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2023.08.18

認知症の人の「感情伝染」とは(3)

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感情がなぜ伝わるのか、その理由は「扁桃体」と「海馬」に関係します。
つまり、脳科学の観点から説明できるものなのです。

前回に引き続き、中央法規出版社 恩蔵絢子、永島徹著「なぜ、認知症の人は家に帰りたがるのか」を参照にして書きます。

 

記憶の中枢となる「海馬」と感情の中枢になる「扁桃体」とは隣り合っています。
特に「扁桃体」はある意味自分の生命にかかわることに反応する場所です。

イラストACよりフリー素材を許可を得てダウンロード 海馬と扁桃体は隣り合わせです

 

たとえば自分がAさんに攻撃され、いじめられたとします。
扁桃体はAさんは自分を攻撃するいじめる人なので気を付けるようにという注意喚起を海馬に情報を送り、
海馬はAさんをいじめる人として記憶します。

このように扁桃体は自分を護るための場所とも言えます。
それゆえ、他者の行動に対して真っ先に反応する場所とも言えるでしょう。

メタ認知力」を身につけよう
フリーソフトいやすとやさんより

 

それでも記憶中枢の海馬が認知症によってダメージを受けている場合、
そもそも反応できるのだろうかという疑問が残ります。
しかし、私たちはそのような先入観があるから、認知症の人は理解できないと思い込んでしまうのです。

認知症の人からすれば、具体的、明確なやり取りはわからなくても、
快不快の感情はしっかりと感じ取っているのです。
それどころか、「この人は自分に対してつらく当たる人だ」という記憶も思い起こせるのです。

(つづく)