ninchisho-yui-logo
menu

メニュー

clear ninchisho-yui-logo

「トピックス」で記事を検索しました。

ブログ投稿画像

2022.01.22

トピックス
記憶と感情(6)認知症の人に影響を与える最大要因とは 前回、「良い感情であれ、悪い感情であれ、感情のシステムが働いて、これは重要だぞ!という強い感情のシグナルが海馬に届くと、その出来事は、他の何でもない日の出来事よりも強く定着する」(恩蔵絢子氏「脳科学者の母が、認知症になる」P172)と書きました。 ケアの現場で言うと、アスタッフとの会話では、日常的な話はあまり記憶に残らないけど、 ケアスタッフに恐怖や不安を感じた出来事や、生活上安心できる関わりをされると記憶に刻まれやすいというようにも書きました。 これはどういうことかというと、 認知症の人の行動は、 「その方が認知症状を発し、理解力が落ちたために起きている」というより、 正確には「その認知症状に多分に影響を与える周辺環境が、認知症の人の行動に影響を与えてる」ということなのです。 動物園のライオンの生活の良し悪しも、関わる人次第です。   では周辺環境とは何か? 簡単に言えば、居心地よい環境を作っている全てです。 しかし何らかのケアを必要とする認知症の人にとって、 最大の環境要因は「人」つまり、ケアに関わる者なのです。 私たちこそが、認知症の人の感情を大きく左右する存在なのです。 (つづく) オミクロンがますます脅威になる中、どうしても笑顔を忘れがちになりますね。 でも「笑い」は、免疫機能を高めます。 何も考えずに、おもろいことに笑いましょう。 今回は、クマとウルフの掛け合い漫才はこれです。 👇 https://www.youtube.com/watch?v=MOsWH3PpUmo
ブログ投稿画像

2022.01.21

トピックス
記憶と感情(5)感情のメカニズム 前回、記憶の殿堂である「海馬」とは別に、感情の殿堂である「扁桃体」が別に存在すること、 そしてその「扁桃体」つまり、感情の方が「海馬」より先に立つ存在なのだということを述べました。 今回も、恩蔵絢子氏の「脳科学者の母が、認知症になる」(河出書房)をベースに説明します。 元々は瞬時に伝達判断する脳の働きを、今回は超スローモーションでの解説になります。 人間は基本的に自己防衛反応というか、自らの生命を守るという本能があります。 何か嫌な出来事、怖い出来事が怒ったら、 そのことに対して注意を払わなければならないという警戒情報として捉えます。 反対に生命が安心できる事柄に対しても、重要情報として判断されます。 そしてその情報を海馬に送り、記憶して、次に対処できるようにするのです。 つまり、「良い感情であれ、悪い感情であれ、感情のシステムが働いて、これは重要だぞ!という強い感情のシグナルが海馬に届くと、その出来事は、他の何でもない日の出来事よりも強く定着する」(恩蔵絢子氏「脳科学者の母が、認知症になる」P172)のです。 つまり、「ある出来事が起こったら、感情のシステムがいち早く反応し、感情を手掛かりに私たちは物事を分析して理解しようとする。」(P173)ということなのです。  海馬で記憶する前に、扁桃体で感情を精査しているということなのですね。 へたくそな図ですが作ってみました。こんな流れになるでしょうか。   ですから、例えばケアスタッフとの会話では、日常的な話はあまり記憶に残らないけど、 ケアスタッフに恐怖や不安を感じた出来事や、 生活上安心できる関わりをされると記憶に刻まれやすいと言えます。 在宅の介護家族もついイライラして、本人に強く当たってしまうことがあります。 そしてそのことが印象付けられ、介護家族に対して倍返ししたりします。 その家族は一番頼りたい人だと感じているのですが、攻撃されたと思うと、反撃してしまうのです。 (つづく)  
ブログ投稿画像

