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「2023年08月」で記事を検索しました。

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2023.08.31

トピックス
小学校6年生のキッズサポーター講座 夏休みが終わった早々、楠根小学校の6年生に キッズサポーター講座を実施しました。 3学級を順番に1時限目から3時限目まで行ってきました。 6年生となると、少しシャイになる部分もありますが、 児童たちは熱心に話を聞いてくれました。 3クラス、それぞれに特徴があり、同じことを三回喋っても、 反応の違いがあり、なかなか面白かったですね。 写真は早々に校長先生が小学校のHPにアップしてくれたものです。 凄いですね、ほぼライブのような感じでアップされていきます。 色々と気を遣っていただいた校長先生には感謝です。 児童たちも参加する伝言ゲームは みんな楽しくやってくれました。 やはり聞いてるだけでなく、参加することはおもしろいようです。 もし、スマホやテレビが見れなくなったらどうする?という質問に、 普通なら、困るとか不安になるとか、ありえへんとか答えるところ、 「勉強に集中できる」とか「スポーツが一杯できる」という、 ポジティブな返事が返ってきました。 裏を返せば、それだけ普段、スマホに時間を支配されているのかもしれません。 大人以上に、認知症の人のことを素直に受け止めてくれる子どもたち この世代が未来を作り上げていく そう思うと、ワクワクした気持ちになります。
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2023.08.21

トピックス
認知症の人の「感情伝染」とは(4)~しつらえについて~ 少し本流(人と人の感情の動き)からずれますが、 認知症であってもなくても、周辺の環境が大きな影響を与えます。 最大の環境要因は人であることは、以前のブログにも書きましたが、 「生活環境」という観点からいえば、「しつらえ」も、感情に多大に影響するということになります。   殺風景な部屋にいるのか、そうでない部屋にいるのか、 それだけで感情に与える影響が変わってきます。 つまり、生活環境が良いか悪いかも感情伝染するということです。 生活環境が悪ければ、そこで住まわれる人の感情も砂漠化するのです。   例えば、デイサービスに来られる方も、 センターに入った時にほっと安心できる空間か、或いは、そうでないかは、 ポイントを付けるとすると、大きな得失点に繋がります。 もちろん、人の関わり方(挨拶や言葉遣いやケアの仕方)が一番大きいのですが、 入った時の印象も大きな得失点に繋がります。   皆さんも、病院でも、スーパーでも、様々なお店でも、 入った時の第一印象は心に刻印付けられますよね? 誰だって、落ち着くところにいたいと思いますよね? そんな当たり前のことを、意外と施設では行われていないかもしれません。   環境(雰囲気)は、その事業所の評価に大きく影響するということです。 「なんか知らんけど、ええ感じの雰囲気やな~」と、感じる、 質感(クオリア)を感じるかどうか、 つまり「しつらえ」(心地よい生活環境を整えること)は、 事業所の評価を高めるためにも、利用者の感情にも大いに影響を与えるものなのです。
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2023.08.18

トピックス
認知症の人の「感情伝染」とは(3) 感情がなぜ伝わるのか、その理由は「扁桃体」と「海馬」に関係します。 つまり、脳科学の観点から説明できるものなのです。 前回に引き続き、中央法規出版社 恩蔵絢子、永島徹著「なぜ、認知症の人は家に帰りたがるのか」を参照にして書きます。   記憶の中枢となる「海馬」と感情の中枢になる「扁桃体」とは隣り合っています。 特に「扁桃体」はある意味自分の生命にかかわることに反応する場所です。 イラストACよりフリー素材を許可を得てダウンロード 海馬と扁桃体は隣り合わせです   たとえば自分がAさんに攻撃され、いじめられたとします。 扁桃体はAさんは自分を攻撃するいじめる人なので気を付けるようにという注意喚起を海馬に情報を送り、 海馬はAさんをいじめる人として記憶します。 このように扁桃体は自分を護るための場所とも言えます。 それゆえ、他者の行動に対して真っ先に反応する場所とも言えるでしょう。 フリーソフトいやすとやさんより   それでも記憶中枢の海馬が認知症によってダメージを受けている場合、 そもそも反応できるのだろうかという疑問が残ります。 しかし、私たちはそのような先入観があるから、認知症の人は理解できないと思い込んでしまうのです。 認知症の人からすれば、具体的、明確なやり取りはわからなくても、 快不快の感情はしっかりと感じ取っているのです。 それどころか、「この人は自分に対してつらく当たる人だ」という記憶も思い起こせるのです。 (つづく)
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2023.08.12

トピックス
