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2019.01.17

トピックス
認知症ケアネットワーク推進委員会1月の活動です センター長の石川です。 15日、毎月定例で実施されている英田地区認知症ケアネットワーク推進委員会が開催されました。 今回で44回目の委員会になります。 今回のメインテーマは2月と3月に実施される「ティータイム勉強会」の詳細決定でした。 「ティータイム勉強会」では、継続的に「健康寿命を延ばそう」をシリーズ化して行っていましたが、委員の皆様よりそれぞれに熱いご意見をいただく中で、やはり皆さん気になることとして、糖尿病についてもう一度取り上げてみてはどうかということになりました。 「ティータイム勉強会」の詳細については次回のブログで取り上げますが、 今回は、英田地区認知症ケアネットワーク推進委員のメンバー構成について簡単に説明します。 委員会は英田中学校区(英田北小学校区・英田南小学校区)での認知症の人や見守りが必要な人などを地域で支えるネットワークの網の目を細かくしていこうと、「自分力とお助け力で広くつながるまちづくり」目指して社会福祉法人由寿会が設置しました。 既に44回の委員会が開かれ、その間に多彩な取り組みがなされてきました。これまでの取り組みについては追々紹介しますが、今回話しあわれた「ティータイム勉強会」も、この委員会と由寿会が主催して行うものになっています。 委員構成は、河内医師会より2名の先生、東大阪市東歯科医師会、河内薬剤師会からの先生、東大阪市地域包括ケア課、東大阪市学校教育推進室、社会福祉協議会などの公的機関。そして英田北、南それぞれの地域を代表して2名ずつ、連合会長、校区福祉委員長が出席されています。さらに担当区域の地域包括支援センター、アーバンケア島之内も参加している多方面の方が参加している委員会となっています。
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2019.01.10

認知症の教室(専門職用)
認知症の教室・専門職向け3「私たち以上に困っているのは…」 認知症の教室⑨ 前回は認知症が、認知機能が低下している状況であるとわかっていても、目の前で起こっている私たちが困ってしまう認知症の人の行動に、私たちが翻弄されていると書きました。 日々ケアの現場は認知症の人への関りでは、あたふたして「大変!」という状況と言えます。それは在宅においても入所においても同じでしょう。 また、一言に認知症と言っても、一人ひとりみな違う状況の中でケアを実践していかなければなりません。認知症の人の行動はケア実践者にとって頭の痛い行動なのです。 みんなの介護より しかしここで忘れてはならないのは、私たちも困っているかもしれないけれど、認知症の人は私たち以上に困っている状況におられるということなのです。 様々なことが不確かになっていく中で、私たちのように動けず判断できず戸惑いと不安の中にいる認知症の人は、私たち以上に大変な状況で生活しているということを理解してください。   順次、認知症ケアにおける基本となる「パーソン・センタード・ケア」について説明しますが、その前に医学面からの視点を今一度押さえながら、現場の状況と併せ持ってお話ししていきたいと考えています。 (つづく)
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2019.01.05

認知症の教室(一般市民用)
一般の方・専門職初心者向け「もの忘れについて」④ ~周辺環境~ 認知症の教室8 年末年始を挟み、少し時間が空いてしまいました。 少し前回を振り返ってみると、 自らを認知症であるとカミングアウトした長谷川和夫先生の言葉として、「確かなことがなくなっていくような感覚」と認知症の症状について述べられています。 もの忘れが、確かなことを失わせ、不安感に繋がっていること、そしてその不安感をありのままに恐怖感として受け止めていく人と、自分自身をその恐怖心から護るために、不安感そのものを否定する人とに分かれていくようなところがあるのではないでしょうかという所まで説明しました。 ここで押さえておかなければならないのは、上記どちらの人の場合も、周辺環境が多大に影響するということです。 つまりもの忘れから生じてくる不安は、周囲のあらゆる環境(人や生活環境など本人を取り巻く全て)に影響され、その後の行動へと繋がっていくということなのです。 (詳しくは、「認知症のケアマネジメント」P72「中核症状とBPSD」長谷川洋先生記述分を参照されたい) 当然一人ひとり周辺環境は違いますし、本人のパーソナリティも違うので、BPSDの出現の仕方やその度合いも違ってきます。 では、周囲のあらゆる環境に影響されるとはどういうことなのでしょうか? ムンク「星月夜」casaより 人間は自分の意思で行動しますが、その行動の元になっているのが環境なのです。 例えば、今は寒さ厳しい冬ですが、皆さんが今、寒風吹く物陰にいて、見えているところに日の当たるあたたかい場所があったとしたら、心身とも冷え込む今の場所よりも、暖かい場所に行こうと判断して行動に移すでしょう。このように私たちの行動には、環境が大いに影響していると言えるのです。 人の場合も、あまりなじみでない人の中にいるよりは、なじみのある人の中に行きたいと判断して行動するのも同じことです。 ところが、行動したくても行動できなくて、ずっと寒風吹く物陰にいるとしたら、或いは嫌な人がいる中にずっといるとしたら、皆さんはどう思うでしょうか? ムンク「太陽」公式HPより 日差しのある暖かいところにいると、心も体も安穏としますが、ぶるぶる震えるような寒い場所ならば、きっと心も体も激しくいら立つでしょう。 BPSD(ケア側からすると認知症の人の行動にケア側が困った現象を意味し、認知症の人からすれば困惑混とんとした状況)は、このようにその人を取り巻くあらゆる環境によって出現状況が左右されるのです。   センター長 石川進 (つづく)
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2018.12.28

認知症の教室(専門職用)
専門職向け講座2「話が伝わらない」 認知症の教室⑦ センター長の石川です。 専門職向け認知症の教室、第2回目です。 認知症の人と関わる中で、ケア実践者が大変だと思うことに、「話が伝わらない」或いは「何を言ってるのかわからない」ということがあると思います。 つまり、コミュニケーションが成立しないということなのです。 それでなくても多くの仕事をこなしていかなければならない現場の人間にとって、例えばトイレに誘導するにも、お風呂に行くにも、食事に行くにも、コミュニケーションができる人の何倍もの時間を認知症の人には使わなければならないのです。 ケア側の意思が伝わらず、また認知症の人も自分の状況がわからず、危険な行動(歩行不安定なのに立ってしまうなど)を取られ、ケア側が冷や汗をかくということも多々あるでしょう。 では、なぜコミュニケーションができないのか、それは「相手が認知症だから」、イコール「理解できない人だから」ということになるでしょう。 ケア実践者の誰もが知ってることです。「認知症で理解できない人だから」と。 それでは理解できないとはどういうことなのでしょうか? 当たり前の話ですが、理解する機能がダメージを受けてしまっている状態と言えます。 理解する機能というのは「認知機能」のことになります。 つまり、本人の意思とは関係なく、様々なことを認知する機能が正常に働かなくなるということです。 この認知機能へのダメージが、ケア実践者も、認知症の人本人も、混乱の渦の中に巻き込んでしまう要因となるのです。 この当たり前の事実を、意外と私たちは忘れがちになってしまうのです。 それにはそれなりの理由があります。 何故ならば、目の前で起こっている様々な私たちが困ってしまう認知症の人の行動に、その見えている事実に、私たちが翻弄されてしまうからなのです。 (つづく)  
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2018.12.22

認知症の教室(専門職用)
認知症の教室⑥ 専門職向け講座(1)「認知症の人はケア実践者にとって…」 センター長の石川です。 ケア実践者にとって、今や認知症の人とのかかわりは必要不可欠なものになっています。 さらにケア実践者にとって難易度が高いケアが認知症の人との関りということになります。 認知症の人の行動、特にBPSDに振り回されたり、コミュニケーションが取れなくて、認知症の人の思いがわからないし、ケア側が伝えたいことが理解してもらえないもどかしさを持っている人も多いでしょう。 つまりケア実践者(ケアマネジャー、ヘルパー、介護職等々)にとって、自らの表情に表すあらわさないは別として、「認知症の人はイライラする存在(ストレスのたまる存在)」として認識されているのでしょう。 もちろんその感覚はケア実践者によって大小はあるでしょうが、多かれ少なかれ認知症の人はケア実践者にとって「困った存在」と言えるかもしれません。 その「困った」も認知症の人その人を示すのか、認知症の人の行動のひとつを示すのか差異はあるでしょう。 この専門職向けブログでは、ケア実践者の混乱やしんどさを、当然生じる気持ちとして受け止めつつ、 同時に認知症の人を理解し、どのようなケア実践が適切なのかを、 時間をかけて解説していきたいと考えています。   (つづく)