2022.01.18

トピックス
1月17日 忘れない センター長の石川です。 1月17日 ある人が会社に休みを欲しいと願い出たところ、 何かあるのかと問われ、神戸に行きますと言うと、 神戸に何の用があるねんと返答されたそうです。 その方は兄弟を震災で亡くされていたそうです。 「風化」まさしく「人々の記憶から忘れ去られていく」のだと思います。 「温度差」もあるのかもしれません。 私自身、救援活動からの帰り、神戸の街は真っ暗なのに、 大阪に戻った途端普通の状況に、涙が止まらなくなりました。 語りつくせぬ多々のことがありました。 摂津本山駅前 周辺のビルは全て一階が潰れ、傾いていました。時計は震災時刻で停まっています。   神戸を訪れてみると 震災の面影はほとんど残っていません。 確かに前へ進んでいかなければならないし、 思い出したくないことも多々あると思います。 でも忘れてはならないし、 忘れられないのです。 合掌   気象庁も想定していなかった津波、そして火山の大爆発はトンガ一国の危機を招き、 やがて空高く舞い上がった噴煙は、冷夏、冷害をもたらすと言われています。 さらにコロナ禍と、世の中何が起きるかわかりません。 だからこそ、人々は繋がっていかなければならない。 それが問われていると言えるでしょう。
ブログ投稿画像

2022.01.15

トピックス
記憶と感情(4)脳科学の視点から このテーマ、しばらく時間が空きました。 認知症になると、記憶を引っ張り出したり、取り込んだりすることが難しくなっていきます。 しかし、不快なこと、楽しかったことなどの感情で得たものは、案外と記憶されているのです。 とても不快な対応をされた職員の顔はよく覚えていたり、 自分がとても楽しかったレクレーションのことは記憶していたりします。 これはどういうことなのでしょうか。 記憶中枢に繋がる神経細胞がダメージを受けているというのに! それには科学的に迫る必要もあります。 分かりやすいのが、恩蔵絢子氏の「脳科学者の母が、認知症になる」(河出書房)です。 著作の関係があるので、文章を丸ごと写して載せるということは出来ませんが、 「脳の中には言語的なエピソードとして記憶を定着させる「海馬」のすぐ隣に 「扁桃体」と呼ばれる感情の中枢が位置している」(P172) と言うことなのです。 つまり「記憶」の殿堂である「海馬」とは別に、 感情の殿堂である「扁桃体」が存在するということなのです。 さらに「扁桃体」つまり、感情の方が「海馬」より先に立つ存在なのだそうです。 詳しくは次回に。   さて、オミクロン株が爆発的に罹患者を増やしています。 どこの介護施設もスタッフ維持に向けて戦々恐々となっています。 皆様もくれぐれも、「換気」「不織布マスク」(ウレタンはしてないのと同じくらいだそうです)「消毒」「人に会わない」ですね。   気分が落ち込んだ人は、何も考えずにこの映像を見て、笑ってください。(ちょっと長いですが) https://www.youtube.com/watch?v=Dn-N2QgsrVU
ブログ投稿画像