認知症の人の「感情伝染」とは(2) 前回、「私たちは、認知症の人に対して、大きな勘違いをしています。」と書きました。 認知症の人は、何を言っても理解できない。 そんな大きな誤解が、認知症の人の前で平気でその人に対する悪態を吐いたりします。 しかし、悪態を吐かれたことを、 認知症の人はしっかりと感じ取っていることを、私たちはわかっていないのです。 脳科学者の恩蔵絢子氏は、以下のように書いています。 「アルツハイマー型認知症の人は、周囲の人が高速で(私たちの普通の会話)やりとりする会話についていくことは、海馬の萎縮のせいで難しいところがあります。 数秒前まで語られていた膨大な言葉(私たちからすれば普通の会話)を覚えておかなければ、 会話についていくことができないからです。 しかし、アルツハイマー型認知症の人は、相手の感情を読むことはとても得意です。 完全には会話の内容を理解できなくても、言葉のトーン、相手の顔つきなどにはとても敏感で、 何か自分についてネガティブな情報を言われていることは、理解できるのです。」 (中央法規出版社 恩蔵絢子、永島徹著「なぜ、認知症の人は家に帰りたがるのか」P141より抜粋。( )内は石川が注釈) このように、しっかりと私たちの言葉や態度を感じ取っておられるのです。 ですから、決して認知症の人は何もわからない人ではないということ。 そこを私たちは誤解してはならないのです。 では、なぜ認知機能が低下しているのに、感情は読み取っていくことができるのか。 つまり感情が伝染していくのか?  次回に書き込みます。(つづく) 8月11日、山の日ですが、私は山には登らず、クラシックコンサートに行ってました。 85歳のマエストロのラストコンサート(大阪での定期演奏会ということです)でした。 渾身の指揮の後、腰の痛みと疲労を隠しながら、 何度も何度も頭を下げて、舞台を後にされました。 日本の一時代を担った名指揮者でした。 ひとつの時代が終わる…  そんな切なさと感動を覚えたコンサートでした。
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2023.08.10

トピックス
認知症の人の「感情伝染」とは(1) これまで認知症の人のことで、何度か取り上げていたのが、周辺環境に関することです。 環境というと、景色や温度などの住み心地良さがまずは頭に思い浮かびますが、 もちろんそれらも重要なものではあるのですが、 やはりなんと言っても、「人」そのものが最大の環境になります。 在宅の場合は、介護者やサービス事業所の職員となり、 入居されている方はケアスタッフが多大な影響を与える環境要因になります。 ケアスタッフの動きひとつで、認知症の人の「生活していく上での快・不快」が変わっていきます。   しかし私たちは、認知症の人に対して、大きな勘違いをしています。 それは、認知症の人は「何もわからない人」と思っていることです。 例えば、真夏でも厚着している人がいれば、暑さもわからなくなっている、 つまり認知症の人は、周辺環境だけでなく 自分の身体の状況もわからなくなっている人と捉えてしまうでしょう。 確かに認知機能の低下は、通常の日常生活機能を失っていくことに繋がります。 しかし、私たちがもし認知症の人を険しい表情で睨み付けたら、 認知症の人の表情も強ばるでしょう。 ケア職員が何もわからない人という思いから、指示的、命令的な言葉を発すると、 認知症の人は険しい表情を浮かべるでしょう。 それは、「認知症の人は、何もわからない人」ではなく、 私たちの行動に必ず反応しているということなのです。 (つづく)
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2023.08.09

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第90回目を迎えた英田地区認知症ケアネットワーク委員会 「認知症でも大丈夫!自分力とお助け力が広くつながるまちづくり」をスローガンに、 2014年後半に設立された「英田地区認知症ケアネットワーク委員会」 早いものというか、凄いというか、なんと90回目の開催となりました。 これまでに、委員会は様々な取り組みを行ってきました。 基本的に個別支援を話しあうのではなく、スローガンにあるように、 認知症になっても安心して暮らせるまちづくりを目指して、地域の皆様への啓発活動を行ってきました。 例えば、「安心声掛けつながり訓練」「ティータイム勉強会」「出前講座」 そして、広く東大阪市民に門戸を開いた「シンポジウム」など、数々の活動を実施しています。 コロナ禍で、それらの行事を自粛せざるおえない時もありましたが、 委員会だけは毎月継続して実施し、今日に至っています。 出前講座の風景 実験中   今後の予定として、英田北地区の安心声掛け訓練、 そして出前型ティータイム勉強会(若しくは、出前型シンポジウム)のように、 各地域に出向いていって行う活動を実施予定です。 出前講座 歯の健康は万病予防   なおこのように委員の皆様自身が地域に出向いて、 地域住民の方に講座や懇親会を開催するという取り組みは、 全国的にも珍しいものとなっています。 今後もこの活動について適時報告してまいります。 出前講座 健康寿命をのばそう!
