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2022.12.24

感情に響く風景(その3) ~時間という風景を見る~

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きれいな花を見た時、「きれいな花ね!」と私たちはすぐに反応して言葉に出します。

しかし認知症の人は、きれいな花を見ても、
全く関係のないような言葉をぽつんと言ってみたり、
花に焦点を合わさなかったり、そんな姿を見ると、介護者はどうしても落胆してしまいます。

でもそれはその瞬間の時間に答えを求めようとする私たち側の時間感覚かもしれません。

時間の感覚は、心に大きく左右されると思います。

時間の経過は地球上どこでも誰でも一緒だけど、私たちの感覚で、早くも遅くもなります。

嫌な状況(上司に怒られるときとか)の時は時間が長く感じるし、
楽しい時はあっという間かもしれません。
また、ゆったりと流れるように感じる場所とか、
或いは時間に追われるというような感覚になる慌ただしい場所というのもあるかもしれません。

いつの間にか年末、もう一年経ってしまったとも思う今日この頃でもあります。

クリスマスなので、アヒルちゃんの写真を!

 

このように時間は常に私たちの生活にべったりと張り付いています。
同時に人それぞれに時間の感覚は違ってきます。時間そのものは不変なものなのに!

では認知症の人にとっての時間はどのようなものなのでしょうか?

認知症の人とのコミュニケーションでは、
「短く深い」時間で。かつ瞬間ではなく「連続かつゆっくり」で。
つまり、接続詞を省いた「花!」「きれい!」という単語で、時には感嘆詞を大げさに「すごい!」とか。

連続というのは、瞬間の時間でその言葉を終わらせるのではなく、繰り返し伝えるということ。

でっかいひよこちゃん ニワトリになったらどれだけ大きくなることか!

 

私たちの「会話」は、どうしてもいろいろな情報をくっつけてしまいます。
しかしそれでは伝わりにくいというか、理解することが厳しくなります。
よく知っている固有名詞の方が伝わりやすいでしょう。

さらに一度では伝わりにくいので、繰り返しゆっくりと。
つまり、私たちの時間のスピードではなく、認知症の人が理解しやすい時間に合わせるということです。

12月24日は、この人の写真を載せないと。

 

風景は見えるものだけでなく、「時空」で生活している私たちは、
「時間」という風景も見ていくのです。

難しく書きましたが、要するに認知症の人に合わせて会話するということなのです。

(つづく)