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2022.12.17

ケアの世界と「時間」

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認知症の教室(一般市民用)

認知症の教室(専門職用)

全く違う世界のことをかじって勉強してみるのも面白いですね。
今回は全く不得意な物理の世界。
テーマは「時間」

なんと、時間は重力の影響を受けて、地上ほど遅く、
高く上るほど重力の影響が少なくなって、時間は早く進むそうです。??? 
時間は重力の影響を受ける? では宇宙ステーションでの時間は私たちより早い?

さらに、過去、現在、未来とは、私たちの脳の中で起こっているものであるとのこと。
これは何となくわかります。
瞬間瞬間に感じることが現在であって、即、過去になってしまいますからね。
そしてこれから来ることを予測するのが未来。
要するに過去・現在・未来は法律に定められているわけでもない、私たちの感覚的なものとか。

さらに時間は逆行することもあるのだとか。それも物理的に。
ここまで来ると、訳が分からなくなってしまいます。

しかし、私たちケアに関わる人間にとって時間は、「重さ」でもあるのです。

私は講義で、ルーティンワークに追われる中、
利用者と「濃く」関わる時間を持ってほしいとお話しします。
「濃い時間」それは「重い時間」ともいえるのです。

例えば、日々ルーティンワークに追われる時間の中で、
1分立ち止まり、不安の中にいる人や、終末期を迎えた人の手を優しく握り、暖かなまなざしを送る。
その1分が、濃い、重い時間なのです。
或いは、終末期を迎えた方にとっては、その1分1分が重い時間なのかもしれません。

ですから私たちにとって時間は、単に通り過ぎていくものではないのです。

では認知症の人にとっての時間とは何か?
それは脳の働きがかなり関わっているかもしれません。
もしかしたら、時間は様々な方向へ行きつ戻りつしているかもしれません。
ここは脳科学者の方に聞かなければならない領域と思いますが、
ある意味私たちの想像をはるかに超えた世界がそこにはあるかもしれませんね。
時間が逆行するという意味も何となく分かるような気がします。
私たちはその認知症の人の時間にしっかりと向き合っていかなければならないのでしょう。

「時間」 それは重力の影響を受けるとか、逆行するとか、濃いとか重いとか、
多分に情緒的要素も含まれるかもしれませんが、
意外とケアの世界と深い関りがあるのですよね。

いずれにしても利用者にとっての「時間の重さ」を
私たちはもっと感じなければならないと思うのです。