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2023.08.07

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少しずつ広がる認知症サポーター講座 認知症施策は、国家プロジェクトとして進められています。 その一環としてあるのが認知症サポーター講座です。 子どもから高齢者まで、多くの方が受講の対象となり、 全国各地で進められています。 下の写真は、某スーパーの出入り口に貼られている 認知症サポータ講座を受講した、認知症サポーターが職員にいますよという目印です。 このように、企業が進んで認知症の人への関わり方を勉強しているところが、 徐々に増えてきているのです。 先日訪れた中学校 今、中学は様々なカリキュラムに追われ、また先生方も多忙を極めています。 そのような中で、サポーター講座をお願いするのは至難の業なのです。 しかし、前向きに考えてくださり、人権研修の一環として取り入れてもらえそうです。 学校の先生方、或いは保護者の皆さんにとっては、 自分の親の介護に直面する年代の方々でもあります。 生徒さんだけでなく、先生方や保護者世代へのアプローチも必要なのです。 花園ラグビー場に一番近い中学校です。   この中学校、ラグビー部の生徒たちが練習をしていました。 この人たちの中から、将来の日本代表選手が出るかもしれませんね。
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2023.08.04

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若年性認知症介護家族の方の講演 東大阪社協で、キャラバンメイト養成講座が開かれ 若年性認知症の介護家族の方のお話がありました。 淡々と認知症の初期から現在に至るまでを話されていましたが、 男性介護者ゆえの戸惑いも多くあったようです。 特に、ご本人の認知症状が進む中、 かなりの焦燥感に襲われ、人間不信にもなられたとのこと。 しかし、地域包括支援センターや、ケアマネジャー、デイサービス担当者の専門職の皆さんに助けられたこと。 そしてそれらの専門職の皆さんが、みんな温かい笑顔で迎えてくれたこと それが何よりでしたと語っておられました。 また、地域住民の方が、認知症の人を避けるのではなく、 認知症の妻に対しても、気さくに挨拶をしてくれるだけでも 十分に気持ちが助けられるとも話されていました。 ただ診断をしてくれた病院が、「地域包括支援センター」という相談に行ける場所を紹介してくれなかったので、 自分で色々と探すことになり、その分回り道をしてしまったとのこと。 まだまだ地域包括支援センターの存在が知れ渡っていないということでもあるのです。 今回お話をしていただいた介護者は、12月9日に開催される 一般市民向け講演会においてもお話ししていただける予定です。 この講演会についての詳細は決まり次第お知らせします。
ブログ投稿画像 夏休みが終わった早々、楠根小学校の6年生に キッズサポーター講座を実施しました。 3学級を順番に1時限目から3時限目まで行ってきました。 6年生となると、少しシャイになる部分もありますが、 児童たちは熱心に話を聞いてくれました。 3クラス、それぞれに特徴があり、同じことを三回喋っても、 反応の違いがあり、なかなか面白かったですね。 写真は早々に校長先生が小学校のHPにアップしてくれたものです。 凄いですね、ほぼライブのような感じでアップされていきます。 色々と気を遣っていただいた校長先生には感謝です。 児童たちも参加する伝言ゲームは みんな楽しくやってくれました。 やはり聞いてるだけでなく、参加することはおもしろいようです。 もし、スマホやテレビが見れなくなったらどうする?という質問に、 普通なら、困るとか不安になるとか、ありえへんとか答えるところ、 「勉強に集中できる」とか「スポーツが一杯できる」という、 ポジティブな返事が返ってきました。 裏を返せば、それだけ普段、スマホに時間を支配されているのかもしれません。 大人以上に、認知症の人のことを素直に受け止めてくれる子どもたち この世代が未来を作り上げていく そう思うと、ワクワクした気持ちになります。
