2023.09.26 | トピックス, 必見!最新情報, 認知症の教室(一般市民用), 認知症の教室(専門職用)
「アーバンベアの脅威」?もあるけど「アーバンケアはお祭り」です
2023.09.27
その方の世界に付きあっていくこと
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認知症の人と関わる中で、
時々「え?なんのこと?」というような話が出てくるときがあります。
それはかつてのその方が体験した記憶の一部のことが多いでしょう。
その記憶は例えれば、パズルのパーツの一つとも言えます。
認知症がない時は整っていたパズルの絵も、
認知機能の低下に伴い、その記憶というパーツが一つ抜け、二つ抜けしていきます。
やがてその記憶のパーツはバラバラになり、
まともな絵ではなくなってしまうのです。
しかし、その記憶のパーツは、全く失われるわけではなく、
何かの拍子で、何かの記憶パーツがふと言葉として出てきます。
それがいつどこでどのようなものなのか、
私たちには見当もつかないのですが、
その方にとっては、人生の大切な記憶のかけらと言えるのです。
しかし、私たちがその記憶のかけらのことを理解せず、
私たちの世界で判断して誘導したりしようとすると、
その方の世界に寄り添わず、トラブルになってしまいます。
ふと出てきたその方の記憶のかけら
そしてその世界
その方にとっては、大切な人生の記憶の一部なのです。
その世界に私たちは付きあってあげること。
つまり、その方の世界の話で、会話を弾ませること。
もう少し詳しく言えば、私たちもその世界の話を楽しむということです。
もしかしたら、本人の記憶も、事実の記憶ではなく、
妄想や夢想から作られた記憶かもしれません。
私たちも、多かれ少なかれ、妄想や夢想があるように。
出てくる話が事実かどうかは別にして、
その方の世界に付きあい、共感すること。
それはその方の人生を大切にするということなのです。
そして私たち専門職の「傾聴」や「共感」の姿勢の
トレーニングにもつながることなのです。
認知症の人は、認知症のためにわからないことが多い人ではなく、
私たち専門職にとって、その専門性をアップしてくれる
すてきなトレーナーなのです。