2021.09.09 | トピックス, 必見!最新情報, 認知症の教室(専門職用)
捉え方を変えてみること
2021.09.10
認知症ケアは本当に良くなったのだろうか?
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センター長の石川です。
ここに掲げた写真群は、元写真を写したもので写りが悪いですが、私が若かりし頃の特養での風景です。
当時勤めていた特養から30分ほどの公園に、
皆さんお出掛けしてなんと、バーベキューならぬ、豚汁パーティを行ったのです。
多くの車いすの方と共に、元気溌剌な認知症の方も数名参加されていました。
割烹着の方は、コミュニケーションも厳しい状態で、絶えず施設を出て行きます。
一緒についていくのですが、他人の家を自分の家だと言ってきかず入っていかれたり、
ひたすら歩き続ける方でしたが、割烹着姿でわかるように、「かつての日本のお母さん」のような人でした。
背の高い帽子をかぶっておられる男性は通訳をされていたので英語が堪能で、
ケネディ元大統領と友人だったと、ケネディの手紙を見せてくれた方でしたが、
認知症状はかなり進行しており、毎日の関りが大変だった方です。
しかし当時はある意味自由奔放でした。
認知症の人への施設入所による制限ってあったのかな?とも思うくらいです。
好きなように外へ出て(ついていく職員は大変でしたが)、ドライブにもよく行き、
公園やレストラン、そして一泊旅行にも行ったものです。
当時夕方になると帰宅願望の方が数名おられましたので、「たそがれどきドライブ」として、
車でお出かけすると、落ち着かれたので、ドライブは結構行ってました。
今ならすぐにリスクマネジメントが頭に浮かび、何かと制限が掛かってしまいます。
いい意味なのか悪い意味なのか、当時はそんなことあまり考えなかったです。
「いっちゃえ、やっちゃえ、ありのまま」
そんな感じだったでしょうか。
確かに今の認知症ケアは、尊厳を守り敬意を払うという基本理念の徹底が図られています。
様々なことで身体拘束が当たり前だった時代からは、はるかに進んだと言えるでしょう。
しかし、当時の写真を振り返ると、
「認知症があろうとなかろうと、とにかく楽しもう!」という心意気があったのではないかと思います。
今はこのように「外に出る」ことすらなくなってきています。
認知症の人は(認知症の人でなくても)外で自由奔放は許されないのか?
コロナ禍ということではなく、このような自由奔放さが、
「安心・安全」の合言葉の中で埋没して言っているように感じるのです。
はたして、認知症ケアは本当に良くなったのか?
疑問に思う今日この頃です。