ブログ投稿画像 少し本流(人と人の感情の動き)からずれますが、 認知症であってもなくても、周辺の環境が大きな影響を与えます。 最大の環境要因は人であることは、以前のブログにも書きましたが、 「生活環境」という観点からいえば、「しつらえ」も、感情に多大に影響するということになります。   殺風景な部屋にいるのか、そうでない部屋にいるのか、 それだけで感情に与える影響が変わってきます。 つまり、生活環境が良いか悪いかも感情伝染するということです。 生活環境が悪ければ、そこで住まわれる人の感情も砂漠化するのです。   例えば、デイサービスに来られる方も、 センターに入った時にほっと安心できる空間か、或いは、そうでないかは、 ポイントを付けるとすると、大きな得失点に繋がります。 もちろん、人の関わり方(挨拶や言葉遣いやケアの仕方)が一番大きいのですが、 入った時の印象も大きな得失点に繋がります。   皆さんも、病院でも、スーパーでも、様々なお店でも、 入った時の第一印象は心に刻印付けられますよね? 誰だって、落ち着くところにいたいと思いますよね? そんな当たり前のことを、意外と施設では行われていないかもしれません。   環境(雰囲気)は、その事業所の評価に大きく影響するということです。 「なんか知らんけど、ええ感じの雰囲気やな~」と、感じる、 質感(クオリア)を感じるかどうか、 つまり「しつらえ」(心地よい生活環境を整えること)は、 事業所の評価を高めるためにも、利用者の感情にも大いに影響を与えるものなのです。
ブログ投稿画像 感情がなぜ伝わるのか、その理由は「扁桃体」と「海馬」に関係します。 つまり、脳科学の観点から説明できるものなのです。 前回に引き続き、中央法規出版社 恩蔵絢子、永島徹著「なぜ、認知症の人は家に帰りたがるのか」を参照にして書きます。   記憶の中枢となる「海馬」と感情の中枢になる「扁桃体」とは隣り合っています。 特に「扁桃体」はある意味自分の生命にかかわることに反応する場所です。 [caption id="attachment_4992" align="alignnone" width="1024"] イラストACよりフリー素材を許可を得てダウンロード 海馬と扁桃体は隣り合わせです[/caption]   たとえば自分がAさんに攻撃され、いじめられたとします。 扁桃体はAさんは自分を攻撃するいじめる人なので気を付けるようにという注意喚起を海馬に情報を送り、 海馬はAさんをいじめる人として記憶します。 このように扁桃体は自分を護るための場所とも言えます。 それゆえ、他者の行動に対して真っ先に反応する場所とも言えるでしょう。 [caption id="attachment_3636" align="alignnone" width="365"] フリーソフトいやすとやさんより[/caption]   それでも記憶中枢の海馬が認知症によってダメージを受けている場合、 そもそも反応できるのだろうかという疑問が残ります。 しかし、私たちはそのような先入観があるから、認知症の人は理解できないと思い込んでしまうのです。 認知症の人からすれば、具体的、明確なやり取りはわからなくても、 快不快の感情はしっかりと感じ取っているのです。 それどころか、「この人は自分に対してつらく当たる人だ」という記憶も思い起こせるのです。 (つづく)
ブログ投稿画像 ペルセウス座流星群 いつもここがいいと思って行ったところが人で一杯だったので 今回は少し遠出して、誰もいないところで撮影してきました。 流れ星、幾つも見れましたが、 写真にはなかなか収まってくれません。 [caption id="attachment_4986" align="alignnone" width="2048"] 天の川の横を流れた流れ星[/caption]   さて、大江山の赤鬼に、「台風来るな!」って頑張ってもらったのですが、 その甲斐もなく、今日は大荒れですね。 しかし、認知症の人や一人暮らしの人にとっては、台風は不安を募らせます。 そこはデイサービス職員が、休むことなくフォローしてくれました。 ありがとうございます! [caption id="attachment_4983" align="alignnone" width="1707"] 鬼の力は台風には及ばずでした。