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「これは死亡診断書ですが、そんな義務的な書類ではありません。これはお母様が一生懸命生きてきた、その人生への証となる卒業証書なのです。一度しかもらえないこの証書を、お母さまの代わりに受け取ってください。」
ある県の在宅医療、看取りを行っているドクターは、そう言って家族に人生の卒業証書となる死亡診断書を渡します。
センター長の石川です。
死亡診断書は単なる行政的な書類ではない。
唯一無二、医者にしか発行することが出来ないその人の人生への卒業証書、素敵な言葉ですね。
そういう意味では、亡くなられた方を見送るのは、その方の人生の卒業式と言えるかもしれません。
あるときの卒業式。
デイサービスを利用後、入居となった方が亡くなられた時。
その方がデイサービス利用時にいつも唄っていた歌をみんなで合唱してお見送りしました。
[caption id="attachment_1732" align="aligncenter" width="650"] みんなで亡くなられた方が大好きだった歌を大合唱してお見送りしました。[/caption]
見送るそれぞれの人にどのような思いが去来していたか、それは測り知ることはできませんが。
随分昔の映画になりますが、黒澤明監督の映画「夢」というのがありました。
何話かあるうちの最終話「水車のある風景」で、村人たちが亡くなった人の人生を、良く頑張って生きたと称え、音楽を奏でながらパレードするシーンがありました。
[caption id="attachment_1730" align="aligncenter" width="385"] 映画「夢」のワンシーンより[/caption]
そのシーンを思い浮かべるような、この時のお見送りでした。
亡くなられたその瞬間から、その方の存在は「記憶」として生き続けます。
[caption id="attachment_1731" align="aligncenter" width="650"] 様々な想いで人生の卒業式を今度は合掌して見送ります。[/caption]
アーバンケア島之内では、この方に限らず、多くの方をこのような形でお見送りしてきました。
[caption id="attachment_1733" align="aligncenter" width="650"] 感謝を述べるご家族[/caption]
人生の卒業式。
それは、その方の人生への敬意を払うとともに、その方が記憶として生きるスタートラインになるのだと思うのです。
*黒澤明「夢」8本の短編映画をまとめたもの。短編の中に原発の爆発の恐怖を描いた作品があり、当時スポンサーがつかなかったそうです。でもそれは現実になってしまいました。ちょっと難しい作品が多い中、第8話の「水車のある風景」は、安曇野の美しい風景とともに心潤う作品となっています。
[caption id="attachment_1728" align="alignleft" width="300"] 安曇野の素敵な風景の中でのロケでした。[/caption]
[caption id="attachment_1729" align="alignright" width="319"] 葬儀の行進シーンです。心に残るシーンです。[/caption]
センター長の石川です。
7月7日七夕ですね。
本来ならロマンを語れる日なのですが、
九州を襲っている豪雨のことを思うと、気持ちは晴れません。
星に願いを
今は、ただただ、雨が止むことを願います。
[caption id="attachment_1721" align="aligncenter" width="650"] 天の川の左にあるのが彦星、少し離れた右側にあるのが織姫星です。[/caption]
コロナにしてもここ数年続く豪雨にしても、人間が生み出したものでしょう。
元々地球自体は何万年もかけて、温かい時期と寒い時期を繰り返してきたのですが、
今はゆっくりと温かい時期に向かっていたところだったのです。
それも何万年もかけてゆっくりと。
しかしここ50年でその気温上昇を猛スピードにしてしまったのは、人間です。
そのため尋常ならぬ雨が毎年降るようになってしまいました。
そのつけを払うのは、いつも庶民なのです。
[caption id="attachment_1722" align="aligncenter" width="650"] 見る場所や時期、時間によって天の川が立って見える時もあります。[/caption]
さて、話を七夕に戻しましょう。
彦星は、わし座のアルタイル。天の川の川縁にあります。
織姫星は、こと座のベガ。天の川から少し離れたところにあります。
[caption id="attachment_1723" align="aligncenter" width="650"] 天の川の淵に位置するアルタイル、彦星です。[/caption]
ふたつの星の間の距離は15光年。つまり、ふたつの星が会おうとすると、
超光速でも15年、二人が歩み寄るので、7年半かかります。
天の川の織姫星側の淵、白鳥座のアルビレオ過ぎた辺りで逢えるでしょうか。
川淵の中でのデートになりますね。
[caption id="attachment_1724" align="aligncenter" width="650"] 孤高に輝く姫、ベガ。織姫星です。[/caption]
当分の間、雨雲に邪魔されて星空を見ることはできませんが、
空が晴れたら、天空にはこのような天の川が広がっています。
大阪の空では天の川は見えませんが、夏の大三角は多分見えます。
そのうちの二つが、織姫と彦星です。
梅雨が明けたら、夜空を見上げて探してみてください。
[caption id="attachment_1725" align="aligncenter" width="650"] 夏の大三角は、大阪の空でも見ることはできます。[/caption]
写真は画素数をかなり落として載せています。そのためぼんやりとした写真になっていますが、実際にはもっとはっきりと多くの星が写っています。
2020.07.06
トピックス
センター長の石川です。
7年連続最多更新とは、認知症の人の行方不明者数です。
昨年1年間の行方不明になった認知症の人は、のべ17,479名でした。
7年連続の増加だそうです。
[caption id="attachment_1712" align="aligncenter" width="650"] 朝日新聞より[/caption]
そのうち、以前からの届け出の人も含め、遺体で発見された人は460名もおられたそうです。
そして何故か、大阪が2007人で最多の届け出数。
ここ数年大阪が残念なトップが続いています。
以前の届け出を含め、昨年中に見つかった人は、17,340名おられ、このうち71.7%が届け出当日、99.4%が1週間以内に発見されたそうです。
とにかく早期発見がポイントになりますね。
[caption id="attachment_1711" align="aligncenter" width="650"] 昨年の安心声掛けつながり訓練の様子です。[/caption]
これまでは人海戦術による捜索が主体でしたが、GPSやSNSなどの活用による早期発見システムを積極的に導入していく必要があります。
これらの科学技術を駆使しての早期発見、そして人が関わる認知症の人へのコミュニケーション技術の向上。この二つをミックスした「認知症になっても安心して住めるまちづくり」を目指していかなければならないですね。
コロナ禍において、認知症の人への安心声掛け訓練も厳しい状況ではありますが、行方不明者が増加し続ける現状において、やはりなんらかの対策は考え、継続実施は必要不可欠だと思います。
熱中症予防に向けてさんとりーです
[caption id="attachment_1684" align="aligncenter" width="650"] 厚労省HPより[/caption]
[caption id="attachment_1683" align="aligncenter" width="622"] 厚労省HPより[/caption]
2020.07.01
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