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2021.12.28

記憶と感情(3)~長谷川和夫先生との思い出~

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認知症の教室(一般市民用)

認知症の教室(専門職用)

センター長の石川です。

さて、認知症の典型的な症状として、「記憶を引き出せない・記憶できない」というものがあります。

特に新しい出来事を記憶していけないため、直近の出来事が記憶できず、
同じことを何度も繰り返し聞いてきたり、さっき食べた食事のことも忘れてしまいます。

この状況のことを、11月に亡くなられた長谷川和夫先生は、
「確かなものが一つひとつ不確かなものに変わっていく」と表現されていました。

記憶と感情

その長谷川先生とは、「晩年の元気なころ」よくお話をさせていただきました。

そのひとつは厚労省から委託を受けた「認知症ケア高度化推進事業」のワーキング委員として、
毎月認知症研究研修東京センターに行っていた時のことです。
当時長谷川先生は東京センターのセンター長をされていて、まさしく熟達の域におられました。

その時から「私たちはもっと認知症の人の思いに立って考えなければならない」とおっしゃられ、
その結果として生まれたものが「ひもときシート」だったのです。

ひもときシートに関しては、また別の機会に喋りたいと思います。

記憶と感情

さらに長谷川先生には何度か市民向け研修で大阪に来ていただきました。
松本一生先生との二本立て研修は、大きな市民ホールが溢れるほどの参加者でした。
超大物とのセット研修は本当に緊張そのものでした。

記憶と感情
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ただ、それらの研修の都度、長谷川先生とお話しできたのは何よりの宝物になりました。
「確かなものが不確かになっていく」その不安は自分でもどうしようもなく大きいと話されていました。
「確かな記憶が不確かになっていく」しかしその感情はしっかりと意識付けされているのです。

 

(つづく)