因みにこの鬼の名前は「林鬼」だそうです。[/caption]   私の車での出勤時も、折れた木の枝や、何やら一杯道に散乱していましたし、 信号機も横を向いていました。 風の強さは恐ろしいものですね。 [caption id="attachment_4987" align="alignnone" width="843"] 信号機があらぬ方向に。後ろのビルも怖いですね。[/caption]   しかし、嵐の後には必ず、青空が待ってます。 暑いけど。 [caption id="attachment_4984" align="alignnone" width="2048"] 右上に映っているのがアンドロメダ星雲 左は天の川です。[/caption]
ブログ投稿画像 前回、「私たちは、認知症の人に対して、大きな勘違いをしています。」と書きました。 認知症の人は、何を言っても理解できない。 そんな大きな誤解が、認知症の人の前で平気でその人に対する悪態を吐いたりします。 しかし、悪態を吐かれたことを、 認知症の人はしっかりと感じ取っていることを、私たちはわかっていないのです。 脳科学者の恩蔵絢子氏は、以下のように書いています。 「アルツハイマー型認知症の人は、周囲の人が高速で(私たちの普通の会話)やりとりする会話についていくことは、海馬の萎縮のせいで難しいところがあります。 数秒前まで語られていた膨大な言葉(私たちからすれば普通の会話)を覚えておかなければ、 会話についていくことができないからです。 しかし、アルツハイマー型認知症の人は、相手の感情を読むことはとても得意です。 完全には会話の内容を理解できなくても、言葉のトーン、相手の顔つきなどにはとても敏感で、 何か自分についてネガティブな情報を言われていることは、理解できるのです。」 (中央法規出版社 恩蔵絢子、永島徹著「なぜ、認知症の人は家に帰りたがるのか」P141より抜粋。( )内は石川が注釈) このように、しっかりと私たちの言葉や態度を感じ取っておられるのです。 ですから、決して認知症の人は何もわからない人ではないということ。 そこを私たちは誤解してはならないのです。 では、なぜ認知機能が低下しているのに、感情は読み取っていくことができるのか。 つまり感情が伝染していくのか?  次回に書き込みます。(つづく) 8月11日、山の日ですが、私は山には登らず、クラシックコンサートに行ってました。 85歳のマエストロのラストコンサート(大阪での定期演奏会ということです)でした。 渾身の指揮の後、腰の痛みと疲労を隠しながら、 何度も何度も頭を下げて、舞台を後にされました。 日本の一時代を担った名指揮者でした。 ひとつの時代が終わる…  そんな切なさと感動を覚えたコンサートでした。
ブログ投稿画像 これまで認知症の人のことで、何度か取り上げていたのが、周辺環境に関することです。 環境というと、景色や温度などの住み心地良さがまずは頭に思い浮かびますが、 もちろんそれらも重要なものではあるのですが、 やはりなんと言っても、「人」そのものが最大の環境になります。 在宅の場合は、介護者やサービス事業所の職員となり、 入居されている方はケアスタッフが多大な影響を与える環境要因になります。 ケアスタッフの動きひとつで、認知症の人の「生活していく上での快・不快」が変わっていきます。   しかし私たちは、認知症の人に対して、大きな勘違いをしています。 それは、認知症の人は「何もわからない人」と思っていることです。 例えば、真夏でも厚着している人がいれば、暑さもわからなくなっている、 つまり認知症の人は、周辺環境だけでなく 自分の身体の状況もわからなくなっている人と捉えてしまうでしょう。 確かに認知機能の低下は、通常の日常生活機能を失っていくことに繋がります。 しかし、私たちがもし認知症の人を険しい表情で睨み付けたら、 認知症の人の表情も強ばるでしょう。 ケア職員が何もわからない人という思いから、指示的、命令的な言葉を発すると、 認知症の人は険しい表情を浮かべるでしょう。 それは、「認知症の人は、何もわからない人」ではなく、 私たちの行動に必ず反応しているということなのです。 (つづく)
