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2023.08.10

認知症の人の「感情伝染」とは(1)

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認知症の教室(一般市民用)

認知症の教室(専門職用)

これまで認知症の人のことで、何度か取り上げていたのが、周辺環境に関することです。
環境というと、景色や温度などの住み心地良さがまずは頭に思い浮かびますが、
もちろんそれらも重要なものではあるのですが、
やはりなんと言っても、「人」そのものが最大の環境になります。

在宅の場合は、介護者やサービス事業所の職員となり、
入居されている方はケアスタッフが多大な影響を与える環境要因になります。
ケアスタッフの動きひとつで、認知症の人の「生活していく上での快・不快」が変わっていきます。

 

しかし私たちは、認知症の人に対して、大きな勘違いをしています。
それは、認知症の人は「何もわからない人」と思っていることです。

例えば、真夏でも厚着している人がいれば、暑さもわからなくなっている、
つまり認知症の人は、周辺環境だけでなく
自分の身体の状況もわからなくなっている人と捉えてしまうでしょう。

確かに認知機能の低下は、通常の日常生活機能を失っていくことに繋がります。

しかし、私たちがもし認知症の人を険しい表情で睨み付けたら、
認知症の人の表情も強ばるでしょう。
ケア職員が何もわからない人という思いから、指示的、命令的な言葉を発すると、
認知症の人は険しい表情を浮かべるでしょう。

それは、「認知症の人は、何もわからない人」ではなく、
私たちの行動に必ず反応しているということなのです。

(つづく)