2022.04.27 | トピックス, 必見!最新情報, 認知症の教室(専門職用)
認知症ケアはめっちゃ学びがいっぱい!
2022.04.28
メタ認知力を身につけよう7「吐き出すと掃き出すの違い」
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人は何かとストレスを溜め込む存在です。
自我があり自己防衛機能があるので当然のことといえます。
ケアの現場でのストレスは、ケア実践上でのことは当然としてあるでしょうが、
何よりも対人関係でのストレスが多いといえるでしょう。
そのストレスは、溜め込まないということが大切になります。
人それぞれに、自分なりのストレス対処方法を持っているとは思いますが、
時に誰かに聞いてもらうということ、それは最大のストレス対処になります。
誰かに聞いてもらうことで、自分の中のストレスを「はきだす」のです。
しかしここで考えてほしいのですが、
「吐き出す」と「掃き出す」は意味合いが違ってくるということです。
「愚痴を吐く」という言葉があるように、悪口、文句ばかり言ってストレスを発散させようとする行為です。
典型的なのが、何人か集まって「人の悪口を言う」という行動でしょう。
心の中には、悪口言って気分爽快という悪魔が住み続けたままです。
一方、「掃き出す」は、心の中のクリーニングに繋がります。
心の中をきれいにするのです。
単に愚痴を言うのではなく、「メタ認知力」つまり、実際のところ自分はどうだったのか、
そして相手の思いはどうだったのかと、客観的に考える視点を持ちながら、ストレスを掃き出していきます。
さて、ここで重要なのは、聴き手(多くの場合は上司)の在り方です。
「聞いてください!」と言ってきた人に対して(あるいは聴きに行くこともあるでしょう)
単に愚痴を吐き出させることで終わるのではなく、
「なるほど」と受け止めながらも、そのストレスの要因となったものは何だったのか、
相手はどんな思いでいたのだろうかと、さりげなく「一緒に客観的に考えてみよう」という姿勢を持つことです。
そのためには自分の心もメタ認知力を働かせなければなりません。
ストレスを「吐き出す」は、人の悪口を言ってすっきりする、
匿名のSNSで誹謗中傷してストレスを解消しようとするのと同じです。
心の中の悪魔は大きくなる一方でしょう。
ストレスの解消は「掃き出して」、心の中をきれいにするというのでなければ、
いつまでたっても人間関係の悪のスパイラルから抜け出せないことになるでしょう。