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2022.04.14

不便さを楽しむこと

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認知症の教室(一般市民用)

認知症の教室(専門職用)

先日、和歌山市に研修に行きました。
和歌山県全域の介護支援専門員向け研修で、リモートによるものでした。
ご存知のように、和歌山県と言っても、北から南まで膨大な大きさの県です。
しかしながら、リモート研修なので、和歌山市周辺だけでなく、
橋本、白浜、潮岬、紀伊勝浦、新宮市に至るまで同じ研修に同時に参加することが出来ます。
お出掛けしなくてもよいので、150名の方の参加となりました。
便利ですね! 特に和歌山県のような広大な県では助かるかもしれません。
本来ならば、対面の方がいいのですが、仕方ありません。

しかしながら、研修時間が近づくほど、
事務局への問い合わせ電話がひっきりなしに掛かってきます。
ZOOMのやり方がわからないのですね。
年配のケアマネジャーさんに多いでしょうか。

不便を楽しむ
ここで研修発信をしました

 

世の中どんどん進んでいき、便利さが増していきます。
確かに、この世の中の流れについて行こうと思ったら、
最新のシステムも高齢者であっても覚えていかなければならないのでしょう。
認知機能をフルに活用した世界はこれからも進化していくでしょう。
認知症予防のためにも、新しいものにチャレンジすることは大切だと思います。
まして今の現代人からスマートフォンを奪ったら、
めちゃくちゃ不便と感じるでしょう。

不便さを楽しむ

認知機能がダメージを受ける認知症の人にとっては、
「認知機能万能」の世界では生きづらくなります。
もちろんGPSの恩恵で助けられることもあるでしょうが、
生活全般で言えば、世の中がどんなに便利になっていたとしても、
そんなこと知ったことじゃない、今日一日どう安心して暮らせるかなのです。

そもそも、ふた昔前まではスマートフォンがなくても生活は出来ました。
不便は不便なりに生活できましたし、楽しみもありました。
認知症の人と関わるときは、「認知機能万能」の世界での考え方では
その思いに近づくことは出来ません。
「不便さを楽しむ」くらいの気持ちを持つこと。
では具体的にどのようなことか? それはまた後日に。

不便さを楽しむ

ひとつ皮肉を書かせてもらうと、
スマートフォン万能の世界になり、今や休みの時でも、どこにいても
仕事場からメールや電話が入ります。
残念なことに、少し前までは山奥にこもれば電波も届かなかったのですが、
今は大概の所で電波が届きます。
しかしいやだなと思っても、スマートフォンを電源OFFにはできないのです。
電波が通じていないと、持っていないと不安に駆られるからです。
哀しき現代人です。
ひっそりとプライベートを楽しむこともできないですね。
便利にはなりましたが、人の心の安らぎの時間も奪っていると言えるかもしれません。

不便さを楽しむ