2019.08.09 | トピックス, 認知症の教室(専門職用)
私たちはしっかりと見られている
2019.08.13
アニメ「聲の形」から見えるもの
トピックス
センター長の石川です。
あまりにも暑いので、アウトドアはあきらめ、少し前の作品ですが、ネット配信で京都アニメーション制作の「聲の形」を見ました。
このアニメ、めっちゃ見応えありました。
そもそもアニメオタクではなく、アニメのアの字も知らず、「君の名は」すら、たかがアニメとバカにしていたくらいです。しかし、京都アニメーションの作品が若者たちの共感を呼び、その共感が世界に広がっていく意味が分かった気がします。
「聲の形」は、いじめや友情の意味に真正面から取り組んでいます。
ろうあ者ということでいじめの対象となる主人公。障がい者が受けるいわれなきいじめが描かれるだけでなく、障がい者自身もその思いを明確にしなければ、余計に溝は深まっていくこと。単に被害者には描いていません。
そしてもう一人の主人公は、いじめをして逆に友人たちに裏切られ、今度はいじめを受ける立場になり、周囲の人たちがすべて自分にとって心を許すことが出来ない、恐怖と辛さにさらされます。
そんな複雑な青春群像の中で、大切なものを彼らは見つけ出していきます。
アニメ独特の登場人物がいたりしますが、その脇役がまた内容を深めます。
舞台は大垣市。京都アニメーションのスタッフは丹念にそれぞれの舞台になった場所に行き、発想を膨らませ、そして描いていったのです。
聖地巡礼でその場所を訪れる若者が多いと言いますが、その気持ちもわかりますね。地域の知名度アップにもつながりますね。
「聲の形」、めっちゃ心に残る作品です。是非とも見てくださいね!
そして改めて思うのは、対立しか生まず、そのほとんどの人間が地位や権力に執着する政治家と違って、アニメには若者たちの心が世界に繋がっていく「ちから」が感じられました。
アニメを侮ったり、バカにはできませんね。
京都アニメーションが基本的に描こうとしている人の弱さとそこから這い上がろうとするちからを、これからも復活してほしいものです。