2018.12.06 | 認知症の教室(一般市民用), 認知症の教室(専門職用)
「もの忘れについて」その② 認知症の教室
2018.12.19
認知症の教室5「もの忘れについて」③ ~一般の方・専門職初心者用~
認知症の教室(一般市民用)
認知症の教室5「もの忘れについて」③
センター長の石川です。
今回は、もの忘れを、本人の立場で考えてみたいと思います。
残念ながら現在の医学では、認知症にならないための薬も、確実な予防法もありません。
逆に言えば、誰にでも認知症になる可能性はあるということなのです。
その認知症の初期症状として現れるのが「もの忘れ」です。
特に初期の頃は、もの忘れのことが非常に気になります。
当然私たちにも年相応のもの忘れはありますので、
認知症という「病気としてのもの忘れ」なのか、そうでないもの忘れなのか見極める必要があります。
病気としてのもの忘れの場合、まずは「不安」から始まります。
認知症になった多くの人が、もの忘れを病識としてとらえられたと述べています。
それは、言いようのない、霧に包まれたような「不安」から始まったそうです。
つまり、私たちが普段感じているもの忘れの感覚、
「えっと、なんだっけ?う~ん思い出せないな~、最近もの忘れが多くなった」という感覚よりも、ぐっと深く重たい不安感と言えます。
自らを認知症であるとカミングアウトした長谷川和夫先生は、「確かなことがなくなっていくような感覚」と述べられています。
もの忘れが、確かなことを失わせていってると、言えるのではないでしょうか。
そしてその不安感をありのままに恐怖感として受け止めていく人と、自分自身をその恐怖心から護るために、不安感そのものを否定する人とに分かれていくようなところがあるのではないでしょうか。
(つづく)