ninchisho-yui-logo
menu

メニュー

clear ninchisho-yui-logo

2022.05.28

認知症のことで知ってほしい5つのこと(2)「様々な状況の人がいます」

トピックス

必見!最新情報

認知症の教室(一般市民用)

認知症の教室(専門職用)

今回も若年性認知症と診断された、丹野智文さんと下坂厚さんが共同で作成された
「認知症のことで知ってほしい5つのこと」から紹介したいと思います。

 

(2)重度な人の情報ばかり流れるが、色んな人がいることや、重度だと思われてる人でも、色んな顔があることを知ってほしい。

 最近は一方的に流されるニュースの中で、私たちが翻弄されることが多いですね。
そしてどうしてもその一方的なものを心に染み込ませてしまいます。

 認知症の番組も多くなりました。確かに番組上、刺激的な内容になってしまうのかもしれません。
介護者の苦労も並大抵のものではないことも事実です。
しかし「認知症=めっちゃ大変」のニュースは、
「認知症の人はめっちゃ大変」という思い込みを私たちの心に植え付けていきます。

これは私を含めた専門職にも言えることです。
はなから「認知症の人」として見てしまい、そしてそれが過度になると「認知症の人扱い」になってしまうのです。

 下坂厚さんのお話を聞いていると、「え?本当に認知症の人なの?」と思ってしまいます。
それは下坂さんの話を聞いた多くの人も同様でしょう。
何故かというと、私たちには「はなから認知症の人」という意識が働いているからです。
下坂さんは若年性認知症の診断を受けているだけで、下坂さんは下坂さんという個人です。
今回も若年性認知症の診断を受けたことによる心の内を語られただけで、
「なんだ、しっかりしゃべれるじゃないか、認知症と言っても大したことないじゃないか」という思いは間違いでしょう。

 一言に「認知症」と言っても、一人ひとり状況はさまざまです。
私たちは安易に認知症が軽度とか中度とか重度とか言ってしまいますけど、
どのような状況であれ、人それぞれの個性があり、さらにその方の感情や感性は日々変化します。
認知症と診断されなくても私たちの感情は常日頃変化しているのに、
「認知症」と診断されただけで、その変化は「認知症だから」と言われてしまうのです。

「認知症と言っても、ご本人の数だけ家族の数だけ、環境の違いで、いろいろな現実があることを知ってほしい」と書かれていますが、
私たち(専門職)は「思い込み」ではなくて、
もっと謙虚に耳を傾け、視野を広げていかなければならないと思うのです。