2019.03.07 | 心の荷物預かり所
エビフライを食べに行こう!
2019.03.16
「エビフライなんか食べに行くな!」
心の荷物預かり所
認知症の教室(一般市民用)
センター長の石川です。
あれれ?先日「エビフライを食べに行こう!」ってブログに書いていたのに、
今度は「エビフライなんか食べに行くな!」って、どういうこと?
ですね。
例えばご夫婦の場合、夫の認知症が進行しているとします。
ケアをする妻はたまには息抜きをしたいと思います。
そのため、夫をショートステイで預け、心身の休養で美味しいエビフライを食べに、息抜き旅行に行きたいと思っていたのです。
ところが、これが認知症の本人の立場からすると、
頼るべき妻がどこかへ行き、自分がホームに泊まらなければならないことに納得がいかないのです。
生活上の多くのことが不確かになり、一杯の不安を抱える中で、妻だけが頼りなのに、その妻がどこかへ遊びに行くから老人ホームへ泊れと言われても、「エビフライなんか食べに行くな!俺のそばにいろ!」ということになってしまいます。
当然のことながら、認知症の人本人の思いにもしっかりと目を向けていかなければなりません。
でもこれでは、妻は心身の癒しの時間が得られないですよね。
そのためには、夫にはいきなり老人ホームではなく、デイサービスなどの活用で少しずつ行く場所の雰囲気に慣れ親しむ、職員となじみの関係づくりを行っていくなどの下地作りが必要となります。
認知症の人本人が安心できる体制づくりを行っておかないと、ショートステイを使ったために、かえって不安と混乱を増して、家族の負担が増えたなんてことになったら本末転倒になります。
つまり、ケアマネジャーやケアスタッフの実践力も、介護者が「エビフライを食べに行くため」の重要な要素になるのです。
さて、先日紹介した鳥羽市の丸栄さん
お刺身とセットになったエビフライ定食や海鮮丼も人気のようですよ。