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2021.07.10

「アドボケーターについて」(その2)ケア従事者の使命

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認知症の教室(一般市民用)

認知症の教室(専門職用)

アドボケーター(advocater)の話、第2回目になります。
ちょっと、厳しめのことを書きます。
アドボケーターとは、「代弁者」と言う意味になります。

私たち対人援助職に就くものとして、必ず身に着けておかなければならない技術のひとつです。

繰り返します。
ケアマネジャーやケアワーカーなど対人援助を行う職業に就くものとして、
必ず知っておくべきものであり、また技術として持っておかなければならないのが「アドボケーター」つまり「代弁者」としての役割なのです。

みんな違ってみんなおもしろい

では、誰の「代弁者」なのか?

もちろん、私たちが支援している利用者のことになります。
特に自分の意志表示が厳しい認知症の人は、私たち側の判断だけで取り決めてしまうことが多々生じます。

そこで忘れてはならないのが、「本人の意思(意志)」です。

みんな違ってみんなおもしろい

しかし、認知症の人の意思なんかわからない、
コミュニケーションができない人の思いなんてわからないと思うかもしれません。
ところが個々の意思の尊重は、私たち対人援助職に課せられている重要な役割なのです。

特に認知症の人の場合、アドボケーターをわかりやすく言えば、
その人のアバターになったつもりで考えることが必要です。

アドボケーター
アバターのようなお花ですね

 

そして何よりも忘れてはならないことは、
入居利用者、特に認知症の人の側に立って考え、発言できるのは、
八百屋さんでも、魚屋さんでも、銀行員でも、警察官でもなく、
一番身近にいるケア従事者しかいないのです。

私たちが認知症の人(入居者)の思いに立たなければ、誰が立つのか!?

アドボケーター

家族も今は入ることは出来ません。
このような状況の中で、認知症の人はわからない、伝えられない不安や孤独の中で、
誰も味方がなく、ケア側の言われるままに生きていかなければならないのです。

繰り返します。
「私たちが認知症の人の思いを汲まなければ、誰がその思いをわかってあげられるのか?
専門職である私たちしかいないのです。これは専門職の使命ともいえることです。」

アドボケーター

例えば、カンファレンスの時、
認知症のAさんのアバター役(アドボケーター)を設け、本人の意思であろうことを発言します。
ある意味Aさんのアバターは、Aさんの弁護人と言う役割も担うのです。

例えばAさんの行動に困ったケア職員が、
その行動をなんとかしてほしいとカンファレンスで発言するとします。
この時Aさんのアバター役は、Aさんになり代わって、Aさんの思いを伝えるのです。
もしかしたら、Aさんの行動にはケア側の問題があったということもあるかもしれません。
誰かがAさんの立場に立たないと、全てはケア側の都合で決められて行ってしまうのです。

アドボケーター

このように、カンファレンスではケア側だけの思いで何もかも決めるのではなく、
本人が意思表示できない人ならば、
その人のアバター役(アドボケーター)を職員の一人に設定しておくのです。

このアバター役を担った人は、とことん本人の思いを理解することを行っておかないと、
アバターにはなれません。

そのためにどうするかは、後日また掲載したいと思います。