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2023.12.06

心理的概念からひもとく認知症

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認知症の教室(一般市民用)

認知症の教室(専門職用)

ビッグファイブとは、性格は5つの因子によって構成されているという学説のことです。
ビッグファイブは、世界で最も信憑性のある性格分析と言われており、
ビッグファイブを使った心理テストは世界中で活用されています。
この5つの因子の強弱が人によって違うため、
人それぞれのパーソナリティに違いが出るのというのがビッグファイブの学説の主張です。
そのため、認知症と直接関係しているものではありませんし、
認知症状を測るものでもありません。
ただ、認知症の人がどのような状況になってしまうのかという点ではわかりやすい指標となります。

ビッグファイブ理論

 

今回は、まずビッグファイブ理論について説明します。
この理論では、人の個性を5つの因子に分類しています。
その5つの因子について説明します。

「開放性」

知的好奇心が強く、想像力の豊かさなどが高いと開放性があります。
そのため、開放性が高い人は、新しいことに前向きで、冒険心があり、
アイデアを生み出すことを好み、想像力が豊かなタイプになります。
一方、開放性が低い人は、物事を決められた通りに進めることを好み、保守的で慎重なタイプと言えます。

どちらが良いとか悪いとかではなく、あくまでも指標として捉えてください。

「誠実性」

感情的にならず、勤勉であり、責任感の強さを測定します。
誠実性の高い人は、責任感の強さから、目的のために自身をコントロールすることができ、
達成力も高いのですが、こだわりの強い人や完璧主義が多いタイプと言えます。
誠実性の低い人は、計画的というよりは、感情的で直感的に行動するタイプと言えます。
きっちりと行うというより、気の向いたものは迅速に行動できるタイプと言えます。

「外向性」

社交性や積極性、活発さを見ることができます。
外向性の高い人は社交的であり、大人数との関わりを好み、押しが強く、
積極的に刺激を求める冒険的なタイプと言えます。
逆に外向性の低い人は,比較的一人の時間を好み、
思慮深く、考えて行動するタイプと言えます。

「協調性」

他者への共感力や配慮、思いやりを測定します。
協調性の高い人は、協力的で他人に親切、争いや対立を避け、気遣いができるタイプになります。
協調性の低い人は、周囲の人に全く関心がない、他人の気持ちを重要だと感じない、
ある意味マイペースとも言えます。

「神経症的傾向」(情緒安定性)

自分へのネガティブな刺激への反応の強さを見ます。
神経症的傾向の強い人は、緊張や不安、ストレスの多い環境や状況に身を置くと、
精神や身体の健康に影響が出ます。
ストレス耐性が弱い人と言えます。基本ネガティブ思考になります。
一方、この傾向が低い人は感情が安定していて、
悩むことやストレスを感じることが少ないタイプと言えます。
もしくはストレス対処が上手ともいえるかもしれません。

以上がビッグファイブ理論の説明となります。
例えば一項目5点として、自分が何点かを見ていきます。

必ずしも各項目が高い人が「いい人」という意味ではありません。
例えば誠実性の高い人は時に完璧主義になってしまいますし、
外向性の高い人は、人をも巻き込んでしまう強さが出てしまうかもしれません。
逆に協調性の低い人は、チームに馴染むということが難しいかもしれません。
人それぞれに得意不得意があるわけで、
それがその人のパーソナリティ、或いはその人らしさと言えます。

例えば私の場合、開放性も、外向性も、協調性も、誠実性も平均以下だと思います。
それが私ということになります。

問題は「神経症的傾向(情緒安定性)」になります。
認知症の有無に関係なく、その人の生活に何らかの影響を与えます。
そして特に、認知症状を発症した場合、この部分のダメージが大きくなるのです。

では次回、このビッグファイブ理論を元に、認知症の人のことについてお話しします。

 

(参考・引用)

 〇「アチーブメントHRソリューション」ビッグファイブとは?

 〇「心理学用語の学習」ビッグファイブ理論

 〇「ダイレクトコミュニケーション」ビッグファイブ理論とは

 〇恩蔵絢子「脳科学から見た認知症」