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2021.10.18

何故、認知症ケアの歴史を振り返るのか2

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認知症の教室(一般市民用)

認知症の教室(専門職用)

私が大学在学中に初めてアルバイトで働いた特別養護老人ホーム
そこでは車いすに乗っている人を腰ひもで縛るのは当たり前の状況でした。
私が最初に命じられた仕事は、以前にも書きましたが、人を縛ることだったのです。
当時はどこの老人ホームでも似たり寄ったりのことはしていたのです。

「転倒するから安全確保のために縛る。それは仕方がないことではなく、当り前のこと」
という時代だったのです。
当然縛られるのは身体だけでなく、その人の心までも縛ってしまうことになります。

さてこの写真、何をしているところかわかるでしょうか?

認知症の人の歴史を学びませんか

 

廊下で入所者を立たせておむつ交換をしているところなのです。
男女も関係なく、プライバシー保持など当時はありません。
このような非尊厳の中でケアは平然と行われてきたのです。

廊下でなぜおむつ交換を?
一気にできるという効率性と共に、
下記の写真のように入所者がぎっしりと部屋に詰め込まれているということもありました。

認知症の人の歴史を学びませんか

 

当時は8人部屋、10人部屋はごく普通にあり、
寝返りを打てば、右にも左にも隣りの人の顔が眼前にあると言う感じだったのです。

はたして、今は「人としての尊厳が守られているのか」

「非尊厳の中で亡くなっていった方々のためにも、人としての尊厳を守っていかなければならない」
それが、次世代のケア専門職に託されているのです。

何故認知症ケアの歴史を振り返るのか

目の前の認知症の人の、人生の時間はそう多くはないのです。

写真;中央法規出版 宮崎和加子・田邊順一「認知症の人の歴史を学びませんか」より