2021.07.29 | トピックス, 認知症の教室(一般市民用), 認知症の教室(専門職用)
認知症の人の気持ちをどう理解する?(4)「若年性の人との関りから考えてみる」
2021.07.31
認知症の人の気持ちをどう理解する?(5)「認知機能ってなんだ?」
トピックス
認知症の教室(一般市民用)
認知症の教室(専門職用)
Aさんの思いを知るためには、まず「認知機能」と言うものを理解しなくてはなりません。
私たちにとって当たり前にある機能が、認知症になると当り前に働かなくなることなのです。
「認知症」といっても様々な症状があります(アルツハイマー病や脳血管性、レビー小体など)
この件についてはあらためてお話しするとして、認知症は、「認知機能の低下」が主体となります。
じゃあ、認知機能ってなあに?と言うことになりますね。
認知機能とは、物事を判断する力なのですね。
(カエルだとわかります。本物のカエルではないので、かわいい飾りと判断します。これも認知機能です)
自分を取り巻く全ての状況を一瞬に判断するのが「認知機能」です。
私たちの日々の生活は、物事を判断して行動することの連続で成り立っているのです。
今見えてること聞こえてること感じていること、
それらを一瞬に判断して私たちは生活しています。
日々の活動は、認知機能が保たれることで成り立っているのです。
普段の私たちが、当たり前のように感じ、判断することを瞬時に行っているのが認知機能です。
そして認知症は、その当たり前のことが出来なくなることなのです。
分かりやすく言えば、「あいうえお」と言われた時に、瞬間的に「あいうえお」と言われたことを認識し、
ほぼ同時に、「なんで「あいうえお」やねん。」と自分が感じること、
これらがすべて認知機能の働きがあっての活動です。
認知機能が正常に働いて、何を言われたのか、それにどのような意味があるのかを瞬時に判断し、
相手に聞き返すことにも繋がっていきます。
ところが認知症ではこの認知機能がダメージを受けてしまいます。
つまり瞬時に判断し、行動するということが出来なくなるのです。
「あいうえお」と言われても、それが「あいうえお」と言われたのかどうかもわからなくなるのです。
当然、ケアスタッフに何か言われても、「え?なに?」と言うことになり、行動には移せないのです。
私たちがごく当たり前に認識し、行動していることが、認知症の人には厳しくなる。
そのことを、しっかりと分かったうえで、認知症の方に関わって欲しいのです。
次回はもう少しその状態について視点を変えて考えてみたいと思います。