ブログ投稿画像 センター長の石川です。 15日、毎月定例で実施されている英田地区認知症ケアネットワーク推進委員会が開催されました。 今回で44回目の委員会になります。 今回のメインテーマは2月と3月に実施される「ティータイム勉強会」の詳細決定でした。 「ティータイム勉強会」では、継続的に「健康寿命を延ばそう」をシリーズ化して行っていましたが、委員の皆様よりそれぞれに熱いご意見をいただく中で、やはり皆さん気になることとして、糖尿病についてもう一度取り上げてみてはどうかということになりました。 「ティータイム勉強会」の詳細については次回のブログで取り上げますが、 今回は、英田地区認知症ケアネットワーク推進委員のメンバー構成について簡単に説明します。 委員会は英田中学校区(英田北小学校区・英田南小学校区)での認知症の人や見守りが必要な人などを地域で支えるネットワークの網の目を細かくしていこうと、「自分力とお助け力で広くつながるまちづくり」目指して社会福祉法人由寿会が設置しました。 既に44回の委員会が開かれ、その間に多彩な取り組みがなされてきました。これまでの取り組みについては追々紹介しますが、今回話しあわれた「ティータイム勉強会」も、この委員会と由寿会が主催して行うものになっています。 委員構成は、河内医師会より2名の先生、東大阪市東歯科医師会、河内薬剤師会からの先生、東大阪市地域包括ケア課、東大阪市学校教育推進室、社会福祉協議会などの公的機関。そして英田北、南それぞれの地域を代表して2名ずつ、連合会長、校区福祉委員長が出席されています。さらに担当区域の地域包括支援センター、アーバンケア島之内も参加している多方面の方が参加している委員会となっています。
ブログ投稿画像 認知症の教室⑨ 前回は認知症が、認知機能が低下している状況であるとわかっていても、目の前で起こっている私たちが困ってしまう認知症の人の行動に、私たちが翻弄されていると書きました。 日々ケアの現場は認知症の人への関りでは、あたふたして「大変!」という状況と言えます。それは在宅においても入所においても同じでしょう。 また、一言に認知症と言っても、一人ひとりみな違う状況の中でケアを実践していかなければなりません。認知症の人の行動はケア実践者にとって頭の痛い行動なのです。 [caption id="attachment_305" align="aligncenter" width="600"] みんなの介護より[/caption] しかしここで忘れてはならないのは、私たちも困っているかもしれないけれど、認知症の人は私たち以上に困っている状況におられるということなのです。 様々なことが不確かになっていく中で、私たちのように動けず判断できず戸惑いと不安の中にいる認知症の人は、私たち以上に大変な状況で生活しているということを理解してください。   順次、認知症ケアにおける基本となる「パーソン・センタード・ケア」について説明しますが、その前に医学面からの視点を今一度押さえながら、現場の状況と併せ持ってお話ししていきたいと考えています。 (つづく)
ブログ投稿画像 認知症の教室8 年末年始を挟み、少し時間が空いてしまいました。 少し前回を振り返ってみると、 自らを認知症であるとカミングアウトした長谷川和夫先生の言葉として、「確かなことがなくなっていくような感覚」と認知症の症状について述べられています。 もの忘れが、確かなことを失わせ、不安感に繋がっていること、そしてその不安感をありのままに恐怖感として受け止めていく人と、自分自身をその恐怖心から護るために、不安感そのものを否定する人とに分かれていくようなところがあるのではないでしょうかという所まで説明しました。 ここで押さえておかなければならないのは、上記どちらの人の場合も、周辺環境が多大に影響するということです。 つまりもの忘れから生じてくる不安は、周囲のあらゆる環境(人や生活環境など本人を取り巻く全て)に影響され、その後の行動へと繋がっていくということなのです。 (詳しくは、「認知症のケアマネジメント」P72「中核症状とBPSD」長谷川洋先生記述分を参照されたい) 当然一人ひとり周辺環境は違いますし、本人のパーソナリティも違うので、BPSDの出現の仕方やその度合いも違ってきます。 