることによって、アメリカ人により徹底的にアメリカ人としての文化を叩き込まれ、先住民族としての文化はことごとく踏みにじられたのです。 ベトナム戦争では黒人同様、異種民族として、あえて激戦地に派遣され、多大なる戦死者を出したこと。そして生きて帰った者も戦死者以上の自殺者を出すなど 虐げられ続けた民族の歴史が語られていました。 そんな暗い過去を引きずりながらも素朴に生きるイヌイットの人たちの姿を、星野は愛情と哀切をこめて書いています。 多くの人が知らない先住民族の哀しい歴史です。 喫茶ライオン まるまる昭和の雰囲気の中にタイムスリップしたような場所で読んだ、ひとつの章 じーんと、静かに深く、そして切なく 心にしみこんでいったのでした。 その章のラストに、この本の題名が含まれた一節がありました。 「きっと、人はいつも、それぞれの光を捜し求める長い旅の途上なのだ」   光を捜し求める… 認知症の人も、そうかもしれませんね。