2022.01.06

トピックス
メタバースでの認知症ケア 今年はメタバースMetaverse(仮想現実空間)が一気に広がりそうですね。 今は認知症研修やそれ以外の研修でも、ほとんどがオンラインによる研修となっています。 しかし、ブレイクアウトルームを活用したとしても、グループワークはやはり対面の方がいいですね。 その点メタバースだと、例えば「認知症研修所」という場所を設定し、 そこに受講者のアバターが集合、そのアバター同士でグループワークも可能なわけで、 まるで実際の対面グループワークのようなものも可能となります。 認知症理解のための資料も立体化され、平面資料を見ている今より理解できやすいかもしれません。 今はパソコンに話しかける日が続きます。   そうなのです。 数年後には研修も「メタバース」で行われるかもなのです。 そして会議もメタバース上で密になってもできるということなのです。 今はこのようなこともできなくなりました。しかしメタバースではこのようなことも可能です。   しかし、メタバースで認知症の人への理解は本当に可能なのでしょうか? それは使いようかもしれません。 実際のケアはメタバースの中ではできないのです。 しかし認知症の人の視点に立って考えるという点では、メタバースで体験することは可能かもしれません。 要はメタバースをうまく活用して、現実のケアに役立てるということでしょうか。 しかしながら、多くの人がメタバースを活用しだしたらどうなるか?   まず身体機能は著しく低下するでしょう。身体機能の低下は認知機能の低下にも繋がります。 任天堂からは「リングフィットアドベンチャー」と言う、ゲームをしながら運動するものもありますが、 実際に動き回るのとは大きな差異があります。 大自然は地球からの最高の贈り物でしょう。   やはり外の空気を吸って、実際の景色を眺めて歩く。これに勝るものはありません。
ブログ投稿画像 前回、「良い感情であれ、悪い感情であれ、感情のシステムが働いて、これは重要だぞ!という強い感情のシグナルが海馬に届くと、その出来事は、他の何でもない日の出来事よりも強く定着する」(恩蔵絢子氏「脳科学者の母が、認知症になる」P172)と書きました。 ケアの現場で言うと、アスタッフとの会話では、日常的な話はあまり記憶に残らないけど、 ケアスタッフに恐怖や不安を感じた出来事や、生活上安心できる関わりをされると記憶に刻まれやすいというようにも書きました。 これはどういうことかというと、 認知症の人の行動は、 「その方が認知症状を発し、理解力が落ちたために起きている」というより、 正確には「その認知症状に多分に影響を与える周辺環境が、認知症の人の行動に影響を与えてる」ということなのです。 [caption id="attachment_3369" align="alignnone" width="1024"] 動物園のライオンの生活の良し悪しも、関わる人次第です。[/caption]   では周辺環境とは何か? 簡単に言えば、居心地よい環境を作っている全てです。 しかし何らかのケアを必要とする認知症の人にとって、 最大の環境要因は「人」つまり、ケアに関わる者なのです。 私たちこそが、認知症の人の感情を大きく左右する存在なのです。 (つづく) オミクロンがますます脅威になる中、どうしても笑顔を忘れがちになりますね。 でも「笑い」は、免疫機能を高めます。 何も考えずに、おもろいことに笑いましょう。 今回は、クマとウルフの掛け合い漫才はこれです。 👇 https://www.youtube.com/watch?v=MOsWH3PpUmo
ブログ投稿画像 前回、記憶の殿堂である「海馬」とは別に、感情の殿堂である「扁桃体」が別に存在すること、 そしてその「扁桃体」つまり、感情の方が「海馬」より先に立つ存在なのだということを述べました。 今回も、恩蔵絢子氏の「脳科学者の母が、認知症になる」(河出書房)をベースに説明します。 元々は瞬時に伝達判断する脳の働きを、今回は超スローモーションでの解説になります。 人間は基本的に自己防衛反応というか、自らの生命を守るという本能があります。 何か嫌な出来事、怖い出来事が怒ったら、 そのことに対して注意を払わなければならないという警戒情報として捉えます。 反対に生命が安心できる事柄に対しても、重要情報として判断されます。 そしてその情報を海馬に送り、記憶して、次に対処できるようにするのです。 つまり、「良い感情であれ、悪い感情であれ、感情のシステムが働いて、これは重要だぞ!という強い感情のシグナルが海馬に届くと、その出来事は、他の何でもない日の出来事よりも強く定着する」(恩蔵絢子氏「脳科学者の母が、認知症になる」P172)のです。 つまり、「ある出来事が起こったら、感情のシステムがいち早く反応し、感情を手掛かりに私たちは物事を分析して理解しようとする。」(P173)ということなのです。  海馬で記憶する前に、扁桃体で感情を精査しているということなのですね。 [caption id="attachment_3439" align="alignnone" width="899"] へたくそな図ですが作ってみました。こんな流れになるでしょうか。[/caption]   ですから、例えばケアスタッフとの会話では、日常的な話はあまり記憶に残らないけど、 ケアスタッフに恐怖や不安を感じた出来事や、 生活上安心できる関わりをされると記憶に刻まれやすいと言えます。 在宅の介護家族もついイライラして、本人に強く当たってしまうことがあります。 そしてそのことが印象付けられ、介護家族に対して倍返ししたりします。 その家族は一番頼りたい人だと感じているのですが、攻撃されたと思うと、反撃してしまうのです。 (つづく)  