では、周囲のあらゆる環境に影響されるとはどういうことなのでしょうか? [caption id="attachment_285" align="alignleft" width="206"] ムンク「星月夜」casaより[/caption] 人間は自分の意思で行動しますが、その行動の元になっているのが環境なのです。 例えば、今は寒さ厳しい冬ですが、皆さんが今、寒風吹く物陰にいて、見えているところに日の当たるあたたかい場所があったとしたら、心身とも冷え込む今の場所よりも、暖かい場所に行こうと判断して行動に移すでしょう。このように私たちの行動には、環境が大いに影響していると言えるのです。 人の場合も、あまりなじみでない人の中にいるよりは、なじみのある人の中に行きたいと判断して行動するのも同じことです。 ところが、行動したくても行動できなくて、ずっと寒風吹く物陰にいるとしたら、或いは嫌な人がいる中にずっといるとしたら、皆さんはどう思うでしょうか? [caption id="attachment_154" align="aligncenter" width="387"] ムンク「太陽」公式HPより[/caption] 日差しのある暖かいところにいると、心も体も安穏としますが、ぶるぶる震えるような寒い場所ならば、きっと心も体も激しくいら立つでしょう。 BPSD(ケア側からすると認知症の人の行動にケア側が困った現象を意味し、認知症の人からすれば困惑混とんとした状況)は、このようにその人を取り巻くあらゆる環境によって出現状況が左右されるのです。   センター長 石川進 (つづく)
ブログ投稿画像 認知症の教室⑦ センター長の石川です。 専門職向け認知症の教室、第2回目です。 認知症の人と関わる中で、ケア実践者が大変だと思うことに、「話が伝わらない」或いは「何を言ってるのかわからない」ということがあると思います。 つまり、コミュニケーションが成立しないということなのです。 それでなくても多くの仕事をこなしていかなければならない現場の人間にとって、例えばトイレに誘導するにも、お風呂に行くにも、食事に行くにも、コミュニケーションができる人の何倍もの時間を認知症の人には使わなければならないのです。 ケア側の意思が伝わらず、また認知症の人も自分の状況がわからず、危険な行動(歩行不安定なのに立ってしまうなど)を取られ、ケア側が冷や汗をかくということも多々あるでしょう。 では、なぜコミュニケーションができないのか、それは「相手が認知症だから」、イコール「理解できない人だから」ということになるでしょう。 ケア実践者の誰もが知ってることです。「認知症で理解できない人だから」と。 それでは理解できないとはどういうことなのでしょうか? 当たり前の話ですが、理解する機能がダメージを受けてしまっている状態と言えます。 理解する機能というのは「認知機能」のことになります。 つまり、本人の意思とは関係なく、様々なことを認知する機能が正常に働かなくなるということです。 この認知機能へのダメージが、ケア実践者も、認知症の人本人も、混乱の渦の中に巻き込んでしまう要因となるのです。 この当たり前の事実を、意外と私たちは忘れがちになってしまうのです。 それにはそれなりの理由があります。 何故ならば、目の前で起こっている様々な私たちが困ってしまう認知症の人の行動に、その見えている事実に、私たちが翻弄されてしまうからなのです。 (つづく)  
ブログ投稿画像 センター長の石川です。 ケア実践者にとって、今や認知症の人とのかかわりは必要不可欠なものになっています。 さらにケア実践者にとって難易度が高いケアが認知症の人との関りということになります。 認知症の人の行動、特にBPSDに振り回されたり、コミュニケーションが取れなくて、認知症の人の思いがわからないし、ケア側が伝えたいことが理解してもらえないもどかしさを持っている人も多いでしょう。 つまりケア実践者(ケアマネジャー、ヘルパー、介護職等々)にとって、自らの表情に表すあらわさないは別として、「認知症の人はイライラする存在(ストレスのたまる存在)」として認識されているのでしょう。 もちろんその感覚はケア実践者によって大小はあるでしょうが、多かれ少なかれ認知症の人はケア実践者にとって「困った存在」と言えるかもしれません。 その「困った」も認知症の人その人を示すのか、認知症の人の行動のひとつを示すのか差異はあるでしょう。 この専門職向けブログでは、ケア実践者の混乱やしんどさを、当然生じる気持ちとして受け止めつつ、 同時に認知症の人を理解し、どのようなケア実践が適切なのかを、 時間をかけて解説していきたいと考えています。   (つづく)