2024.05.02 | トピックス, 必見!最新情報, 認知症の教室(一般市民用), 認知症の教室(専門職用)
底なし沼と地域包括支援センター(1)
2024.05.02
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地域包括支援センター職員のプライド、
それは、行政や誰にも見放されるようなケースも「なんとかする」、
最後の砦としての頑張りにあります。
本当に大変なケースに関わり、親身になって当該ケースだけでなく、
その地域に貢献していく姿は、もっと称賛され評価されてもいいのです。
しかし、同時にそれは包括支援センター職員が底なし沼にはまり込む危険性もはらんでいます。
以前私が包括支援センターにいたときも、
「私たちがやらなければ誰がやる?」という、最後の砦の者として、
「え?包括はそこまでやらなければならないの?」と言われながらも、
「私たちがやらねば誰がやる?」という意識の元でやっていました。
いわゆる「熱き包括魂」ともいえるかもしれません。
ある意味、「昭和的」な心意気ですね。
そして今でもケースのために一生懸命頑張るうえでの、
超過勤務の連続というところもあるかもしれません。
でもそれは、底なし沼に足を突っ込むことにもなります。
知らずのうちに心身の疲労困憊に繋がり、
それは自らのパフォーマンス(心身の行動力)を落とすことにもなりかねません。
「そのケースのためなら、私の命を縮めても構わない」という覚悟があるのなら別ですが、
そのケースだけでなく、多くの支援を必要としている人が待っているのですから、
自分のパフォーマンスを落とさないようにすることも仕事のうちです。
「昭和的な心意気」は、もう時代には合わないのでしょう。
「包括魂」は持ちつつも、「私たちがやらなければ誰がやる」の時代から、
「私たちもやるけど、みんなでやっていこう」というスタイルにシフトすること。
抱え込むと、困っている人のために、自らの骨身を削り、遅くまで残る。
結果、パフォーマンスを落とすという沼にはまってしまいます。
それは地域にも組織にも良い影響を与えないということでしょう。
自分のパフォーマンスを落とさない働き方をするのもプロの仕事のうちです。
話が少しそれましたが、地域包括支援センターの仕事は、
心身の疲労という底なし沼に陥る危険性をはらんだ職種であることです。
私たちはこれだけ頑張っているという自負心は受け止めつつ、
包括が頑張りすぎると、他者はなおさら包括に任そうとします。
行政も関係者も一緒に進んでいく道を探ること。
逃げようとする行政職がいるなら、首根っこ捕まえてひっつかまえるのではなく、
「あなたがいるととても助かる、ありがたい!」と言って仲間に引き入れること。
或いは「助けて!」って言っても構わないのです。
包括だけが背負うことはないのです。
時に割り切ることも必要です。
ストレスが溜まったら、誰でもいいので話を聞いてもらうこと。
とにかく包括職員だけで抱え込まないことです。
でないと、最後の砦としての「包括魂」が発揮できないことになります。
また地域包括支援センター職員へのフォロー体制を、公的に整えてあげないと、
「なんでも包括」の時代、もう少しねぎらう体制があってもいいのかなとも思うのです。