ブログ投稿画像 センター長の石川です。 1月17日 ある人が会社に休みを欲しいと願い出たところ、 何かあるのかと問われ、神戸に行きますと言うと、 神戸に何の用があるねんと返答されたそうです。 その方は兄弟を震災で亡くされていたそうです。 「風化」まさしく「人々の記憶から忘れ去られていく」のだと思います。 「温度差」もあるのかもしれません。 私自身、救援活動からの帰り、神戸の街は真っ暗なのに、 大阪に戻った途端普通の状況に、涙が止まらなくなりました。 語りつくせぬ多々のことがありました。 [caption id="attachment_3420" align="alignnone" width="1024"] 摂津本山駅前 周辺のビルは全て一階が潰れ、傾いていました。時計は震災時刻で停まっています。[/caption]   神戸を訪れてみると 震災の面影はほとんど残っていません。 確かに前へ進んでいかなければならないし、 思い出したくないことも多々あると思います。 でも忘れてはならないし、 忘れられないのです。 合掌   気象庁も想定していなかった津波、そして火山の大爆発はトンガ一国の危機を招き、 やがて空高く舞い上がった噴煙は、冷夏、冷害をもたらすと言われています。 さらにコロナ禍と、世の中何が起きるかわかりません。 だからこそ、人々は繋がっていかなければならない。 それが問われていると言えるでしょう。
ブログ投稿画像 このテーマ、しばらく時間が空きました。 認知症になると、記憶を引っ張り出したり、取り込んだりすることが難しくなっていきます。 しかし、不快なこと、楽しかったことなどの感情で得たものは、案外と記憶されているのです。 とても不快な対応をされた職員の顔はよく覚えていたり、 自分がとても楽しかったレクレーションのことは記憶していたりします。 これはどういうことなのでしょうか。 記憶中枢に繋がる神経細胞がダメージを受けているというのに! それには科学的に迫る必要もあります。 分かりやすいのが、恩蔵絢子氏の「脳科学者の母が、認知症になる」(河出書房)です。 著作の関係があるので、文章を丸ごと写して載せるということは出来ませんが、 「脳の中には言語的なエピソードとして記憶を定着させる「海馬」のすぐ隣に 「扁桃体」と呼ばれる感情の中枢が位置している」(P172) と言うことなのです。 つまり「記憶」の殿堂である「海馬」とは別に、 感情の殿堂である「扁桃体」が存在するということなのです。 さらに「扁桃体」つまり、感情の方が「海馬」より先に立つ存在なのだそうです。 詳しくは次回に。   さて、オミクロン株が爆発的に罹患者を増やしています。 どこの介護施設もスタッフ維持に向けて戦々恐々となっています。 皆様もくれぐれも、「換気」「不織布マスク」(ウレタンはしてないのと同じくらいだそうです)「消毒」「人に会わない」ですね。   気分が落ち込んだ人は、何も考えずにこの映像を見て、笑ってください。(ちょっと長いですが) https://www.youtube.com/watch?v=Dn-N2QgsrVU
ブログ投稿画像 今年はメタバースMetaverse(仮想現実空間)が一気に広がりそうですね。 今は認知症研修やそれ以外の研修でも、ほとんどがオンラインによる研修となっています。 しかし、ブレイクアウトルームを活用したとしても、グループワークはやはり対面の方がいいですね。 その点メタバースだと、例えば「認知症研修所」という場所を設定し、 そこに受講者のアバターが集合、そのアバター同士でグループワークも可能なわけで、 まるで実際の対面グループワークのようなものも可能となります。 認知症理解のための資料も立体化され、平面資料を見ている今より理解できやすいかもしれません。 [caption id="attachment_3389" align="alignnone" width="1024"] 今はパソコンに話しかける日が続きます。[/caption]   そうなのです。 数年後には研修も「メタバース」で行われるかもなのです。 そして会議もメタバース上で密になってもできるということなのです。 [caption id="attachment_3388" align="alignnone" width="1024"] 今はこのようなこともできなくなりました。しかしメタバースではこのようなことも可能です。[/caption]   しかし、メタバースで認知症の人への理解は本当に可能なのでしょうか? それは使いようかもしれません。 実際のケアはメタバースの中ではできないのです。 しかし認知症の人の視点に立って考えるという点では、メタバースで体験することは可能かもしれません。 要はメタバースをうまく活用して、現実のケアに役立てるということでしょうか。 しかしながら、多くの人がメタバースを活用しだしたらどうなるか?   まず身体機能は著しく低下するでしょう。身体機能の低下は認知機能の低下にも繋がります。 任天堂からは「リングフィットアドベンチャー」と言う、ゲームをしながら運動するものもありますが、 実際に動き回るのとは大きな差異があります。 [caption id="attachment_3375" align="alignnone" width="1024"] 大自然は地球からの最高の贈り物でしょう。[/caption]   やはり外の空気を吸って、実際の景色を眺めて歩く。これに勝るものはありません。