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2023.04.04

「ロストケア」より「生きる」を見る

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センター長の石川です。

見たうえで批評しようと思っていた、
42人の高齢者を殺害した犯人が主人公の映画「ロストケア」なのですが、
例えどんなに介護の問題を提起していたとしても、
殺人を扱う題材は論外だと思い、見るのをやめました。
殺人自体いかなる理由があろうとも問題外です。

毎日様々な思いに板挟みになりながら、
苦しみながら介護されているご家族を多く見ているだけに、
そしてヘルパーさんの頑張りを見ているだけに、
この映画、見てないけれど、なんだかな~と思ってしまうのです。

その代わりに見てきたのが「生きるLiving」でした。

これは黒澤明監督の不朽の名作「生きる」を、舞台をイギリスに置きかえてリメイクしたもの。
映画そのものもノスタルジック調に作成されたこの映画は見ごたえあり、心も温まりました。

事なかれ主義の公務員、政治家、上に立つ者全てに見てもらいたい映画でした。(もちろん、自戒も込めて)
黒澤監督のオリジナルは当然素晴らしく、ブランコのシーンが強烈でしたね。

このリメイク映画、たいした宣伝もなく、地味な映画なのに、
意外と観客に若者が多かったのは何となく嬉しかったかな。
(*見た映画館の構造は最低でしたが)

そして心が温まった後、ちょいと大阪城に夜桜の撮影に。
その帰路に乗った急行。
曽根駅手前でけたたましい警笛の後の急ブレーキ。
人身事故の電車に乗り合わせてしまったのです。
電車の先頭部のガラスが割れ、30分車内に閉じ込められた後、
運転中止となり、電車から降ろされました。
警察、救急の大騒ぎの中、さらに1時間待ち、ようやく運転再開になりました。

電車のガラスが割れたということは、恐らくは飛び込みでしょう。
もしそうならば、飛び込んだ人にはつらいことが山ほどあったのかもしれません。
しかし飛び込む勇気があるのなら、
その命、もしかしたら人に役立つ命になったかもしれないのにと、
「生きる」を見た後だけに、なおさらそう思いました。