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2024.01.10

その人がいないところでその人の話をしない

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認知症の教室(一般市民用)

認知症の教室(専門職用)

「その人がいないところでその人の話をしない」(*)

ガツンとくる言葉でした。

ケアに携わる者にとっては、忘れてはならないけれど、忘れてしまっている言葉かもしれません。
利用者本位、本人の意思の尊重と謳いながら、実際には本人がいないところで決められる。
特に当該者が認知症の人となるとなおさらです。

確かに認知症があって理解できないから、意思表示できないからと、
その人の意思確認することもなく、専門職が集まってその人の今後について考え、
そしてその人を決められた路線の中で動いてもらうことって多々あります。

本人の視点からすれば、
「自分の人生のこれからのことを、勝手に専門職と名の付く連中が決めて、自分たちの思うようにさせようとする。全く酷い話だ。」
というようなことになるでしょうか。

実際、認知症の人のカンファレンスへの参加は、行い難しいところはあるかもしれませんが、
これまでもありましたし、思うほど難しいものではありません。
時には家族と専門職、そして本人も含んだものというように、分けて行うことも可能です。
本人のことを話しあうのですが、本人がのけ者にならないように気をつけなければならないでしょう。

思えば、カンファレンスのような公式的な会議だけでなく、
私たちは普段から「その人がいないところでその人の話をする」ことが実に好きなのです。
でもそれは決して解決にはつながらない話なのです。

その人のことは、その人と話しあって決めなければならないのです。

(*)森川すいめい氏著 「感じるオープンダイアローグ」より (講談社現代新書)