ブログ投稿画像 「認知症でも大丈夫!自分力とお助け力が広くつながるまちづくり」をスローガンに、 2014年後半に設立された「英田地区認知症ケアネットワーク委員会」 早いものというか、凄いというか、なんと90回目の開催となりました。 これまでに、委員会は様々な取り組みを行ってきました。 基本的に個別支援を話しあうのではなく、スローガンにあるように、 認知症になっても安心して暮らせるまちづくりを目指して、地域の皆様への啓発活動を行ってきました。 例えば、「安心声掛けつながり訓練」「ティータイム勉強会」「出前講座」 そして、広く東大阪市民に門戸を開いた「シンポジウム」など、数々の活動を実施しています。 コロナ禍で、それらの行事を自粛せざるおえない時もありましたが、 委員会だけは毎月継続して実施し、今日に至っています。 [caption id="attachment_4968" align="alignnone" width="1245"] 出前講座の風景 実験中[/caption]   今後の予定として、英田北地区の安心声掛け訓練、 そして出前型ティータイム勉強会(若しくは、出前型シンポジウム)のように、 各地域に出向いていって行う活動を実施予定です。 [caption id="attachment_4969" align="alignnone" width="1485"] 出前講座 歯の健康は万病予防[/caption]   なおこのように委員の皆様自身が地域に出向いて、 地域住民の方に講座や懇親会を開催するという取り組みは、 全国的にも珍しいものとなっています。 今後もこの活動について適時報告してまいります。 [caption id="attachment_4970" align="alignnone" width="2560"] 出前講座 健康寿命をのばそう![/caption]
ブログ投稿画像 認知症施策は、国家プロジェクトとして進められています。 その一環としてあるのが認知症サポーター講座です。 子どもから高齢者まで、多くの方が受講の対象となり、 全国各地で進められています。 下の写真は、某スーパーの出入り口に貼られている 認知症サポータ講座を受講した、認知症サポーターが職員にいますよという目印です。 このように、企業が進んで認知症の人への関わり方を勉強しているところが、 徐々に増えてきているのです。 先日訪れた中学校 今、中学は様々なカリキュラムに追われ、また先生方も多忙を極めています。 そのような中で、サポーター講座をお願いするのは至難の業なのです。 しかし、前向きに考えてくださり、人権研修の一環として取り入れてもらえそうです。 学校の先生方、或いは保護者の皆さんにとっては、 自分の親の介護に直面する年代の方々でもあります。 生徒さんだけでなく、先生方や保護者世代へのアプローチも必要なのです。 [caption id="attachment_4961" align="alignnone" width="2560"] 花園ラグビー場に一番近い中学校です。[/caption]   この中学校、ラグビー部の生徒たちが練習をしていました。 この人たちの中から、将来の日本代表選手が出るかもしれませんね。
ブログ投稿画像 東大阪社協で、キャラバンメイト養成講座が開かれ 若年性認知症の介護家族の方のお話がありました。 淡々と認知症の初期から現在に至るまでを話されていましたが、 男性介護者ゆえの戸惑いも多くあったようです。 特に、ご本人の認知症状が進む中、 かなりの焦燥感に襲われ、人間不信にもなられたとのこと。 しかし、地域包括支援センターや、ケアマネジャー、デイサービス担当者の専門職の皆さんに助けられたこと。 そしてそれらの専門職の皆さんが、みんな温かい笑顔で迎えてくれたこと それが何よりでしたと語っておられました。 また、地域住民の方が、認知症の人を避けるのではなく、 認知症の妻に対しても、気さくに挨拶をしてくれるだけでも 十分に気持ちが助けられるとも話されていました。 ただ診断をしてくれた病院が、「地域包括支援センター」という相談に行ける場所を紹介してくれなかったので、 自分で色々と探すことになり、その分回り道をしてしまったとのこと。 まだまだ地域包括支援センターの存在が知れ渡っていないということでもあるのです。 今回お話をしていただいた介護者は、12月9日に開催される 一般市民向け講演会においてもお話ししていただける予定です。 この講演会についての詳細は決まり次第お知らせします。