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2022.09.29

アルツハイマー病の新薬の話

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認知症の教室(一般市民用)

認知症の教室(専門職用)

センター長の石川です。

アルツハイマー病の治療薬をエーザイが出すというニュースが流れましたね。
正確には「治療薬」ではなく、進行を止める薬ですね。
一度壊された神経は元には戻らないので、治すというより、止める薬と言えます。
つまり、神経細胞がアミロイドβに破壊される状況を、少しでも早く阻止するためのお薬と言えるでしょう。
神経細胞へのダメージを少なくすれば、軽症で済む(通常の日常生活ができる)ということになります。
間違ってはならないのは、元の状態に戻す治療薬ではないということです。

ここで大切になるのが、早期発見体制の確立になるでしょう。
できるだけ早く発見できる検診体制の確立があることによって、
アルツハイマー病の重症化を防ぐということに繋がります。

但し、この「レカネマブ」、効果についてはまだまだ不明確なところはあるでしょうし、
何よりも一般の高齢者に気軽に使える薬になるかどうかは、当面かなり厳しそうです。
何百万もするのでは、薬はあってもごく一部の人たちしか使えないことになります。

介護者や本人からすると、藁をもつかむグッドニュースですが、
本当にグッドニュースになるには、かなり先となるかもしれません。

さらに、アルツハイマー病の原因の全てがアミロイドβではないという研究もあるようですし、
アルツハイマー病以外の認知症もあります。

認知症の薬はまだ前途多難と言えるでしょう。

つまり、私たちケアの力、ケアにかかわる人間のスキルの充実は、まだまだ重要であるということです。